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花婿に拒まれて

花婿に拒まれて


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★☆☆☆2
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著者プロフィール

 ケイト・ヒューイット(Kate Hewitt)
 アメリカ、ペンシルバニア州で育つ。大学で演劇を学び、劇場での仕事に就こうと移ったニューヨークで兄の幼なじみと出会い結婚した。その後、イギリスに渡り六年間を過ごす。雑誌に短編を書いたのがきっかけで執筆を始め、長編や連載小説も手がけている。読書、旅行、編みものが趣味。現在はコネチカット州に夫と三人の子供と住む。

解説

 デパートに勤務するノエルは、靴の宣伝のため出席したパーティで、ある男性を見かけてその場に凍りついた。アマル。10年前に結婚したものの、初夜に拒まれたまま別れた元夫。私は女性としての自信を喪失し、立ち直るのに何年もかかったのだ。再び彼と顔を合わせ、あの惨めな日々を思い出したくはないのに。ところがアマルはノエルにまっすぐに近づいてきて、情熱の浮かぶ目で、どうしても話し合いたいことがあると言う。今さらどういうつもり? ノエルは彼を振り切り会場を後にするが、翌朝、出勤途中にさらわれ、気づくとアマルの自家用機にいた。唖然とする彼女を乗せた飛行機が着いたのは、砂漠の国だった。

抄録

「さあ、座ってくれ」アマルが椅子を引いた。
 ノエルは勧められるがまま椅子に座った。アマルが膝にナプキンを広げてくれたとき、彼の指がかすかに腿に触れた。ただそれだけのことなのに、ノエルは再び下腹部に欲望の炎が燃え上がるのを感じた。アマルがどう感じているかはかまわず、いまだに彼に本能的に反応していた。彼に欲望やあこがれを抱いているのだ。絶望的ね。十年もたってから、力ずくでここに連れてこられたというのに、なぜ、そんなふうに感じられるの?
「僕が取りわけようか?」
 アマルがひどく堅苦しい口調で尋ねた瞬間、ノエルはロンドンでデートをしたときのことを思い出した。土砂降りの雨に遭遇し、ノエルはアマルをメイフェアのアパートメントに招いた。ひそかにアマルが泊まっていくことを期待したのだ。そして、アマルを待たせ、シャワーを浴びた。
 そしてガウン姿のノエルが髪を濡らしたままバスルームから出てきたとき、アマルが今と同じような真面目くさった口調できいた。“僕が髪をとかそうか?”ノエルがうなずくと、アマルはとても慎重に、なんとも優しい手つきで彼女の髪をとかした。ブラシを動かすそのゆったりした手つきは官能的だった。
 ノエルはそのあいだ、震えたり、彼にもたれかかったりしないよう、気を引き締めていなければならなかった。それまで二人は、二度キスをしただけだった。キスは甘くやるせなく、ノエルの渇望感をあおった。そして、一瞬、ノエルはついに待ちかねたときが来たと思った。髪をとかし終えたアマルがブラシを脇に置き、あたかも彼女の体を確かめようとするかのように、両手を彼女の肩からゆっくり腕のほうへ滑らせていったのだ。ノエルは相変わらず身動きできずにいた。彼の愛撫にうっとりしていたのだ。だが、アマルが優しくうなじにキスをしたときには、あえぎ声をもらさずにはいられなかった。心ときめくその瞬間、アマルは長々とノエルの肌に唇を押し当てた。それから彼は身震いして立ち上がった。そしてノエルが何か言う間もなく、抑えた口調で“おやすみ”と言い、帰ってしまった。
 今、ノエルは目を上げてアマルを見た。彼は、ノエルが我を忘れてつらい回想にふけっているあいだ、辛抱強く返答を待っていた。「ええ、お願い」
 アマルは、クスクスとラムのシチューを大きなスプーンでノエルの皿に盛った。ノエルは広々とした落ち着いた雰囲気の部屋を見まわした。マホガニーの家具が数点置かれた部屋には、控えめな優雅さがあふれている。フレンチ窓の向こうには夜の闇が広がっていた。窓の向こうには何があるのだろう、とノエルは思った。寝室でシャワーを浴びたあと、ノエルはよろい戸を開けたが、うねるように延々と続く砂漠を月明かりだけが照らしていた。
 しばらくノエルは黙々と食べた。「それで」やがて、彼女は肉をフォークで刺しながら切り出した。「なぜ、私をパリに帰してくれないの?」
 アマルは一瞬言葉につまった。キャンドルライトに照らされた顔は、真剣そのものに見える。ノエルは、頬に刻まれた傷跡に目をやった。アメリは正しい。傷跡のせいで彼はセクシーに見える。だが、いつだってアマルは、ノエルにとってセクシーで華やかで途方もなく魅力的な存在だった。
「僕は君にしばらく滞在してほしいんだ」
 ありがたいことにアマルが口を開き、ノエルの苦しい回想は断ち切られた。彼女ははっと目を上げて彼の顔を見た。そこには冷酷無慈悲な表情が浮かんでいる。「なんのために? 休暇を過ごせと?」
 皮肉たっぷりな鋭い切り返しに、アマルはうなずいただけだった。「そんなものだな」
「アマル、あなたは私を誘拐し――」
 彼はテーブルに置いた片手を握り締めた。「そのことを僕に忘れさせないつもりだな」
「私が忘れられるとでも思うの? あなたには何も言うことはないと言ったし、その気持ちは今も変わらないわ。私は家に戻りたいの」悔しいことに声は震え、今にも涙がこぼれ落ちそうになる。
「ノエル……」その声には苦悩がにじんでいた。慰めようとするかのようにアマルは片手を伸ばしたが、彼女が顔をそむけるのを見て手を下ろした。
「お願い、アマル」
「できない」
「できるわ」ノエルは今や腹を立てていた。「あなたがここに連れてきたのだから、解放もできるはず。ただ、あなたはそうしたくないだけ。そして、私にはその理由がわからないの」
 ノエルににらまれ、アマルは真剣に見つめ返した。
「ここに君を連れてきたのは、君と一緒にいたいからだ」アマルは言葉を選びながら言った。
 ノエルは彼をまじまじと見た。アマルが私と一緒にいたいですって?「いったい何を――」
「僕は君と夫婦になりたいんだ」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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