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愛と赦しのはざまで

愛と赦しのはざまで


発行: ハーレクイン
レーベル: MIRA文庫mirabooks
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★☆☆☆1
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著者プロフィール

 シャロン・サラ(Sharon Sala)
 強く気高い正義のヒーローを好んで描き、業界のみならず読者からも絶大な賞賛を得る実力派作家。息子と娘、それに孫が四人いる。“愛も含め、持つ者は与えねばならない。与えれば百倍になって返ってくる”が信条。ダイナ・マコール名義の著書も出版されている。

解説

 テレビリポーターのジャニュアリーは、ある連続誘拐事件の謎を追っていた。手がかりは“罪びと”と名乗る奇妙な男。彼は地獄から甦った体験をもとに布教活動をしているという。そんなある日、ジャニュアリーは仕事で訪れた殺害現場で“罪びと”との関連性に気づいた。そのとき不意に彼女は腕をつかまれ、懐かしい声を耳にした。「ミス・デリーナ、君はここに入っちゃいけないんだ。わかってるだろう」ベン・ノース――去年はずみでキスを交わした、魅惑的な敏腕刑事だ。胸のざわめきを押し殺し、ジャニュアリーは彼と向きあった。

抄録

「なんだって?」
「間違い。スコーフィールドは間違いだったと言ったのよ。わたしはほかの人たちも殺したのかときいた。彼はほうっておいてくれ、わたしが何もかもをだいなしにしかけていると言ったわ。彼になぜそんなことをしているのかと続けて尋ねたら、戻るわけにはいかないと言った。どこへ戻るのかときいたら、地獄だと答えたわ。地獄へ戻らないように、あの方と同じ道を歩いているんだと」
「オーケイ、だったらきみはどこかの狂人から電話を受け、相手は、殺された男は間違いだったと言ったわけだ――それはかなり怪しいがな。だが、きみがシナーってやつが誰なのか、あるいはそいつの容姿を知らないのなら、こっちはどうやってやつを見つけて尋問すりゃいいんだ?」
「あら、それはあなたの仕事でしょう。わたしの仕事は報道よ。わたしは電話のことを話すのが義務だと思っただけ」
「本気でやつがいまの一件全部をやったと思ってるのか?」
 ジャニュアリーはためらったが、やがてうなずいた。
「ええ」
「なぜだ? きみが言ったことの中には何ひとつ、タクシーのことやスコーフィールドが間違いだったというのを除けば――それだって、いくつか別の解釈はできる――街頭伝道師を誘拐や殺人に結びつけるものはないじゃないか」
「これを知ったらあなたの考えも変わるかしら? 少なくともほかに消えた四人の名前はサイモン、マシュー、アンドルー、ジェームズというの」
「いったいなんのこと――」
 ジャニュアリーはもう一度いまの名前を言い、自分の推論をもう少し付け加えた。
「もし誰かがイエス・キリストの生涯を再現しようとして、サイモン、マシュー、アンドルー、ジェームズという名前の人たちを、それからもうひとり、バート――バーソロミュー――これは間違いだと言っていたけれど、その人をも誘拐しはじめたとしたら……どう思う?」
 ベンは顔から血の気が引いていくのを感じた。
「使徒たちか……キリストの十二使徒だな。だが、理由はなんだ?」彼はきいた。
「彼が“あの方と同じ道を歩く”と言ったことをおぼえている? もし文字どおりそうしているとしたら? イエスの世界をよみがえらせ、イエスが歩いた道を‘同じように’歩くことが、自分を地獄から救ってくれると思っていたら? 彼は何度も、地獄へ戻るわけにはいかないと言っていたのよ」
 ベンは立ちあがり、窓のほうへ歩いていって、すぐに立ち止まり、ジャニュアリーが座っているところへ戻ってきた。
「いまの話はどこまで証明できるだろう?」
「全然」
 ベンは彼女の声がちゃんと聞こえなかったかのように、まじまじとジャニュアリーを見たが、彼女の表情は揺らがなかった。
「本気なんだな?」
「ええ」
「オーケイ、きみが公式に供述したがらなかったわけがやっとわかったよ。だがおかげでとっかかりはもらえた。それは報告してもいいだろう。きみが男から匿名の電話を受けて、そいつがスコーフィールド殺しは……間違いだと言ったことにすればいい。それでもじゅうぶん事実に近いからな。公式には、ほかの行方不明者とバート・スコーフィールドがつながっている可能性は伏せておくが、約束するよ。おれは絶対に忘れない」
 ジャニュアリーは大きな安堵を感じた。ようやく自分以外にも、いまの推論に賛成してくれる人間があらわれた。
「シナーはほかにもいくつか、奇妙なことをやったと言われているの」
「たとえばどんな?」ベンはきいた。
「何カ月か前、かなり多くの人たちが話していたの。ある街頭伝道師が足を止めて聞いてくれた人には誰でも、〈キャプテン・フック〉の無料フィッシュサンドのクーポンを配っているって」
「どういうことかな」
「ちょっと考えすぎかもしれないけど、キリストは魚とパンの入ったバスケットで、大勢の人に食べ物を与えたでしょう。フィッシュサンドよ。つまり魚とパン」
 ベンは腹の中がこわばるような気がした。
「本当にすごいことに気がついたようだな」
 ジャニュアリーはうなずいた。「ええ、そうらしいわ」
 ベンは思わず彼女のそばに寄り、その両肩をつかんでいた。
「気をつけてくれ。いま話してくれたつながりがきみの考えたとおりだとしたら、シナーと名乗る男は人殺しでもあるってことを忘れるんじゃない。それに、やつはきみのことを知っている。たぶん、きみの家も知っているだろう。ある晩通報を受けたら、きみが彼の犠牲者になっていた、なんてのはごめんだ」
 肩をつかむベンの力は強かった。顔に浮かんだ表情は真剣そのものだった。だが、そのまなざしで彼女は確信した。ため息がもれる。はじめてキスした日からずっと、この瞬間を待ち望んでいたのだ。
「またわたしにキスしようとしているんでしょう?」
「ああ」
「待ちくたびれたわ」彼女は言い、彼の首に両腕をまわした。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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