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二つ目の間違い

二つ目の間違い


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★☆☆☆1
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著者プロフィール

 ダイアナ・ハミルトン(Diana Hamilton)
 イギリスの作家。ロマンチストで、一目で恋に落ち結ばれた夫との間に三人の子供をもうけた。就寝前の子供たちにベッドで読み聞かせるために物語を書きはじめる。ロマンス小説家としてのデビューは1987年、その後数多くの名作を世に送る。2009年5月、ファンや作家仲間に惜しまれつつ亡くなった。

解説

 ■最初の間違いは、十九のときの愚かな結婚。そして今また、手痛い間違いを……。

 ■わたしは妊娠している。では、人工授精は成功していたんだわ。ジェドと結婚して一週間目の朝のこと、エリナは予期していなかった事実に直面し、呆然となった。子供を熱望していた彼女は、三カ月ほど前、友人だったサムの提案で、人工授精によってサムの子供をつくることにした。だが、エリナが医学的処置を受けてから間もなくサムは世を去った。彼女は人工授精も失敗したと思いこんだ。葬儀に参列し、サムの兄ジェドをひと目見て恋に落ちたとき、エリナはサムの死を悼みながらも、突然の愛に有頂天になった。でも今、この驚くべき現実に、ジェドの愛は耐えられるだろうか? エリナはついにサムの子供を身ごもっていることを打ち明けるが、ジェドの怒りは予想をはるかに超えて激しかった。

抄録

 喉に詰まったしこりをのみこむと目が痛くなって涙があふれたが、エリナは目の前の暗闇を少しでも明るくしたいと願って言った。「わかるでしょう。相手はいくらでもいるあなたが、離婚歴のある三十歳の女性と恋に落ちるなんて、まだ信じられないのよ」懸命にほほ笑んでみせようとしたがうまくいかなかった。彼女は目を閉じた。ジェドのキスがまつげにたまった涙を吸い取ってくれたとき、エリナの心臓は張り裂けんばかりだった。
「ほかのどんな相手も欲しくない」ジェドが優しくささやいた。「初めて会った瞬間にきみが欲しいと思った。あの場の状況は最悪だったが、サムに聞いていたせいで前からきみを知っていたような気がしたし、ひと目見たとき一生きみとともに暮らしたいと願ったよ」
 エリナがこのスペインの自宅を出て、サムの葬儀のためにイギリスまで行ったのは、六週間前だった。ハートフォードシャーの小さな墓地に吹きつける四月初めの冷たい風が、ただでさえ無力感にとらわれる悲しい場面をさらに悲痛なものにした。それなのにサムの兄をひと目見たとき、エリナはこの人のためなら、もう二度と男性に頼るまいと自ら立てた誓いを破ってもいいと思った。
 たったひと目彼を見ただけで、エリナの人生は変わった。エリナは変わったのだ。
 ジェドはエリナの頭を胸に引き寄せ、まるで世界一貴重な宝物のように抱きしめた。「パーティで群がってくる、決まりきったことしか言わない退屈で派手派手しい女性たちにはうんざりしていた。薄っぺらで中身がなくて、男性の価値を決めるのは銀行口座の額の多さだと思っている。ぼくが欲しいのはきみだ。才能があって、すばらしい仕事をしていて、自立している。胸が痛くなるほどきれいだし、やけどしそうなほどセクシーだ! それに、まだ少女同然のころ結婚した男性とは、きれいに別れたって話してくれたじゃないか。気にすることはないよ。結婚していたのは十九歳のときだろう? ダーリン、誰だってひとつくらい間違いはするものだよ。きみの間違いはその男性だったのさ!」
 ひとつくらい間違いはするですって? 今回の間違いはどうかしら? このことを打ち明けても、ジェドは優しく物わかりよく受け入れてくれるだろうか。
 こんなに急いで結婚しなければよかった。サムと二人で決めた行為が実を結ばなかったと、なぜ信じこんでしまったのだろう。あれは、ワイン、早々とスペインに訪れた春の兆し、好調な人生に何かが欠けているという思い、そしてとてもセンチメンタルな気分、つまりあの夜のすべてが作用して、二人で決めたことだった。決意したときはこんな結果が待っているとは夢にも思わず、間違ってはいないと信じていた。それなのにいま、そのことのせいでジェドとのつながりを断ち切られるかもしれない事態に直面している。想像すらしなかったほどの愛の深さ、愛の強さを教えてくれる男性にようやくめぐりあえたというのに……。
 エリナは熱に浮かされたように、ジェドの胸にキスをし、熱い肌に手をすべらせた。彼の情熱的な吐息を聞き、手の動きに応えて彼の体が高まっていくのを感じて、エリナは熱く塩辛い涙をのみこんだ。泣いてはだめ、絶対に泣いてはだめよ!
 わたしたちに残された貴重な時間は、あとわずかかもしれないのだから。
 ジェドが唇を重ねてきた。まるでエリナの体は自分のものだと熱っぽく宣言するかのようだ。エリナはそれに応えて彼に脚をからませ、体を開いて夢中で彼を迎え入れた。ジェドの歓びが高まったのを感じると、彼女自身もすべてを忘れてこの行為にのめりこみ、不安を忘れた。いまこの瞬間だけでも忘れていよう。二人が恍惚の極限に昇りつめるまでの間だけでも……。エリナは彼の喉にキスの雨を降らせ、激しく脈打つ鼓動を聞き、この完璧なひとときに身をゆだねた。

「ここの暮らしにすっかり慣れてしまったよ!」
 エリナは素足だったのに、彼女が白い石造りの家を出て中庭に入ってきた足音をジェドはちゃんと聞きつけたらしい。それとも、彼にはわたしの存在が感じられるのかもしれない。エリナはちょっと身震いした。わたしだって彼の姿を見るより先に、近くにいることを感じ取れるのだから。
 ジェドは、黒いTシャツと灰色のコットンパンツを身に着けている。しなやかでほっそりしていて、危険な男性の香りを漂わせるその姿を見ていると、エリナの気持ちは乱れるばかりだ。彼は太陽の光が降り注ぐ庭園とパティオを仕切る低い塀のそばに立っていた。
「ハネムーンの費用を惜しんで花嫁の家をホテル代わりに使うけちんぼうと思われているかもしれないから、朝食を用意しておいたよ」
 コーヒー、ボウル一杯の新鮮な果物、香ばしいロールパンにオリーブの皿が用意されていた。エリナはジェドの思いやりをうれしく思った。そして彼のほほ笑みの温かさと、欲望を隠そうともせず見つめてくる目にうっとりしていた。
「ぼくは朝食抜きでもいいが、きみは食べたいだろうと思ってね。きみの驚くべき盛大な食欲はいつ見ても気持ちがいい!」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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