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紅蓮の誓い よみがえる魔女伝説 III

紅蓮の誓い よみがえる魔女伝説 III


発行: ハーレクイン
シリーズ: シルエット・ラブ ストリームよみがえる魔女伝説
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ダニ・シンクレア(Dani Sinclair)
 母親から借りた本がきっかけで、初めてロマンス小説を知り、その世界に魅了される。以来、熱心な読者となったが、二人の息子の手が離れたことを機に本格的な執筆活動に入った。1996年にハーレクインに作品を発表してからは精力的に創作を続けている。1998年には三作目にしてロマンス小説界のアカデミー賞と言われるRITA賞の最終選考に残った実力派。ワシントン郊外在住。

解説

 ■何があっても、この誓いは破らない。私たちは住む世界が違うのだから……。

 ■ブリーは病気の母と幼い娘を抱え、食堂(ダイナー)で働いていた。今朝はひどく混んでいる。まるで町中の人がやってきたようだ。理由はひとつ。みんな昨日射撃場で起きた殺人事件を噂したいのだ。「ドゥルー・ピアスは捕まるかな?」客の話す声が耳に飛び込んできて、ブリーは凍りついた。まさか、あの品行方正なドゥルーが犯人であるはずがない。振り向きざま別の客にぶつかったが、目を上げて言葉を失った。そこにはドゥルー本人が、けげんな顔で彼女を見つめて立っていた。弁護士を目指していたはずの私が場末のダイナーにいるんだもの、不思議に思うわよね。でも、その理由は決して明かさない。こみ上げるせつなさをこらえつつ、ブリーは再度胸に誓った。

 ■五年前、聖ジョン共同墓地の過酷な運命を共にした女性の一人にまたも魔の手が忍び寄ります。

抄録

 ブリーの脳の機能が停止した。空想や記憶、官能的な夢の数々が一気に押し寄せてきた。
「用意してあるレモネードを飲んでいいと」ドゥルーは最後に少年ぽく笑った。まるで、ブリーの考えはお見通し、とでも言うように。
 お母さん。その言葉が、いつもの理性的な思考回路を覆っていた官能の靄をついに払いのけた。
「母と話したの?」ほとんど金切り声に近かった。フィッツウィッギーが合わせるように鳴き声をあげた。そして大きく羽をばたつかせた。
「落ち着け、フィッツ」ドゥルーが鸚鵡に冷静に話しかけた。「けさの彼女は少々混乱気味なんだ。そうだよな、マックス」
 マックスは彼をけげんそうに眺め、それから餌の容器のほうに戻っていった。ブリーはいまごろになってティーポットを下ろした。さもないと、それを彼の頭に投げつけたい衝動に負けてしまいそうで。
「君が心配だったんだ。あんなことがあったあとだから、君とお母さんが無事か確かめたかった」
「だれかに撃たれたなんて、母に言わなかったでしょうね?」声にヒステリックな響きがにじんでいるのが自分でもわかった。気遣わしい表情になったところを見ると、ドゥルーも気づいたらしい。
「いや。もう君が話したと思ったから。ぼくがここに着いたとき、君のお母さんは出かけるところだった。だからあまり話す時間はなかったんだ」
 よかった!
「でもだからといって、ぼくらまで話しあわなくていいということにはならない」
 こんなにアドレナリンが体を駆けめぐるのは、たぶん体によくないわ。心臓発作を起こすかもしれない。いまこの台所で。
「朝は苦手みたいだね」ドゥルーは迷わず目当ての食器棚に歩み寄り、グラスを取りだしてブリーに向き直った。口元に笑みが浮かんでいる。でもその笑みは、ブリーの体を眺めるうちにゆっくり消えていった。ブリーは、自分が大きめのTシャツと小ぶりのパンティという姿で立っていることに気づいた。
 ドゥルーはテーブルの上のサングラスの横にグラスを置き、野球帽を取って、湿った髪をかき上げた。
 ブリーは緊張した。なぜ彼のそんなちょっとしたしぐさに誘いを感じてしまうのだろう。頭がどうかしてしまったんだわ。想像力が勝手にふくらんで、ずっと思い焦がれていたとおりのまなざしで見られているような気がしてしまうのよ。物欲しそうな目。母の焼きたてのクッキーを見るときの私と同じだわ。
「私はクッキーじゃないのよ」
 彼のかすれた笑い声に背筋がぞくぞくする。「ああ、ブリー」彼女の言葉の意味を文字どおり承知しているかのようにドゥルーがほほえむ。「記憶では、君はどんなクッキーよりすばらしかった」
 彼が近づいてきた。それにつれ、下腹部でくすぶる欲望の炎がどんどん大きくなる。
 もし触れられたら溶けてしまいそう。
 でも触れてくれなかったら死んでしまう。
 彼が手を伸ばした。部屋の壁がすっと遠のく。ドゥルーはうやうやしいとさえ言えるほどそっと、ブリーのもつれ髪に指を差し入れた。
「いまの君がどんなにセクシーかわかるかい?」
 ブリーは黙ったまま彼を見つめた。
「ぼくを生きながらむさぼらんばかりの目で見てる。君が髪を無造作に下ろした姿をよく空想したものだった」かすれ声で言う。「ちょうどいまみたいに」
 もう……息ができない。
 感覚という感覚が研ぎ澄まされている。ドゥルーは汗とコロン、刈ったばかりの芝と日焼け止めのにおいがした。なぜそんなちぐはぐな組みあわせに、耐えがたいほど刺激されるの? 彼の肌の温もりをこの手に感じたい。その固く広い胸を指で探りたい。
「君の髪がこんなにやわらかいとは」彼が驚いたようにささやく。「絹のなめらかさを持つ炎の大河だ」
 ああ、神様。
 心の底からほとばしる、助けを求める祈り。ただ、夢なら覚めてほしいと祈ったのか、夢ではありませんようにと祈ったのか、自分でもわからない。
「けっしてするまいと自分に誓ったのに」ドゥルーがしわがれた声でうめいた。
 キスは、ため息のごとくそっと、それでいて炎のごとく熱く始まった。ブリーの体中の神経がショートした。ドゥルーの唇はゆっくりと味わい、試し、堪能する。キスは一瞬だった。なのに、永遠にも思えた。ブリーは唇を開き、なすすべもなくドゥルーを見つめる。彼はほほえみ、ふたたび唇を近づけた。ブリーの口の熱く濡れた洞窟を舌で探索する。
 夢と現実がまじりあう。私がずっと待ち望んでいた出来事。心臓がひとつ打つごとに、キスは熱を帯び、激しくなっていく。
 ドゥルーは彼女の口元でうなった。ブリーがもっとと言うように小さく声をもらす。
「ぼくにどんな魔法を使ったんだい?」ドゥルーはささやき、顎の線に沿って口づけしていく。「君に誘惑されたら、聖人だって光輪を神に突き返すな」
「あなたは聖人じゃないわ」ブリーは震える声でささやき返した。
「もちろんさ」
 ドゥルーは両手を彼女の巻き毛の下に入れ、後頭部を包みこんだ。ブリーはそれでもう動けなくなった。官能的な喜びが走る。身をこわばらせ、彼の唇の魔力でひたすら欲望を募らせていく。ドゥルーが頬に唇を這わせ、顎を唇ではさみ、耳たぶを軽く噛んだ。ブリーは足元がおぼつかなくなり、それに気づいたドゥルーが彼女を抱き上げようとした。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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