マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションボーイズラブ小説外国人

傲慢な龍の背信

傲慢な龍の背信


発行: イースト・プレス
レーベル: アズ・ノベルズ シリーズ: 傲慢な龍
価格:850pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★★3
◆レビューを書く

¥0サンプル
購入する


解説

 俺には……おまえがわからない
 中国マフィア同士の抗争に巻き込まれた無自覚トラブル引受人、三枝は現在、身の安全のため恋人の実業家、王の屋敷に居候中。ところが今度は、王の義弟で辣腕秘書の小野が、恋人の楊を手ひどく傷つけたあげく姿を消してしまう。その日以降、王の周辺で厄介な事件が続発。密かに王の動向を探り、かつての敵、姜と手を組む小野の真意は……? 緊迫する義兄弟二人の関係。三枝は王を慰めるしか術もなく……。大人気シリーズ、愛憎のララバイ♪

※こちらの作品にはイラストが収録されています。
 尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。

目次

 傲慢な龍の背信

抄録

 「どうして君は……」
 いつもの、あの捨てられたこどものような顔をしていた。いつもなら、楊は迷わず小野の体を抱きしめ、優しく口づけをした。
 しかし、今は事情が違う。楊は悲しい気持ちのまま、黙って小野を見返すしかなかった。
 静かにふたりは見つめ合い、小野が「楊」と切なげな声でいった。
 駿、とは呼んでくれないか。
 寂しさに襲われながら、楊が心の中でつぶやく。すると、小野が楊の上に体を重ねてきた。
 好きではない、といったのにどうしてこんなことをするのか。
 小野の体から放たれる熱を感じながらそう思う。
 しかし、二週間の禁欲生活に性愛の快楽に飢えていた体は、愛しい人に触れられて、すでに目覚めはじめている。
 広く逞しい背中に腕を回しながら、楊は漠然とこれが小野と抱き合う最後の機会かもしれない、と感じていた。
 最後なのだから、優しくしてほしい。なんて、とてもいえないな──。
 前回の時のような一方的に貪られるだけの性交を覚悟しつつ、楊は目を閉じる。
 口づけされると思ったが、小野はキスをせずに黙って楊のカットソーの裾を捲りあげ、ひんやりとした手で腹部に触れた。
 「抵抗しないの?」
 「しない。してほしいのか?」
 「……わからない」
 ぽとん、と蛇口から水滴が滴り落ちるように小野が答えた。
 おそらく、小野自身にも本当にわからないのであろう。困惑げな小野の顔を見ていると、楊も自然に納得できた。
 小野の心には、ぽっかりと欠落した部分があって、それが原因で不安定になったり激しいセックスをしたりする。そして今、その穴が小野にこんな顔をさせるのだ。
 それを埋めたいと楊はずっと願っていて、そうすべく努力をしてきた。しかし、穴は埋まらないまま別れることになるのだろう。
 たがいに衣服を脱ぎ、楊が改めてベッドに横たわると、小野が無言でのしかかってきた。楊が小野の左胸に手をあてる。
 ここを、いっぱいに満たしてやりたかった。そう考えていると、小野が不快そうに眉を寄せ警戒も露わに尋ねる。
 「……何?」
 「なんでもない」
 触るのさえ、許可がいるのか。そう思うと悲しさがどうしようもなく込みあげてくる。
 目を閉じて、腕をベッドに下ろした。静かに横たわり、口を開く。
 「おまえが、したいようにすればいい」

本の情報

この本を読んだ人は、こんな本も読んでいます

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。