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薔薇色にときめいて 魔法のスカート

薔薇色にときめいて 魔法のスカート


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・テンプテーション魔法のスカート
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 クリスティン・ガブリエル(Kristin Gabriel)
 ウエイトレス、電話交換手、図書館員と様々な仕事を経験したのち、作家の道にたどり着いた。1998年、北米ハーレクインよりデビュー。99年、権威あるRITA賞を受賞。都会より牧歌的な田舎を愛し、ネブラスカ州に夫と三人の子供、スパニエル種の犬、何匹いるかわからない猫とともに暮らす。作家になって一番よかったのは、パジャマを着たまま仕事ができること。地平線に消えゆく夕日を見ながら、夫とゆっくり散歩する時間を大切にしている。

解説

 ■月光の下で織られた魔法のスカート。はけば、男心を虜にするという。

 ■寝室の鏡に向かったケイトは思わずにっこりした。ついに噂のスカートを手に入れたわ。今まで男にいつもそっぽを向かれてきたけれど、もう大丈夫。それに、ついに本物の王子様を見つけた! ハイスクール時代からあこがれだったトッドは、会社を経営して成功をおさめ、まさに未来の夫にふさわしい。魔法のスカートをはいて彼を誘惑すれば、たちまち二人は恋に落ちるはず。でも……。彼女はふと顔を曇らせた。それにはまず、ベッドの下に隠したこの男性をなんとかしないと。

 ■友人の結婚式で望みのスカートを手に入れたケイト。彼女はお目当ての男性の前でスカートをはくつもりでしたが、スカートが盗まれてしまいます。叙情性に富んだ新作家クリスティン・ガブリエルがミステリーの要素も織りまぜて、ほほえましい作品に仕上げました。

抄録

 スカートには、まだ男性を虜にする効果が残っているだろうか? どうやってそれを試せばいいかしら?
 そのとき、表から削岩機の音が聞こえてきた。チャンスだ。ケイトは表へ出ようとした。作業員が自分に関心を示すかどうか、確かめるためだ。しかし、歩道から家に入る彼女に口笛を鳴らす男たちは、以前にもいた。それだけではなんとも言えない。
 ケイトは大きなため息をついた。鏡を見るのをやめてベッドルームのドアを開けたとたん、彼女はなにかにぶつかった。誰かがドアの向こうに立っていたのだ。後ろによろめきながら、ケイトは悲鳴をあげた。すると、ぶつかった相手が手を伸ばして、彼女の肩をつかんだ。
「大丈夫、驚かすつもりじゃなかったんだ。僕だよ、ブロック・ギャノンだ」
 ケイトの心臓が、胸から飛び出すほど大きくはねあがった。大きく息をして、全身を駆けめぐるアドレナリンに耐える。
「ブロックですって?」
 ほんとうにあのブロック・ギャノンなの? ブロックはいつも黒い革ジャケットを着ていた、やせたティーンエージャーだったはずだ。しかし目の前にいる彼は、やせてなどいない。ゆうに百八十センチを超える身長に、部屋の入口より広そうな胸を持つ男性だ。
「ブロック」ケイトは繰り返した。「ほんとうにあなたなの?」
 ブロックはうなずくと、視線をケイトの体の線に沿って下げ、また上に戻ってダークグレーの瞳を彼女の目と合わせた。口を開いたものの、言葉が出ない。立ったまま、信じられないという表情で、ケイトを見つめているだけだ。
「ここでなにしてるの?」ケイトはきいた。なにが起こったのかよくわからなかった。ブロックが家に来るなんて、十何年ぶりじゃないかしら。ブロックは兄のトニーの大親友だ。二人とも車が好きで、女の子に手が早かった。太っていて髪をおさげにしていた私など、ブロックの眼中にはなかっただろうけど。
 ケイトのほうは当時のブロックに、なんとなく危険な香りを感じていた。彼ががりがりの体には全然似合わない、ならず者みたいな格好をしていたからだ。彼女はブロックとほとんど言葉を交わしたことがなかったが、彼が問題児だったのは知っていた。そしてとうとう下級生と──よりによってトッド・ウィンズローと──喧嘩騒ぎを起こして退学になったのだ。ブロックは翌日海軍に入隊し、二人はそれ以来会っていなかった。
 ブロックがたたきのめした男の子が、今しがたまで私が思い描いていた理想の男性だなんて、皮肉な話だわ。ブロックはトッドを覚えているかしら? 彼がりっぱになって成功をおさめたことはどうかしら? けれど今のブロックは、私のことさえ覚えていないようだ。
 ブロックの顔に、ゆっくりと笑みが広がった。笑顔のブロックは、見たこともないようないい男だった。「かわいいケイティ? ほんとうに君なのかい?」
 ケイトは一歩ブロックに近づいた。膝が震えるのはなぜ? 彼女は手を差し出して言った。
「今はただのケイトよ」
「信じられないよ」ブロックはケイトの手を握り、彼女を引き寄せて抱きしめた。
 その力強さに、ケイトは思わず息をのんだ。ブロック・ギャノンはりっぱな男性になっていた。頬にあたるひげが痛い。鍛え抜いた腕の筋肉が、指に触れる。
 ケイトは顔を紅潮させ、ブロックから体を離した。ケイトに注がれる視線からすると、彼も思いがけない再会にとまどっているように見える。
 ケイトははっとした。彼がこんなふうに私を見つめているのは、スカートのせいだ。まだ効果はあるのだ。スカートの魔力がなかったら、彼もこんなふうには見つめてくれない。そう考えて、ケイトは胸が痛んだ。すると、ブロックの突然の出現に生まれた興奮は消え、彼が部屋の前に立っているのを見た瞬間に浮かんだ疑問が取って代わった。
「どうやって家に入ったの?」
「ドアが開いてたんだ」ブロックは口ごもりながら答えた。
 ケイトはかぶりを振った。「鍵をかけ忘れるわけないわ」それとも、スカートを試すのに気をとられていて、うっかり鍵をかけ忘れちゃったのかしら?
「いつもと同じように入ってきたんだよ」ブロックはにっこりした。「昔の習慣って忘れないものだね」
 この家はブロックにとって、第二の我が家のようなものだ。ケイトはよくわかっていた。彼の自宅はひどいものだと、兄のトニーは言っていた。ブロックは町の貧民街にある小さなアパートメントで、母親と二人で暮らしていた。大半の家具や服は中古品だった。ブロックの母親は夜、彼を残してバーのウエイトレスをしていた。そういう事情もあって、ブロックはいつもタラヴェラ家に入りびたっていたのだ。
 でも、それは十二年も前のこと。今ごろ彼が家に入ってきて、私の部屋にいるのは不自然だ。「どうしてシアトルに来たの?」
 ブロックはためらいがちに言った。「パーティに招待されたから」
「ああ、そうだったわ」たしかにケイトはブロックの母親に招待状を送って、彼にも来てほしいと書いたが、なんの連絡も受け取っていなかった。「返事をもらわなかったから、あなたは来ないのかと思っていたわ」
「かまわなかったかな?」
「もちろんよ」


 *この続きは製品版でお楽しみください。

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