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裏切り者をわが妃に 愛を拒むプリンス I

裏切り者をわが妃に 愛を拒むプリンス I


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア愛を拒むプリンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆1
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著者プロフィール

 オリヴィア・ゲイツ(Olivia Gates)
 カイロ在住のエジプト人。作家だけにとどまらず、眼科医、歌手、画家、アクセサリーデザイナーという実にさまざまなキャリアをもち、妻と母親業もこなしている。キャラクター設定やプロットのアドバイスをしてくれる娘と、ストーリーが気に入らなければキーボードの上を歩きまわる辛口批評家のアンゴラ猫の助けを借りながら、情熱的なロマンスを書き続けている。

解説

 グローリーは、職場の上司で王族のヴィンチェンツォと激しい恋に落ち、夢のような日々を過ごした。なのに、君はつかのまの愛人にすぎないと屈辱的な言葉を投げつけられ、彼の人生から蹴りだされてしまう。想いを断ち切れぬまま6年がたったとき、一通のメールが届いた。“君の家族の罪を告発する”――送信者はなんとヴィンチェンツォだった。動揺を抑え、ヴィンチェンツォを訪ねたグローリーに彼は冷たく言った。不正を働いた家族を投獄されたくなければ交換条件をのめ、と。「1年だけ、ぼくの妻として暮らすんだ」それはつまり、妃になれということ?

 ■人気絶頂オリヴィア・ゲイツのミニシリーズ3部作〈愛を拒むプリンス〉がスタート! “人生の最大の幸福は結婚”との信条をもつ王に、結婚を命じられた愛を知らないプリンスたちは、幸せをつかむことができるのでしょうか?

抄録

「僕はほかの誰も望まない。君が適任なんだ。君はどんな状況にも完璧に溶けこめる。宮廷や外交のエチケットや“まねごと”など、たやすく身につくはずだ。高官たちや報道機関の前で何を言い、どうふるまうかは、僕が教える。ほかの分野の教育は、僕の従者のアロンツォにゆだねる。彼の教育が始まれば、タブロイド紙は君のスタイルとファッションの話題で持ちきりになるだろう。人道主義活動家としての君の現在の職業も、世界の関心を引くはずだ。さらに、クリーン・エネルギーのパイオニアとしての僕のイメージにもプラスに働く。僕らは完璧なおとぎ話のカップルだ」
 現実にそうなると、彼はかつて思っていた。
 グローリーもまた同じことを思ったらしい。彼女はまるで、それが現実になりえないという痛みに押しつぶされているような顔をしていた。
 手近の壁にこぶしを打ちつけたい衝動を抑えて、彼は言った。「充分な報奨金も用意する。これも、君がこのオファーを断ることができないと言った理由のひとつだ」
 彼女は失望の面持ちで、ヴィンチェンツォをじっと見つめていた。金額をきいてこない。金などなんの意味もないという芝居を続けている。
「金額は一千万ドル」ヴィンチェンツォは言い、幻滅を押し隠した。「当然、控除や税金を差し引いた額だ。事前に二百万、残りは契約期間が終了したときに払う」ヴィンチェンツォは身をかがめ、コーヒーテーブルから別の書類を取りあげて、カウチにぐったりと座る彼女の近くに立った。「これは君にサインをしてもらう婚前契約書だ」
 グローリーがその分厚い書類の束を受けとらないので、彼女の膝の上に置いた。
「今日一日、考える時間を与える。弁護士を探すのも自由だが、明記された条件を遵守するかぎり、君に不利な内容はない」
 彼女は膝の上の書類から顔をあげずに言った。「受け入れるか、それとも受け入れるか、なのね」
「そういうことだ」
 彼女は怒りと失意の満ちた目で、ヴィンチェンツォの目を見た。
 グローリーの視線を受けただけで、ヴィンチェンツォの全身に欲望がみなぎった。彼女は彼を弱くする。ヴィンチェンツォは再び彼女を目にして以来、激しく欲情していた。
 唯一の慰めは、彼女もまた彼を求めていることだ。
 そのことに疑念はない。いくらグローリーでも自分の体の反応を偽るのは無理だ。何年ものあいだ、彼女の記憶はヴィンチェンツォの夢想を支配してきた。円熟し、互いに厄介な荷物をかかえたいま、再び彼女を抱くのはどんな感じだろう。
 考える必要はない。すでに心は決まっている。
 僕は再びグローリーを自分のものにする。
 事前にこちらの意図をはっきりさせておいたほうがいいかもしれない。
 ヴィンチェンツォは、立ちあがるグローリーの腕をつかんだ。指先が彼女の引きしまった肌に食いこむ。
 彼女の憤然とした視線を受け、ヴィンチェンツォはかがみこみ耳元でささやいた。「今度、君をベッドへ連れていくときは、以前よりずっといいものになりそうだ」
 ヴィンチェンツォの手の中で、彼女の肌がざわめき、呼吸が変化して、瞳孔が広がった。グローリーの香りが立ちのぼり、彼の肺を満たす。
 だが、グローリーは言った。「そんなものには絶対、サインしないわ」
「こちらも頼むつもりはないよ。これは取り引きとはなんの関係もない。君には自由がある。僕は君と寝たいと思っていることを知らせただけだ。そして、君は来る。君も僕を求めているからだ」
 グローリーの瞳孔は絶えず動き、頬が上気している。ヴィンチェンツォの主張を肯定している証拠だ。
「その大きくなった頭の重みで首から折れる前に、誰かに診てもらったほうがいいわ」
 ヴィンチェンツォは彼女の腕を引っぱり、自分の体に勢いよく引き寄せた。胸から膝まで密着したそのすばらしい感触に、喉からうめきがもれる。グローリーも抑える間もなくうめき声を発した。
 彼女がこの部屋に入ってきて以来、ヴィンチェンツォをそそっていた芳しい香りが肺にあふれた。
 グローリーの肩口に顔をうずめ、そのにおいを吸いこみ、彼女の震えを受けとめる。「君に僕のベッドへ来てほしいんじゃない。そこにいてもらいたいんだ。六年のあいだずっとそこに君にいてほしくてたまらなかった」
 グローリーは力の抜けた体でヴィンチェンツォの硬い体を押しやり、混乱した顔で彼を見あげた。
 彼女の顔にはさまざまな感情が行き交っていた。その激しさに、ヴィンチェンツォはめまいを覚えた。
 気づくと、ヴィンチェンツォは言っていた。「情熱は僕らが分かち合った唯一の真実だった。君は僕にとって最高の女性だった。僕がそれを終わらせたのは、君が――」かろうじて非難をのみこむ。「こちらが差しだすより多くを期待しているように思えたからだ」声にのんきさを含ませる。「だがいまは、君は何が提供されるのか知っている。君には僕の愛人になるかどうかの選択肢はあるが、僕の妃になるかどうかの選択肢はない」
 グローリーの視線が手元の書類へ落ちた。二人の一時的な関係の範囲と、それがどのように終わるかを定めた書類。
 彼女が目をあげた。冷ややかな空色の瞳。「一年間ね」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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