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ダイヤモンドは誘惑の石

ダイヤモンドは誘惑の石


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★☆☆☆1
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著者プロフィール

 ジャクリーン・バード(Jacqueline Baird)
 趣味は油絵を描くことだったが、家族からにおいに苦情を言われ、文章を書くことにした。そしてすぐにロマンス小説の執筆に夢中になった。旅行が好きで、アルバイトをしながらヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアを回った。英国に戻ったときに結婚。二人の息子に恵まれ、現在も生まれ故郷のイングランド北東部に夫とともに暮らしている。「二人のバレンタイン」と「恋は強引に」がお気に入りの作品だという。ロマンティックタイムズ誌の賞の受賞歴があり、ベストセラーリストにもたびたび登場する。

解説

 ライザは常夏のランサローテ島で休暇を楽しんでいた。そのとき突然誰かに名前を呼ばれ、振り向いた彼女は凍りつく。ニック・メネンデス! 彼がどうしてここに? 母親同士が親友なため、ニックのことは昔から知っている。ライザにとってニックは兄であり、英雄でもあったが、ある事件を境に二人の関係は最悪の形で砕け散ったのだ。ニックは六年前よりもさらに魅力を増していて、過去のことなど忘れたかのように、好意的な笑みを向けてくる。いつの間にか彼をうっとり見つめていたライザは、ニックの瞳に浮かんだ勝利の色に気づかなかった。

抄録

「きっと楽しいよ。ね、座って。ブランデーは?」
「気つけ薬が必要だわ」ソファに腰かけたライザの腰に彼は腕を回し、ぴったりと体を寄せた。
「母が頑固なのは知っているだろう? 君がこの数年来ないのは、何か君の気に障ることをしたのだと母は思っているんだ。せっかくの機会だから、母に会ってやってほしい」
 この人となら、私はどこにでも行くだろう、と瞬間的にライザは考えた。ほんの少し触れられただけでこんな気持ちになる男性を、彼以外には知らない。「仕方がないわ。行くと約束してしまったし」だが本音を言えば、このままもう少しニックと一緒に過ごして彼との関係がどう発展するかを見届けたい。
「母のことはいいさ。僕が君に来てほしいんだ」ニックは低くつぶやき、じっとライザの目を見つめた。
 魂の奥までのぞかれるような気がした。単に性的にひきつけられているだけだと思っていたが、急にそれ以上の何かがあるかもしれないと思えてくる。彼の瞳の底に金色のきらめきが宿るのを見て、ライザはほかのすべてを忘れてしまった。
「ニック」自分が彼の名を口にしたことさえ意識にはなかった。これほどひかれる男性には二度と会わないだろう、ということが、なぜだか突然はっきりとわかった。彼が欲しい。ライザは本能的にぴたりと彼に体をくっつけた。
「なんだい、ライザ」両腕で抱き寄せられるとニックの体温が染み込むように伝わってくる。改めて唇が重ねられ、今度は舌が侵入してきた。
 いけない、彼はつかの間の情事を楽しみたいだけよ、と思いながらも、湿りけを帯びた優しい唇はライザに我を忘れさせた。彼の手が胸のふくらみを覆うと同時に、血が熱くたぎって体を駆け巡る。うっとりとなって何も考えられなくなった時、ニックは顔を上げ、少し体を離して言った。
「僕らのことを考えるんだ、ライザ」
「私たち?」
「そう、僕は今夜発たないといけない。そして、どうしようもなく君を求めている」ニックは片手で彼女の手をつかみ、自身の高まりへと導いた。「ほら、こんなに」しゃがれた声でささやく。
 ライザは喉から心臓が飛び出しそうになった。彼の目に罪深い黒い淵がのぞける。ライザはあわてて手を引っ込めた。
 再び彼は唇を寄せ、激しいキスをした。キスが終わるころには、ライザは彼の首にしがみついて息も絶え絶えに目をつぶっていた。あらゆる形で彼を知りたいという思いが痛いほど彼女をさいなんでいた。
 彼に抱かれるチャンスは今を逃したら二度と訪れないかもしれない。何年も夢の中で思いつづけていた彼に実際に抱かれる奇跡が、今なら起こるかもしれない。ホリデー・ロマンスに身を任せて、それを一生のいい思い出にする女性はいくらでもいるわ。そうしたからって人生の破滅につながるわけでもない。そうよ。なぜいけないの?
 ライザは改めて彼にすがりつき、自分からキスをせがんだ。こんなことをする自分が信じられない。
「きっと楽しい時間が過ごせるよ」ニックはハスキーな声で言った。「僕を信じて」だがその言葉を口にした瞬間、彼は柄にもなく後悔の念に襲われた。これまでは魅力を駆使して望む結果を出してきた彼だが、こんなにライザを求める気持ちになるのは、自分でも意外だった。“ミイラ取りがミイラになる”ということわざがちらりと脳裏に浮かぶ。
 青い目を上げたライザはニックの目の奥に生々しい欲望がくすぶっていることを見て取って、瞬間パニックに襲われた。ニックの意思ははっきりしている。私は彼を受け入れられるだろうか。一度しかない経験は散々なもので、ライザは自分が不感症ではないかという不安を抱いていた。
 ライザの目に不安を読み取り、ニックはさっと立ち上がった。「君のホテルに電話をして荷物を届けさせよう」ライザをぎゅっと抱き締めると、ニックはもう一度素早いキスをした。「一時間後に発つよ」
 僕は何を言っているんだ。本当はこの場でライザを押し倒したいのに。いや、僕だけでなく、二人とも一日中そのことを考えていたはずだ。だがとにかく彼女をこの島から連れ出さなくては――そう言い聞かせて、ニックはライザの体から手を離した。
 我に返ったライザは、自分が何をしていたかに気づき、危険な光を目に宿したニックを呆然と見ていた。急に恐怖が襲ってきた。それがなぜかはよくわからなかったが、世慣れた女性に見せたくて、彼女はさりげなく言った。「そうね。せっかくのお誘いだもの。あなたもお母様も失望させたら悪いわ」
「僕が君に失望することはありえないよ」ニックは上気したライザの頬をそっと指でなぞった。「だがここでやめておかないと僕は自分の行動に責任が持てなくなってしまう」くぐもった声で言って、彼はライザの腫れた唇に指先をはわせた。ライザの唇が開くのと、ニックが唐突に後ろに下がるのは同時だった。「だめだ」彼の胸が激しく上下している。「このままじゃずっとここを出られなくなる。今僕らに必要なのは気つけのブランデーだ」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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