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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・イマージュ

誰よりも何よりも

誰よりも何よりも


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュ
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 リンゼイ・アームストロング(Lindsay Armstrong)
 南アフリカ生まれ。現在はニュージーランド生まれの夫と五人の子供たちとともに、オーストラリアで暮らす。オーストラリアのほとんどの州に住んだことがあり、農場経営や馬の調教など、普通では経験できない職業を経てきた。彼女の作品にはその体験が大いに生かされている。

解説

 彼との恋はまるで初恋のような気分。でも婚約者がいたなんて、どういうこと?

 ■「ここはいったいどこなんだ?」男は目を覚ますと言った。彼は、オリヴィアが手伝う牧場で、倒れていたのを発見されたのだが、どうやら頭を強く打ったために、一時的に記憶を失っているらしい。思い出せたのはベンというファーストネームだけ。看病するうちに、オリヴィアは彼に強く興味を引かれるようになった。整った顔立ちにブルーの瞳、皮肉な冗談がうまくて、病人のくせにしきりに彼女の歓心を買おうとする。わがままで、でも優しくて……。だめよ。彼のことはまだ何も知らないのに、好きになるなんて。オリヴィアはベンといると、いつも幸せな気分になれた。まるで初恋のときのように。でも、そう思い始めたとたん、彼は牧場の買収に訪れた畜産会社の社長で、しかも、しばらく前から記憶が戻っていたと、オリヴィアに打ち明けた。やがてベンを飛行機で迎えに来たのは、華やかな魅力をたたえた女優のケイトリンだった。だが、オリヴィアは知るよしもなかった。ベンをいたわるように抱きしめる彼女が、まさか彼の婚約者だとは!

抄録

「気が変わったわ」オリヴィアはベンをにらみつけた。
「それは嘘だ」ベンは意地悪く眉を上げてみせた。
「正直に言ってしまったことを後悔しているんだろう。でも、これで何もかもはっきりするはずだ」
「それ、どういう意味?」
「試しにキスをしてみてお互いに気に入らなかったら、友達として別れることができるってことさ」
 オリヴィアは怒りの声をあげた。「あなたのことなんか放っておけばよかったわ。わたし……」
 ベンは手っ取り早い方法でオリヴィアの言葉を遮った。彼女の唇を唇でふさいだのだ。ベンはオリヴィアの唇に軽くキスすると、ワトル・クリークの味がするねとささやいた。
 オリヴィアはもがいたが、ベンは彼女の首筋にキスをし、こんなにほっそりとしていてきれいな首は見たことがないと言った。
 オリヴィアは両手を自分の背中に回して、懸命に彼から逃れようとした。けれどもベンは、きれいでしなやかな体つきをしているとささやくと、手を彼女のヒップに当て、こんなにもお尻が引きしまっているのは馬に乗るせいだろうねと評した。
 オリヴィアは彼の手の動きに驚きといらだちを覚え、放してちょうだいと辛辣な声で命じた。
 けれども、ベンは低い声で笑うと、わざとらしくオリヴィアを抱き寄せて鼻の頭にキスし、放せといわれても放せないよ、と意地悪く言った。
「わ、わたしのこと……からかっているんでしょう!」オリヴィアはかっとなって言った。
「まさか」ベンはまじめくさった顔で言ったが、オリヴィアはごまかされなかった。
「そうよ。ひどい悪ふざけだわ。本気で思っている女性にこんなふうにキスするはずがないわ!」そう言ってしまったとたん、オリヴィアは真っ赤になり、下唇を噛みしめた。
「ああ」ベンは彼女の体を放したが、片手で彼女の手首をつかみ、もう一方の手で彼女の唇に触れた。
「そういう意味だったら、話は別だ」
「そうでしょうとも!」オリヴィアはあごを上げた。
「わたし……」
「オリヴィア、先に断っておくけど、その気のない女性に本気でキスしたりしないというのがぼくの主義なんだ」
「さっきはわたしにその気があるようなことを言っていたじゃない!」そう言ってしまってから、オリヴィアはしまったと思った。
 ベンは口元をゆがめた。「でもね、オリヴィア、その気があるとかないとかはぼくが言うことじゃないだろう。特にきみみたいに独立心の強い人なら、自分の口からはっきり言うべきだ」
「それじゃあ、その気があるってわたしが言ったら……」
「そういうこと」ベンはうなずいた。
「人のことを甘く見ないで」オリヴィアは辛辣にやり返した。
「わかったよ」ベンは彼女の手首を放した。「きみにその気がないんだったら、怒ってこの場から立ち去ればいい」ベンはかすかにおかしそうな目をしていた。「でも、いつまでもこの場にいるんだったら、その気があるってことだと考えるぞ」
 オリヴィアは信じられないというように言った。
「それもおふざけのつもり?」
「ふざけているかどうか試してみるんだな」ベンはゆったりとした口調で言った。「きみがはっきりとした態度を示さないから、ややこしいことになるんだ。だから、この際はっきりさせよう。きみは本気でキスしたいのか、したくないのか?」
 オリヴィアは呆然として言葉もなかった。ベンは彼女が本気だと言えば、自分も本気になると言っているのだ。
「わたしはおふざけで男性にキスしたことは一度もないわ」オリヴィアはようやく口を開くと、肩をすくめた。「わたしの性分なんでしょうね。なんだかものすごく矛盾しているようで悪いんだけど、今回はパスさせてもらうわ」オリヴィアはベンをじっと見つめて言った。「だって、あなたを驚かせちゃ悪いもの――わたしが本気になったときの姿を見せて」
「そうくるとは思わなかったな」ベンの目はおかしそうに笑っていたが、その奥底には冷たい挑むような光が宿っていた。
「さあ、どうするの? あなた次第よ」オリヴィアも冷たい挑むような目で言った。
「ぼくは与えられたチャンスはぜったいに逃さないんだ」ベンは皮肉っぽく言った。
「それに、ぜったいに口も減らないようね」オリヴィアは冷ややかに言った。
 突然、二人の間にそれまでとは違う緊張感が漂い始めた。お遊びは終わり、ほんの少し残っていた友好的な空気も消し飛んでしまった。代わりに、一種の敵意とむきだしの欲望が二人の間で渦巻いた。
 オリヴィアは自分の体の線をたどっているベンの目に情熱的な光が宿っているのを見て取った。服の内側を見透かされているようで、思わず彼女は身震いした。けれども、けっして嫌悪を感じたのではない。まるで電流に体を貫かれたようだった。
 実際に体が触れ合わなくても、こんなふうに感じてしまうなんて……。オリヴィアは負けずにじっとベンを見返した。まずがっしりとした肩を一瞥して、引きしまった体に視線を移した。贅肉はいっさいついていないが、彼の体が驚くほど力強いことは、昨夜雨漏りの修理を手伝ってくれたときにわかった。
 けれども、彼に惹かれるのは外見のせいだけではない。人柄にもあらがいがたい魅力を感じてしまう。彼のユーモア、そして……。オリヴィアは考えるのをやめて、そっと目を閉じた。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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