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誘惑は蜜の味

誘惑は蜜の味


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン文庫ハーレクイン文庫コンテンポラリー
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ダイアナ・ハミルトン(Diana Hamilton)
 イギリスの作家。ロマンチストで、一目で恋に落ち結ばれた夫との間に三人の子供をもうけた。就寝前の子供たちにベッドで読み聞かせるために物語を書きはじめる。ロマンス小説家としてのデビューは1987年、その後数多くの名作を世に送る。2009年5月、ファンや作家仲間に惜しまれつつ亡くなった。

解説

 広告代理店に勤めるチェルシーは困り果てていた。上司のマイルズが昇進の代償として関係を迫ってきたのだ。なんとか穏便にすませたいチェルシーは、あるパーティで同じアパートメントの住人クインを見かけたとき、とんでもない妙案を思いつく。陽気で気ままなプレイボーイだという噂の彼に頼みこんで、しばらく婚約者のふりをしてもらえばいいわ! かくしてチェルシーの願いを聞き入れたクインだったが、大々的に婚約発表をするや、驚くべき正体を明らかにして……。

抄録

 エレインは立ち上がり、飲み物のお代わりを持ってきた。そして半ばおもしろがっているように言った。「それでクインは騒ぎを避けて、あなたをここへ連れてきたってわけ? 彼は女の人をここに連れてきたことは一度もないのよ。ここは聖域だからと言ってね。家族以外でこの家のことを知ってるのは、個人秘書の中でも一番古い人だけよ。それも電話番号を知っているだけなの。よほど緊急のことが起こった場合には連絡が取れるようにしてあるの」
「それはマスコミ対策でしょう。彼は私をマスコミから引き離しておきたかったんです。私がプレッシャーに負けて、婚約の話はでたらめだとつい白状してしまうんじゃないかと思ったんでしょう。そうなったら、かわいそうなサンディをどうやって追い払えばいいんです?」そう言いながらチェルシーは眉根を寄せた。でも彼はすでにマスコミの関心をうまくそらしたと言っていた。少なくとも、会社の広報担当者を通して。
 エレインはそっけなく言った。「サンディに同情する必要はないわ。それに、あなたが秘密をもらすはずがないのは、息子もよくわかってるでしょう。そのいやな男、ロバーツという名前だったかしら、その人がだまされた腹いせをしてくる可能性があるかぎりはね。ああ、来たのね、ダーリン。あなたも冷たいものをどう?」
 クインは階段を上ったり下りたりして荷物を運んでいたが、チェルシーはわざと彼を無視していた。エレインと話をするのは楽しい。彼女のことがだんだん好きになってくる。だがクインが母親の椅子の肘に座ってにっこりとほほ笑みかけてきたときは、思わず警戒心を解いて笑い返してしまい、あとで後悔した。「僕はいいよ、母さん。チェルシーを部屋に案内しようと思うんだ。彼女も昼食の前にひと息つきたいだろうからね」クインは無造作に立ち上がり、手を差し出したが、チェルシーはそれを無視した。当然だわ。その手を取るほど私はばかじゃない。とんでもない話だ。
「それじゃ、またあとで。急がなくていいわよ。お昼は冷たい料理だから、時間は気にしなくていいの」エレインはそばの雑誌を取り上げた。
 チェルシーはクインのあとをついていくほかなかった。階段を上がるとギャラリーがあり、部屋がいくつも並んでいた。床に敷かれた絨毯は分厚くて豪華だ。おそらく値段がつけられないほど高価なのだろう。
「君には一番奥の部屋を使ってもらう。僕の隣だ」少し開いたドアから見える部屋は、とても美しかった。チェルシーは戸口で首をかしげ、クインを見上げた。
 どうして彼は私を無理やりここに連れてきたのだろう? 私たちはほとんど他人のようなものだ。モンクス・ノートンは聖域で、女友達はもちろん、仕事仲間さえその存在を知らないという。マスコミの問題は片がついた。だったら……。
 チェルシーの目をとらえたクインの目は熱っぽく、いつもより暗くかげっている。その目がゆっくりと唇に下りてきて、同時に彼の口もとがゆるんだ。そのとき、チェルシーは知った。
 自分をごまかすのはもうやめよう。彼がなぜ私をここに連れてきたのか、私にはわかっている。彼は私に性的な関心を持っているのだ。この婚約騒ぎが始まる前から、そのことは感じていた。でも認めようとしなかった。彼の関心ありげなそぶりは単なる習慣なのだと考え、言葉と体のメッセージを無視した。認めたくなかったからだ。認めれば、それと向き合わなければならないから。
 今向き合わざるをえなくなり、チェルシーはとても神経質になっていた。彼女が小さく息をのんだのを合図にしたように、クインは彼女を部屋に引き入れてドアを閉めた。わけがわからないうちに、突然クインの体がすぐそばにあった。胸から腿までふれ合っている。彼の体温に体が焼けるようで、チェルシーは息ができなくなった。頭がくらくらして、何がなんだかわからない。
 そのときクインの唇がチェルシーの唇にふれ、たちまち彼女を嵐の渦に巻き込んだ。彼の唇はなんの要求もせず、やさしく説得するように動いた。羽のように軽いキスは、彼女に火をつけ、呼吸を浅く速くした。頭の中がぼやけて真っ白になり、妙に重かった。まるで命令でもされたように、チェルシーの唇も自然に開いていった
 一瞬クインは動きを止め、それからハスキーなうめき声をあげると、官能的な猛攻撃を始めた。クインは唇をむさぼりながら、チェルシーを激しく鼓動を打つ自分の胸に強く抱き寄せた。彼女も我知らずクインの首に腕を巻きつけていた。頭がおかしくなりそうなセンセーション以外、何も感じられなかった。
 こんな感じになったのは初めてだ。ロジャーと恋をしていると信じていたときでさえ、こんな……こんな激しい感覚は知らなかったし、激情におぼれたこともなかった。いったい私に何が起こっているのだろう? 彼が蜜のように甘い舌をからませてくる。それなのに、私は全然かまわないと思っている……。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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