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和書>小説・ノンフィクションハーレクインシルエット・ラブ ストリーム

遥かなる呼び声 狼たちの休息 III

遥かなる呼び声 狼たちの休息 III


発行: ハーレクイン
シリーズ: シルエット・ラブ ストリーム狼たちの休息
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ビバリー・バートン(Beverly Barton)
 幼いころ、祖父から贈られた『美女と野獣』の絵本を読んでロマンス小説のとりことなり、九歳のときに初めて物語を書いた。それ以来、小説、詩、脚本と、学生時代を通じて創作活動に親しむ。結婚し、二人の子供を産んでから専業主婦となっていたが、執筆活動に復帰してからはアメリカ・ロマンス作家協会に加入し、大いなる貢献をする。1990年のデビュー以来、五十作以上の作品を発表し、マギー賞や全米読者選賞など数々の賞を受賞。とりわけ百戦錬磨のボディガードを主人公にした出世作『狼たちの休息』シリーズは新作が出るたびに各メディアから賛辞を受ける人気連作。ウォールデンブックスやUSAトゥデイ紙のベストセラー・リストの常連で、世界的ベストセラー作家リンダ・ハワードも彼女の実力を認め、絶賛を惜しまない。

解説

 画家のジョアンナは曾祖母の日記と美しい指輪に心動かされ、四年前、ニューメキシコに移り住んだ。日記には、ある男性との悲恋が綴られていた。わたしもいつか日記に出てきたような男性とめぐり合い、真実の愛を見つけたい……。ある日、ジョアンナは不思議な音色に導かれてJ・Tと知り合う。彼は曾祖母の愛の形見と同じ銀とトルコ石の指輪をはめていた。だが、運命を信じて指輪にまつわる恋を語るジョアンナに彼はそっけなく告げた。「ぼくに幻想を抱くな」

 ■全米マスコミ各紙が賛辞を寄せる実力派作家ビバリー・バートン。どの作品もスリル満点のサスペンスですが、読む人の心に深い余韻を残す味わい深さをも備えています。

抄録

 ジョアンナは顔を上げ、少し首を傾けて彼の目を見つめた。「何もなかったことにしたいわ。五年前の出来事を消したい」
「ああ、しかし……それは不可能だ。ぼくには現在のきみを守ることしかできない」過去に戻って彼女を守れたらどんなにいいだろう。そうすれば、汚らわしいレニー・プロットにジョアンナを触れさせはしなかった。もし触れたら、この手でプロットを殺していただろう。
「ごめんなさい、きちんと話すわね」ジョアンナは立ち上がり、ポーチの端まで行った。J・Tに背中を向けたままだ。「わたしは……」つばをのんだ。「レイプされるまで疑うということを知らず、世の中はすばらしいところだと思っていたの。裕福で仕事にも成功した両親のひとり娘として、愛されて育ったわ。大学で美術の学位を取ったあと、リッチモンドの小さな美術館に就職したの。そして父の法律事務所にいた若いやり手の弁護士と出会って恋をし、結婚の約束をした。唯一の不幸は父が心臓発作で死んだこと。その一年後に……レイプされたの」
「婚約者とはどうなった?」J・Tは膝の上の帽子を手にして立ち上がり、頭にのせた。
「今からその話をしようと思っていたのよ」
 J・Tは彼女のすぐ後ろまで行ったが、手は触れなかった。「続けて」
 ジョアンナは彼の気配を感じて緊張した。たくましい体から発散される熱が伝わってくる。「わたしは事件とその後に起きたことで変わってしまった。人を容易には信じられなくなったの」
「わかるよ。しばらくは無理もない」
「しばらくじゃないのよ……。婚約者のトッドは事件をどう受け止めるべきか苦しんでいたわ。そしてわたしがいちばん彼を――彼の愛と支えを必要としているときに去っていったの」
「なんてやつだ!」J・Tはジョアンナの肩をそっと抱きしめた。彼女はびくっとした。今にも粉々に壊れてしまいそうだ。「そんな男とは別れてよかったんだよ」
「ええ、そうね」ジョアンナはJ・Tには触れられたくなかった。そんなに優しく触れないでほしかった。彼女はもっと強く抱かれたくなっていた。「でも、わたしはますますやりきれない気持ちになった。愛している、妻になってほしいと言った人が信じられないのに、だれを信じられるの?」
「ぼくがいるよ、ジョー」J・Tは彼女をなだめるように肩から腕をなでた。「ぼくを信じてくれ」
 ジョアンナの体に震えが走った。張りつめていた気持ちが少し和らいだ。J・Tを信じたい。でも、信じられるだろうか。
「アトランタからほかの人を呼んだりしないで」ジョアンナは体をそらして彼に軽く寄りかかった。「あなたに……守ってほしいの、J・T」深々と息を吸い、ゆっくり吐き出した。「あなたを信じてみると約束するわ」
 J・Tは身をかがめ、彼女の耳元でささやいた。「ぼくも約束するよ。信じてもらえるように精いっぱい努力する」
 ジョアンナは目を閉じ、彼の胸に体を預けて頭をもたせかけた。「怖いの。とても怖いの」
「ぼくが守ってみせる。いっしょにこの牧場に残るよ。そして、きみのそばにはつねにだれかいるようにしよう、プロットが逮捕されて刑務所に連れ戻されるまで」
「でも、もしも――」
「もしもその前にやつがここを突き止めたら、ぼくが二十四時間体制で警護する。万一きみに近づくようなことがあれば、殺す」
「ああ、J・T、あなたには想像もつかないでしょうね、あの夜わたしがどんな思いをしたか」ジョアンナは目を開け、腕をなでている大きな手をちらりと見た。「そして法廷でも……彼のしたことを一部始終言わされたのよ」
「もういい。思い出すな」J・Tは詳しい話を聞く自信がなかった。レイプの事実を知っただけで頭がどうにかなりそうなのだ。プロットを見つけて去勢してやりたかった。
「あれはわたしのせいじゃないわ! でも、もっと激しく抵抗すべきだったかもしれない。ナイフでのどを切られればよかったのよ」ジョアンナは身を震わせた。「トッドはわたしを責めたわ。なんとか防げたはずだと言って。それ以後……顔を見るのも耐えられなかったみたい。おかげでわたしは、レイプされた直後と同じぐらい汚れているような気分になったわ」
「本当に愛していれば、責めたりしないはずだ。事件の責任はレニー・プロットにある。ほかのだれが悪いのでもない。きみが二度と傷つかないよう、ぼくが全力で守ってみせる」
 J・Tはジョアンナのうなじに顔をつけた。首をふんわりおおっている髪から、甘いさわやかな香りが漂っている。こめかみにキスしながら、後ろから抱きしめた。彼女は抵抗しなかった。ふたりは長い間ポーチに立っていた。J・Tは両腕で彼女をしっかり包みこんだ。世の中から守るように。いとおしむように。だれにも渡すまいとするように。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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