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シークを愛した代償 アズマハルの玉座 I

シークを愛した代償 アズマハルの玉座 I


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイアアズマハルの玉座ジュダールの王冠
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆1
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著者プロフィール

 オリヴィア・ゲイツ(Olivia Gates)
 カイロ在住のエジプト人。作家だけにとどまらず、眼科医、歌手、画家、アクセサリーデザイナーという実にさまざまなキャリアをもち、妻と母親業もこなしている。キャラクター設定やプロットのアドバイスをしてくれる娘と、ストーリーが気に入らなければキーボードの上を歩きまわる辛口批評家のアンゴラ猫の助けを借りながら、情熱的なロマンスを書き続けている。

解説

 アズマハル国再建のため、王の候補の一人であるハイダールが帰国し、ロクサーヌの心は千々に乱れた。8年前、私は彼にすべてを捧げていた――身も心も。けれど彼は、私を賭の対象としてしか見ていなかったのだ。屈辱のあまりハイダールのもとを去ってから、彼のように目もくらむほどの快楽を与えてくれた人はいなかった。でも、もうただの欲望を愛と取り違えたりしない。私に愛情のかけらも抱いていないことはお見通しなのに、なぜ彼はまた私を誘惑しようとするの? 彼のセクシーな声と冷たい微笑は、ロクサーヌの体にたちまち火をつけた。

 ■玉座を巡って3人の王子たちが愛憎劇を繰り広げる、オリヴィア・ゲイツの3部作〈アズマハルの玉座〉は、〈ジュダールの王冠〉と〈ゾハイドの宝石〉の関連ミニシリーズです。

抄録

「自分がやったことなのに冷静に話すのね」
「そんなふうに言うのはやめてくれないか」彼は髪をかきむしった。そのしぐさのひとつひとつに過去の自分の行為を後悔していることがにじみ出ていた。「とにかく……ことはそう穏やかには進まず、ラシッドは忽然と姿を消してしまった。そして三年前に突然、電話をかけてきたんだ。酒に酔ってるみたいな声だった。ぼくは呆然としたよ。ぼくの知っているラシッドは酒なんか一滴も飲まなかったから。彼は助けてほしいと言い、住所を告げてから電話を切った。ぼくはあわててそこに駆けつけた。でも空っぽだったんだ」
「彼を見つけられなかったの?」
「文字どおり空っぽだった。そんな住所は存在しなかった。ぼくは彼に電話をかけ続けたが、いっこうにつながらなかった。数日後、酒に酔っていただけだから、あの電話のことは忘れてくれというメールがラシッドから届いた。ぼくはすぐに会いたいと書いたメールを返したが、返事はなかった。ぼくは彼の気まぐれな行動にうんざりし、忘れることにした。それから一年後にゾハイドの騒乱が治まったすぐあと、ラシッドは再びぼくの人生に戻ってきた。最も恐ろしい敵として。最初はぼくに仕返しをするために、いやがらせをしてくるんだろうとしか考えていなかった。だから彼に連絡し、子供のころからの夢だった事業のパートナーにならないかと持ちかけた。でもぼくが苦心してすべてのお膳立てを整えたあと、彼は共同で事業をするつもりはないし、もう二度と連絡してくるなと言ってきた。ぼくは昔のことをいつまでも恨んでいる彼に腹を立て、それから今日まで話もしなかった」
 ハイダールは昔のままだ。自分の思いどおりにすることしか考えていないのだ。ロクサーヌは苦々しく思った。彼はラシッドだけでなく、ヤラルにもわたしにも同じことをした。だから同情なんかするべきではないのに、かわいそうに思えてしまう。
 ハイダールがなぜそんなことをしたのか、きちんと説明したのはこれが初めてだから、こんな気持ちになってしまうのだろうか……。でも彼が傷つけた人にとってはそんな話はどうでもいいことだ。
 ハイダールはすがるような顔を向けた。「それでもぼくは自分のしたことをずっと後悔していた。だからラシッドに何をされても許していた。けれどもだんだん一方的にやられることに腹が立ってきて、争いになってしまった。でも今日、彼の姿を目の当たりにして、雷に打たれたようなショックを受けた」
 ロクサーヌはうなずいた。「わかるわ。わたしも思わずぞっとしたもの」
「あれはぼくの知ってるラシッドじゃない。顔にあんな傷があるなんて……」
 彼女は顔をしかめた。「傷?」
 ハイダールは彼女の正気を疑うような目を向けた。「どうしてあの傷に気づかずにいられるんだ? まさか、みんなも気づいていないのか?」
「近くで彼を見ていないもの。わたしの情報によると、ラシッドがアズマハルに戻ってきたのは七年ぶりだわ。変わっていてもおかしくないわよ。あなただって会うのは久しぶりでしょう。それなのになぜそんなに驚いたの?」
「あれはぼくの知ってるラシッドじゃない。まるで別の人間だ」
「兵士になったからじゃないかしら。戦争に行けば人は変わるわ」
 彼は首を振った。「ぼくも最初はそう思ったさ。でもそれだけじゃない。何かが彼に起こったんだ。何かとてつもなくひどいことが」
「戦争に行くよりもひどいことが?」
「ああ。ラシッドはそのひどいことを陰で引き起こしたのは、このぼくだと思っている」
 彼女の心臓は肋骨を叩いた。「そうなの?」
 ハイダールは全身をこわばらせた。「きみはどう思うんだ?」
 ハイダールは犯罪に手を染めるような人ではない。でももし法に触れない形で親友の肉体も心も傷つけたのだとしたら、彼は犯罪者よりもたちの悪い怪物だ。
 彼女は唇をかみ締めた。「彼がまちがっているとどうやって証明するつもり?」
 ハイダールの体から緊張が解けた。無実だと思われてほっとしているのだろうか。「ラシッドに何があったのかを調べなきゃならない。でもそれはむずかしいだろう。あれほどひた隠しにしているのだから」
「わたしに手助けできることがあったら言って」
 ハイダールは彼女に目を向けた。そのまなざしにはまぎれもない感謝の念が浮かんでいた。
 ロクサーヌは心を揺さぶられ、涙が目の奥をちくちく刺した。「ハイダール……」
 ロクサーヌは言葉を続けようとした。が、気づくと、壁に押さえつけられていた。彼女は身をよじらせて逃れようとしたが、がっしりした彼の体はびくともしなかった。ハイダールは顔を寄せて彼女の唇を奪い、我がもの顔に舌を差し入れてきた。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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