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プリンセスの秘密 世紀のウエディング IV

プリンセスの秘密 世紀のウエディング IV


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア世紀のウエディング
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★☆☆1
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著者プロフィール

 アン・マリー・ウィンストン(Anne Marie Winston)
 ベストセラー作家で、“ロマンス小説界のオスカー賞”ともいわれるRITA賞の最終候補者にもなった経歴を持つ。赤ん坊やあらゆるタイプの動物、これから開花しようとするものすべてを愛し、執筆活動以外の時間は、子供たちの運転手や読書をして過ごす。ちょっとした刺激ですぐに踊りだしてしまう陽気な性格。庭の手入れは、雑草で太陽が見えなくなってからするという。

解説

 ■再会した恋人の冷淡な態度に、プリンセスは打ちのめされ……。

 ■赤ちゃん! プリンセス・エリザベスの母としての本能が、ふくらんだおなかを隠すように告げた。こちらに向かって歩いてくる彼は、私に会えてうれしいようには見えない。私のほうは、ずっと彼を捜していたというのに……。エリザベスは、おなかに小さな命が宿った夜のことを思い出した。彼女の家でもあるウィンボロー王国の城で開かれた舞踏会の夜、背の高いハンサムな男性に一目で惹かれ、どちらも名乗り合わずにそのまま一夜をともにした。だが、エリザベスが運命の恋人に出会えたと思ったのもつかの間、彼は翌日には姿を消していた。今、彼は自分を捜し出したエリザベスに烈火のごとく怒っている。赤ちゃんができたことなど、とても言えない……。

抄録

「しばらく君にはここにいてもらう」
「ここにいてもらう? なんのために?」
「それは」レイフの口調は理性的で礼儀正しかったが、エリザベスには、彼が歯を食いしばっているように思えてならなかった。「僕の人生に再び現れ、僕の子供を身ごもっていると公言しておいて、それきり立ち去るなんてさせられないからだ」
「私は公言なんてしてないわ」
「なんだって?」レイフはエリザベスの両腕をつかみ、圧倒的な力で自分のほうに顔を向けさせた。
「私の意思を無視してここに引き留めておくことはできないわ」エリザベスは身をよじって逃れようとした。だがレイフは放さない。それどころか、二人の隙間を埋めるように、エリザベスを引き寄せた。
 エリザベスは、レイフの体についた水滴と濡れた水着を薄いドレス越しに感じ、息をのんだ。目を閉じ、この偽りの抱擁が五感にもたらした影響を、彼に見抜かれないようにする。
 だがその計画は裏目に出た。目を閉じると、そのほかの感覚がより外界を際立たせた。レイフの体を包む、みずみずしく清潔な水の匂い、触れ合った腕の、ひんやりした肌。身を触れ合わせていると、レイフの大きな体がたくましくて固く、冷たい腕とは打って変わって強烈な熱を発散しているのがわかる。彼の日に焼けた肩にエリザベスの髪がまつわりつく。彼女は自分がとても小さくなったような気がした。
 レイフの息が耳のあたりの髪をそよがせた。静かに体を触れ合わせながらも、エリザベスは彼の息遣いが変化していることに気づいた。次第に速くなり、胸も上下している。
「エリザベス」レイフは片手でエリザベスの頬を包んだ。彼女はまた目を開けた。レイフの顔は目の前にあった。ブルーの目は威圧的で、そらすことができない。レイフの親指がエリザベスの顎を撫で、顎の下に滑り込み、少し力を入れて顔を上向かせる。
 レイフの顔が近づくにつれ輪郭がぼやけ、やがて唇が覆いかぶさってきた。
 レイフとのキスは初めてではないのだから、ここまで動揺しなくてもいいはずだった。彼の唇は優しく、だが力強く執拗で、探索するように情熱的に動いた。舌が彼女の上唇をなぞり、閉じられた唇のラインをたどって強引に分け入り、開かせようとする。
 エリザベスが頭をのけぞらせると、レイフは唇を重ねたままその頭をかき抱き、ますますキスを深めた。自由なほうの手はエリザベスのヒップから肩へと這い上り、また下りて彼女の体を強く抱き寄せる。エリザベスは薄い布地越しにレイフの欲望の高まりを感じ、また、全身で彼を感じて、緊張を解いた。
 エリザベスの両手は、レイフを押し戻そうとして筋肉質の腕をつかんでいたが、熱く脈打つ欲望に体を貫かれ、てのひらでゆっくりと彼の肩を撫で上げ、首の後ろを繊細な指で愛撫した。
 レイフは身震いし、唇を離してエリザベスの顔を肩に押しつけた。彼の息は乱れていた。エリザベスは自分の息も乱れていることを気づかれたくなかった。
「だから君はここにとどまるんだ」
 レイフの声に潜む自己満足の響きは、荒れ狂う炎にぶちまけられた四千リットルの水と同じ効果をもたらした。エリザベスはレイフの腕の中でびくりとし、片手を彼の首の後ろにまわしたまま、豊かな黒髪に指を差し入れて強く引っ張った。
「うわっ!」レイフは即座に彼女を解放した。「なんのまねだ?」
「セックスを利用すれば私を思いどおりにさせられると、あなたが思い込んでいるからよ」
「一度はそれでうまくいったじゃないか」レイフの暗い目は、怒りに満ちていた。
「騎士道精神あふれるお言葉ですこと」
「僕は白い騎士なんて柄じゃないからね」レイフは大きなため息をついた。「悪かったよ。君と怒鳴り合いなんてしたくない」
「だったら私が去れば、それは避けられるわ」
 レイフはそのわざとらしい挑発を無視した。「最初から、きちんと話し合おう」
 エリザベスは肩をすくめた。心の一部では、できるだけ早く、できるだけ彼から離れたところに行ってしまいたい、と思っていた。しかしまた別の一部では、そんな気持とは裏腹のいまいましい期待が渦巻き、彼の腕の中で知った恍惚感と、彼と出会って以来紡いできた夢を思い出させた。「そうね」
「君は赤ん坊を産むつもりなんだろう?」
 エリザベスはうなずいた。「そうよ。でもあなたからは何も期待しないわ。ただ単に、子供の父親であることをあなたに教える義務を感じただけよ」
「君の妹がそう言ったんだろう」レイフが思い出させると、エリザベスはすぐに身をこわばらせた。レイフはなだめるように片手を上げた。「悪かった。僕の言いたいのは、しばらく僕のゲストとしてアリゾナにとどまってほしいということだ」
 エリザベスは不信感を声に出さずにはいられなかった。「なぜ?」
 レイフは深く息をついた。「僕たちは人の親になる。赤ん坊のために、お互いをもっとよく知り合って、子育てについて話し合う必要がある」


 *この続きは製品版でお楽しみください。

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