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気高き騎士 戦士に愛を

気高き騎士 戦士に愛を


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ヒストリカル戦士に愛を
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 マーガレット・ムーア(Margaret Moore)
 俳優エロール・フリンに憧れ、『スター・トレック』のミスター・スポックに恋をした少女は、やがて謎めいた魅力的な悪漢をヒーローに仕立てたロマンス小説を書くことに夢中になった。カナダのオンタリオ州スカボローに夫と二人の子供、二匹の猫と暮らしている。読書と裁縫が趣味。

解説

 ■騎士たるもの、志は高く、正義を貫くためには命も惜しまず。

 ■「婚礼の前に花嫁をさらうのはウェールズの風習なのだ」新しい主君キンヴェリンの説明に、ノルマン人ブライスはうなずいた。ウェールズの貴族にも風習にも詳しくない以上、たとえ意に染まぬ命令であっても納得するしかない。伯爵家の跡継ぎながら領地も爵位も失い、馬上槍試合の報奨金を糧に暮らしてきたブライスにとって、これは出世の機会でもあるのだ。彼が連れ去る花嫁はレディ・リアノン・ディレイニア。つい昨日の夜、ブライスのキスに応えた情熱的な貴婦人だ。彼女がキンヴェリンの花嫁だとは……。そしてレディ・リアノンの父親の前から彼女を奪ったとき、ブライスの不快感は強まった。いくら芝居だとしても、これほど彼女が抵抗するのは奇妙ではないだろうか?

 ■『剣と竪琴』でディレイニア男爵とレディ・ロアンナが結ばれてから早二十年。いよいよ子供たちが運命の相手に巡り合うことに……。

抄録

 ブライス・フレシェットはうしろに下がった。「驚きました。あなたは噂や陰口を信じない賢明さを持ち合わせていると思っていたのに」
「それでは、わたしが聞いた噂は間違いなの? あなたはお父様と喧嘩して、甘やかされた子供のように腹立ちまぎれに城を飛びだしたのではないの? お父様が死の床についていたときに、どこか遠くにいたのではないの? わたしが聞いたことはすべて嘘で、無一文で残されて自分の城の召使いになるしかなかった妹さんを助けるために、すぐに城に戻ったというのね?」
「あなたが聞いた噂はそれだけですか? ぼくがろくでなしだということは聞きましたか? 妹がぼくを捨てたことは? 妹の夫で有力者のドゲール男爵がぼくを嫌っていることは? ぼくが嘘をつき、人をだまし、盗みをすることは?」ブライス・フレシェットはさらに近づいた。「ぼくが悪魔に魂を売りわたしたことは聞きましたか?」
 リアノンははっと息をのんで目をみはった。しばらくすると、彼がさげすむようにくすくす笑った。
「噂をすべて信じてしまうほどの分別しか持ち合わせていないのですか?」
「まあ、ひどい!」リアノンは彼の非難に衝撃を受けて、声を張りあげた。「あなたが爵位をなくした不名誉な──」
「いや、あなたこそ、よくもそんなことが言えたものだ」ブライス・フレシェットは冷ややかな口調になった。「ぼくのことなど知らないくせに、過去の行動でぼくを非難するのだから。あなたはぼくと父が喧嘩した理由も知らなければ、ぼくが城を出た理由も知らない。ぼくが城に帰らなかったことも、その後の出来事を知らされたときにどう感じたかも、あなたは知らない」彼は声を落とした。「妹のガブリエラがぼくをもっとも必要としたときにそばにいてやれなかったことを知って、ぼくがどれだけ苦しんだか、あなたにはわからないでしょう」
 ブライス・フレシェットの声に後悔の響きがあったので、リアノンは罪悪感に顔を赤らめた。こんなに早く彼の人柄を判断するのは間違いだった。リアノンは悔やんだが、なにも言わないうちに、彼が急に目の前に立った。
「ぼくを批判したりして、あなたはいったい何様のつもりですか? メレヴォア卿の大広間で男たちと踊ったり、笑ったりしていたところを見れば、だれだって誤解する。いったいどういうわけなんですか、美しい偽善者さん? どうして男に媚びるようなふるまいをしながら、ぼくを非難するのです?」
 ブライス・フレシェットがリアノンをまじまじと見た。見つめるだけで彼女をその場に釘づけにするかのように。リアノンはなにも言えなかった。彼の攻撃に答えることも、自分の行動に言いわけすることもできなかった。
 ブライス・フレシェットがリアノンにさらに近づいた。体がくっつきそうなほど近くまで。彼がふたたび口を開いたときには、かすれた低い声で怒ったような口調になっていた。「そんな暗がりに魅力的な姿で立って、いったいどういうわけなんですか?ここでぼくが指一本でも触れたら、あなたは大声で衛兵を呼んで、ぼくを恥知らずな悪党と公然と非難するんでしょう」
 リアノンはつばをのみ込んだ。彼の顔から目が離せなかった。「そんなことはしないわ」
 ブライス・フレシェットの表情が変わったようだ。「そんなことはしない?」彼は小声で言い、体をさらに近づけた。「衛兵を呼んで、ぼくが欲望に駆られて行動したと告げ口しないというのか?」
 彼はリアノンの腕に手をはわせた。その瞬間に、ぞくぞくするような震えがリアノンの体を駆け抜けた。
「それはよかった。あなたはぼくがこれまで会ったなかで、もっとも欲望をそそる女性だ」
 ブライス・フレシェットはリアノンの肩に両手をかけて彼女を引き寄せ、温かい腕で抱擁した。
 リアノンは彼の腕から逃れたほうがいいとわかっていたが、彼の唇が押しつけられると、この口づけが悪いこととも、不品行とも、恥ずかしいとも思えなくなった。こうするのが当然のことのように感じられた。
 前にもキスの経験はあるが、相手は恥ずかしがり屋の少年たちで、彼女の頬や口にちょこんと唇を押しつけるだけの軽いキスばかりだったから、こんなふうに欲望をあらわにした情熱的な口づけは初めてだった。リアノンの体の奥に激しい欲望が呼び覚まされた。
 ブライス・フレシェットの舌がリアノンの口に入ろうと唇をつついた。こんなことも初めてだった。
 それも悪いこととは思えなかった。リアノンは当然のことのように唇を開いた。
 彼がリアノンの体にまわした腕に力を込めた。リアノンはわれを忘れ、彼のなめらかな革のチュニックをゆっくり撫でた。彼の唇はさっきからリアノンを誘惑するように魔法をかけている。リアノンは指先で彼の緊張していた筋肉がほぐれていくのを感じた。
 ブライス・フレシェットはリアノンを軽く押して、彼女の背中を壁に押しつけ、脚のあいだに膝を押し込んだ。すると、リアノンの体はこれまで経験したことのない本能的な期待で震えだした。


 *この続きは製品版でお楽しみください。

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