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奔放な誘惑

奔放な誘惑


発行: ハーレクイン
レーベル: MIRA文庫mirabooks
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ステファニー・ローレンス(Stephanie Laurens)
 セイロン(現スリランカ)生まれ。五歳のとき、一家でオーストラリアのメルボルンに移り住む。大学では生化学を専攻して博士号を取得、その後、夫とともにロンドンに渡り、四年を過ごしたのち、帰国。研究活動に従事しつつ、十代のころから愛読していた歴史ロマンス小説を書き始める。現在ではアメリカでも人気が沸騰し、ベストセラーリストの常連となっている。

解説

 トウィニング家4姉妹の長女キャロラインは誰もが見惚れる美しきレディ。長らく修道院にいた彼女も社交界デビューを控える身となり、まだ会ったことのない、自分たち姉妹の後見人だというトワイホード公爵を訪ねた。だが悠然と現れた若き公爵を見てキャロラインは言葉を失う。なんてこと……亡き父と同年配の紳士と思っていたのに、どう見てもこの人は世慣れた放蕩貴族だわ。キャロラインがかすかに感じた不安は、はたして的を射ていた。公爵はすでに頭を悩ませ始めていたのだ――どうしたら目の前の美女を我がものにできるかと。

抄録

 キャロラインは後見人の腕の中で、懸命にわき立つ感情を抑えようと努力していた。マックスは必要以上に彼女を抱き寄せている。だが、部屋をまわりながら、キャロラインは気づいた。はた目には、トワイフォード公爵はいちばん年上の被後見人に対し、しかるべきふるまいをしているとしか見えないだろう。ブルーの瞳にひそむ危険なきらめきと、熱いささやきがわかるほど近くにいるのは彼女だけなのだから。「君はダンスもすごく上手なんだな。教えてくれ、まだ僕が知らない才能がどれだけある?」
 キャロラインはどうしてもマックスから目をそらせなかった。彼の言葉を聞いて意味は理解したが、まったく頭が働かなかった。信じがたい事実を受け入れるのに精いっぱいで、なかなか答えが出てこなかった。後見人と被後見人の関係でありながら、マックス・ロサーブリッジは私を誘惑するつもりでいる。ブルーの瞳の熱さから、そして薄い絹のドレスを通して焼けつくように感じられる手から、彼女の手をやさしく愛撫する長い指から、はっきりと彼の欲望が伝わってくる。ロンドンのゴシップ好きがじっと見つめる中、二人は部屋をくるくるまわりつづけた。
 キャロラインは陶然としながらも正気を保ち、穏やかな笑みをしっかりと顔に張りつけていた。だが、思いは足の運び以上にめまぐるしく行ったり来たりしていた。彼女はあらんかぎりの努力でなんとかまつげを伏せ、マックスから目を覆い隠した。「ええ、私たち姉妹にはいろいろな才能がありますから」ほっとしたことに、自分の声は歯切れよく落ち着いていた。「でも、残念ながらそれはすべてありきたりなものだと認めなければならないでしょうね」
 低いくすくす笑いが返ってきた。「こう言うのを許してほしいんだが、僕が頭に思い描いていることに関して、君の能力は並はずれている」キャロラインはぱっと彼と目を合わせた。自分の耳が信じられない。けれども、マックスは彼女が口を開く前に先を続けた。そしてブルーの目でキャロラインを射すくめながら、誘いかけるようにつぶやいた。「今は経験に乏しいだろうが、君はすぐに上達することを請け合うよ」
 もうたくさんだわ。無理にマックスの動機を見きわめようとするのはあきらめて、しっかりと正気を取り戻したほうがいい。キャロラインは目を上げ、浅黒い顔にほほ笑みかけると、きっぱり言った。「ありえないわ」
 しばらくマックスはあっけに取られていたが、徐々におかしさが込み上げてきた。「ありえない?」
「当たり前でしょう」キャロラインは落ち着いて答えた。「あなたは私の後見人で、私はあなたの被後見人ですもの。だから、今の言葉をあなたが言ったこと自体おかしいわ」
 キャロラインの落ち着いた顔をじっと見つめるうちにマックスは彼女の戦略に気づき、その勇気に感服した。これに打ち勝つような弁明の言葉は今は思いつかない。灰緑色の瞳を見れば、これ以上惑わされないと決意しているのがわかる。マックスは深追いせず、優雅に引き下がった。
「それで、〈オールマックス〉についてはどう思った?」彼は尋ねた。
 ほっとして、キャロラインは差し出されたオリーブの枝を取って休戦を受け入れた。そのあとに続いたおしゃべりは当たり障りのないものになった。
 ダンスが終わると、マックスは洗練された慇懃な態度でキャロラインを崇拝者たちのもとに帰した。だが、別れる前には、彼女が顔を赤らめずにはいられないまなざしを送った。その後〈オールマックス〉を出るときまで、キャロラインはマックスの姿を目にしなかった。この夜をしのぐため、彼の態度については心の中からきっぱり追い出した。そういうわけで、後見人の馬車とトワイフォード公爵家の馬車を取り替えた手はずにも気づかなかった。そばに来たリジーに袖を引っ張られ、ほかのみんなは先に帰ったと言われたとき、キャロラインは失敗に気づいた。しかし、後見人のもくろみは屋敷に向かうまではっきりしなかった。
 彼女とマックスは前を向いた座席に並んで座り、リジーはその向かい側の隅でまるくなっていた。キング・ストリートを出るとき、馬車はくつろいだ沈黙に覆われていた。リジーは疲れから、そしてキャロラインは考え事にひたっているせいで黙っていたが、そこではたと気づいた。後見人は経験を積んでいるから無言でいるのだ、と。
 マウント・ストリートのかなり手前で、いきなりマックスがキャロラインの手を取った。驚いた彼女はマックスの指がやさしく撫でるのを意識しながら、顔を上げて彼を見た。馬車の中の暗闇にもかかわらず、二人の視線がからみ合う。マックスはゆっくりとキャロラインの手を持ち上げて、指先に唇を寄せた。甘美な刺激がうずきとなってキャロラインの全身を駆け抜けていく。マックスは彼女の手を裏返すと、手首に長々とキスをした。だが、彼がなんの前触れもなく頭を下げて唇を求めたときの衝撃は、たとえようもなく大きかった。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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