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砂漠に囚われた花嫁 アズマハルの玉座 II

砂漠に囚われた花嫁 アズマハルの玉座 II


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイアアズマハルの玉座ジュダールの王冠
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 オリヴィア・ゲイツ(Olivia Gates)
 カイロ在住のエジプト人。作家だけにとどまらず、眼科医、歌手、画家、アクセサリーデザイナーという実にさまざまなキャリアをもち、妻と母親業もこなしている。キャラクター設定やプロットのアドバイスをしてくれる娘と、ストーリーが気に入らなければキーボードの上を歩きまわる辛口批評家のアンゴラ猫の助けを借りながら、情熱的なロマンスを書き続けている。

解説

 ルジェインは、アズマハルの王子ヤラルと激しい恋におちたが、平民である彼女との関係は秘密にされ続けた。私の愛が成就する日はこないの……? 折りしも、ヤラルが夜ごと違う女性とベッドを共にしていると知り、絶望のあまりルジェインは、死間近の大富豪の求婚を受け、王国を去った。夫の死後、アズマハルに帰郷したルジェインが目にしたのは、彼女に捨てられた憎しみに燃えるヤラルの姿だった。彼は償いをするようルジェインに迫り、あまりにも無謀な要求を突きつけた。「かつて君と分かち合った親密な関係を、残らず再現する」

 ■情熱の炎にのみこまれた二人の運命の歯車は狂いだし、予想もしなかった方向へ向かいます!

抄録

「彼があなたの鼻先でドアを閉めたのは、病気のせいだと思っているのなら、それは間違いだわ。死の直前までパトリックの頭はしっかりしていた。彼は正しいと思ったことを実行に移しただけ――有害な人間関係を終わりにしただけよ」
「彼がぼくに腹を立てていたとしても、そんなことは些細なことだったはずだ。彼は死にかけていたんだぞ。ぼくには知る権利があったはずだ」
「あなたがそんなふうに感じていると知っていたら、話すように彼に勧めたと思うわ。でも、わたしもパトリックも、あなたが気にするとは思っていなかった。昔の知り合いを思い出して、少し悲しくなるくらいだろう、って」
「きみたち二人は、ぼくをそんなふうに見ていたのか? 情緒に欠陥がある人間だ、と? それほどの悲劇に直面しても“少し悲しくなる”だけの男だ、と? ぼくはパトリックの単なる“昔の知り合い”じゃなかった」
「そのあたりのことは、わたしはよく知らなかったわ。だから、想像で空白を埋めるしかなかった。それで、あなたとパトリックはあまり親密ではなかった、と思ったのよ」
「彼との親密さをいつアピールできたというんだ? きみとの関係が続いていたあいだ、ぼくは彼と二度と顔を合わせることがなかった。きみとの関係を隠さなければならなかったからだ。それでも、ぼくはパトリックの重要性をきみに教えねばならなかった、というのか?」
「あなたは覚えていないの? 完璧な記憶力はどうしたの? あなたは、わたしに何も教えてくれなかったのよ。あなたとの関係を終わらせるとき、パトリックはわたしに力を貸してくれたわ。そのとき、彼は過去の経験から判断したんだと思うわ――もうあなたには近づかないほうがいい、と」
「まったくありがたい話だ。きみたち二人に、そこまで高く評価してもらえるとは……」
 ヤラルの声がそこで途切れた。どこかで聞いたような台詞。ハイダールが彼とロクサーヌにぶつけた言葉だ。ヤラルとロクサーヌが確かな証拠もなく非難したとき、ハイダールは同じような台詞を口にしたのだ。
 だが、ハイダールはみずからの意思で、ヤラルとロクサーヌの誤解を解いた。いっぽうヤラルは、そのような決断を下すことができなかった。
 だとしても……。「パトリックの死をあとあとまで隠しつづけた理由を、きみは説明していないぞ」
「隠さざるを得なかったわ。パトリックの家族が、彼の遺言状の無効をもとめる訴えを起こしていたから。パトリックは薬の過剰服用で死んだから、あのひとたちもあなたと同じことを考えたのよ――遺言状を作成したとき、パトリックの精神状態には問題があったはずだ、と。警察の捜査結果も医療機関の報告書も部外秘だったから、彼らはパトリックが不治の病に冒されていたことを知らなかったわ。その事実が明るみに出れば、裁判では向こうが有利になる。だから、裁判に勝つまで、わたしたちは秘密にせざるを得なかったの」
 ルジェインの説明は筋が通っていた。
 唯一筋が通らないのは、彼女がなぜあんなふうにヤラルのもとを去ったかだ。好意を持つ男性のもとに行きたかったのだとしても、二人の関係をあれほど……芝居がかったやり方で終わらせる必要はなかったはずだ。
 ルジェインは、二人の関係は“不名誉”なものであり“釣り合いが取れていなかった”と主張していた。かりにそれが事実だったとしても、いまでは何もかも変わっていた。ヤラルの立場も、彼女の立場も。二人のあいだの溝も、ほぼ埋められている。
 彼は足を前に踏み出した。一歩進むごとに、ルジェインの美しさがより鮮やかになる。二年前の彼女が円熟していたとしたら、いまの彼女は爛熟していた。彼はいますぐにでも、ルジェインの肌に歯を食い込ませたかった……。
「きみたちはぼくに話すべきだったんだ。きみたちはぼくから、なすべきことをするチャンスを奪ったんだ。いまのぼくにできるのは、パトリックの遺産が守られ、彼の理想が実践されているかどうかを確かめることだけだ。この件については、ぼくに手伝わせてくれないか? ぼくたちの……問題とは切り離して」
 ルジェインが顔を上げ、あのたまらなく魅惑的な瞳でヤラルを見つめる。眩暈と欲望が襲ってきた。やがて彼女はうなずいた。
 彼もうなずき返し、息を吐き出すと、ルジェインのかたわらに腰を下ろした。
「ぼくたちには、ほかにも認め合わなければならない問題がある。きみはぼくの欲望のスイッチを握っている」おまえは狼だ、とハイダールはいつも言っていた。くそっ、どうやらそのとおりらしい。ぼくの体は、彼女はつがいの片割れだと主張している。代わりがつとまる者などいない、と。「そしてぼくも、きみのスイッチを持っている。情熱と快楽に関しては、ぼくたちは離れられない運命にあるんだ」
 観念したように、彼女がため息をつく。彼はルジェインが賛同の念を行動に移すことを要求した。彼女が要求に応えた。瞳に荒れ狂う想念と欲望を浮かべたまま、彼の腕のなかに倒れ込む。ヤラルは彼女を引き寄せ、完全に抱き留めないうちにキスをした。それは肉欲を剥き出しにした、荒々しいくちづけだった。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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