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盗まれたエピローグ 運命のモントフォード家 II

盗まれたエピローグ 運命のモントフォード家 II


発行: ハーレクイン
レーベル: MIRA文庫mirabooks シリーズ: 運命のモントフォード家
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 キャンディス・キャンプ(Candace Camp)
 新聞社に勤める両親のもとに生まれ、10歳で始めたというお話作りはキャンディスにとってリラックスの手段だった。シャイで話し下手だった彼女は文章にすると自分の考えや思いを素直に表すことができた。

解説

 孤児のメアリーは泥棒一家に命を救われて以来、貴族を装って金持ちの邸宅に出入りし、強盗の手引きをしている。ある日メアリーは未亡人マリアンヌと称して舞踏会に出席した。だが人目を盗んで屋敷の金庫を探しあてたとき、声をかけられた。「友人宅の金庫破りを見過ごすわけにはいかない」すべてを見透かすようなまなざしで見つめるのは、ロンドン一の花婿候補、ランベス侯爵だった! 人気トリロジー第2弾、不遇な人生を強いられた長女の初恋の行方は。

抄録

 ランベス卿は声をあげて笑った。「いい度胸だ。見あげたもんですよ。しかし、ぼくは現場を見ている。あなたもご承知のとおり。実際のところ、つまらないパーティだったのがあなたのおかげで俄然、面白くなってきた」
「それ、ほめてくださっているおつもり?」ランベス卿がそばによってきたので、マリアンヌは後ろへさがった。近づかれるのは困る。ランベス卿は大嫌いだし、敵でもある。それなのに、ほほえみかけられると、みぞおちのあたりが妙にうずきだすのだった。間近からは、透きとおった金色のシェリー酒のような色合いの瞳がよく見える。濃いまつげにふちどられたそのまなざしから、マリアンヌは視線をそらすことができなかった。
 マリアンヌの気持を見抜きでもしたように、ランベス卿の目はおかしそうに笑っている。「そう、そのとおり。お嬢さん方にはおおむね退屈させられるものだから」
「わたくしはお嬢さんではありません。未亡人です」
「本当に?」
「ええ、もちろん本当です。なんてことおっしゃるんですか!」体温すら伝わってくるような近づき方に、マリアンヌはさらに一歩さがった。けれども酒の棚にはばまれて、それ以上は後ずさりできない。やむなく体の両わきで棚に手をおき、まっすぐランベス卿を見あげた。「あなたって、ずいぶん無礼な方ね!」
「よくそう言われますよ。だけど、ぼくは間抜けじゃない。たぶらかそうとしても無駄です。最初からあなたを見てたんですから」
「わかっています。あのときすでに、あなたがいかに無礼か気がつきました」
「初めは、あなたがとびきりの美人だから見ていたんです」ランベス卿は微笑して手を伸ばし、人差し指でマリアンヌの頬をなでた。
 経験したこともない快い戦慄が身をつらぬいた。マリアンヌはそんな自分の反応が腹立たしく、ぐいと顔をそむけた。
「あなたがミス・カースルレイとバックミンスター卿のそばにいるのが見えたので、さっそく紹介してもらおうと思いました。だけど二人がいるところに行くと、あなたはもう去ったあとだった。廊下に出ていくあなたを見つけ、あとをつけたんです。そのあとのあなたの行動が実に奇妙なのに気づいたんですよ」
「わたくしをこっそり見張ってらしたんですか? それこそ奇妙ですこと、ミロード」
「さっきもぼくに“ミロード”と呼びかけてましたね。あなたは、ぼくが貴族であることをご存じのようだ。だが、ぼくはあなたの名前すら知らない」
「そんなこと、あなたに関係ないでしょう」
「自分で名のったほうがいいんじゃないですか。いずれにしても、バッキーから聞くことはできるんです」
「マリアンヌ・コターウッド。ミセス・コターウッドです」マリアンヌはミセスというところをわざと強調した。
「ああ、そうだった。未亡人でしたね」
「そういう見くだした言い方はやめていただきたいと思います。未亡人でもないのに、未亡人ですと言うわけはないでしょう?」
「さあ、それはわからない。しかしまあ、たぶんそうなんでしょう。あるいは、それもまたぺてんの一部なのかもしれないし」
「ぺてんなんかじゃありません。こんなことを話していても意味ないわ。わたくしはもう行きます」
 マリアンヌがわきをすり抜けようとすると、ランベス卿は酒の棚をつかんで行く手をさえぎった。「いや、この家の部屋という部屋をのぞいたり、あちらこちらこそこそ探ったりしたのはなぜなのか説明するまでは行かせませんよ。それだけじゃない。この部屋に入ってからも室内を調べて回り、絵の後ろの壁に金庫があるのを突きとめたのはなぜか。理由を聞かせてもらいましょう」
 恐怖感のせいもあって、マリアンヌののどはからからになった。今にもくっつきそうなところにランベス卿がいて、突き刺すような目で見すえている。呼吸が苦しくなり、体が熱くなったり冷たくなったりするのを感じた。
「あなたは盗人でしょう」ランベス卿は耳もとで言った。「それ以外には説明のしようがない」
「いいえ」かぼそい声でマリアンヌは否定した。唇もかさかさに乾いている。無意識に舌でなめていた。
 ランベス卿の瞳の色が濃くなる。手が伸びて、親指がマリアンヌの下唇をなぞった。「あなたほどの美女に出会ったのは初めてです。しかしだからといって、友達の家が盗難に遭うのを許すわけにはいかない」口もとを微笑がよぎった。「とはいうものの、バターズリー卿は友達ともいえないが。知人というところかな」
 ランベス卿が顔を近づけるにつれ、ぬくもりや香りがマリアンヌを圧倒した。めまいのような感覚に襲われて、マリアンヌは目をつぶる。唇が重なった。びくっとはしたものの、よけようとはしなかった。こんなにも甘やかな心地よさは味わったことがない。マリアンヌは快感に身を任せた。ランベス卿の熱い息づかいが頬をかすめる。抱きよせられ、口づけが深まった。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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