マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・イマージュ

ウエディングは裸足で

ウエディングは裸足で


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュ
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★☆☆1
◆レビューを書く

¥0サンプル
購入する


著者プロフィール

 リンゼイ・アームストロング(Lindsay Armstrong)
 南アフリカ生まれ。現在はニュージーランド生まれの夫と五人の子供たちとともに、オーストラリアで暮らす。オーストラリアのほとんどの州に住んだことがあり、農場経営や馬の調教など、普通では経験できない職業を経てきた。彼女の作品にはその体験が大いに生かされている。

解説

 きっと、これからも愛しつづける。でも、このさよならは避けられない……。

 ■クロゼットのウエディング・ドレスを、スカイは悲しい気分で眺めていた。結婚式を目前に婚約を破棄されたのだ。婚約者だったニックは大会社の跡継ぎとは思えない、野性の香りを漂わせる魅力的な男性。でも彼が結婚を申し込んだのは、テレビの料理番組に出ているスカイを、そのイメージどおりの、夫を束縛しない女性だと思っていたからだ。「結婚できなくても、恋人同士として続けられるよ」婚約破棄を申し出たとき、ニックが言った言葉が耳を離れない。でも、恋人には戻れない。彼を忘れられないのはわかっているけれど。本当のわたしは、子供も、いつもそばにいてくれる夫もほしいのだから。ところが三週間後、スカイは常夏の島でニックと再会する。ニックはすでに、いかにも彼を束縛しそうにない、美しいモデルの恋人を連れていた……。

抄録

 ニックは星空を眺め、柵にもたれかかった。「男に関して女性が理解できないかもしれないのは、こういうことだね。つまり、レーシングカーやモーターボートの魅力がスピードにあるのはたしかだけど、それだけじゃない。エンジンやモーターがどんなふうに動くか、その性能をどうやって最大限に発揮させるかといったことも魅力の一部なんだ。かっこよさとか人にもてはやされることとかは、副産物にすぎないんだよ」
「そういうものも魅力の一部に含まれているように思えるけど」
 ニックは肩をすくめた。「人間というのは、科学技術に熱中して、それを限界まで推し進めれば、あとはパーティーに出るのも自然と好きになるものさ」
 スカイは目を見開いてニックを見つめた。「そんなふうに考えたことは一度もなかったわ」
「ボクシングだって同じだ。ちゃんとしたボクシングなら、そのなかに科学もあって、それが多くの人間にアピールするのさ」
「そんなことを言って、わたしにボクシングを見物させようとしているんじゃないといいけど。それより、自分が独り身を通すのに向いているかもしれないと思う理由を説明してほしいわ」
「それはむずかしいな。自分でも説明がつかないんだから」
 スカイはまじまじとニックの顔を見つめた。
「それに、フローの言うとおりかもしれない」
「フローって、秘書のフーロレンス?」
「そう。彼女は、ぼくがこれまでずっと労せずしてほしいものを手に入れてきて、自分のやりたいようにやることに慣れきっているって言うんだ。べつの言い方をすれば、自分の思いどおりにできないものは受け入れないってことだ」
「わたしがどうしても忘れられないのは、初めてあなたのお母さんに会ったとき、お母さんが内心驚いているように見えたことよ。なぜいま急にそんなことを思い出したのかわからないけど……」スカイは口をつぐんで眉をひそめた。
「母が驚いたのは、きみの心をぼくよりも正確に読み取ったからさ」
「それはどういうこと?」
「きみはぼくに夢中だったせいで、自分の将来に何が待ち受けているかわかっていなかった。母はそれを読み取ったんだよ、スカイ」
 スカイはあっと息をのんだ。「でも……でも……独り身を通すのに向いているってどういうことなの? それには理由があるはずよ」
「ぼくは深刻な問題やつらい経験などはなしに育ってきたし、片思いをしたことも、女性関係でしくじったこともない。きみとの場合をべつにすればね。フローの言うとおりだろうな。ぼくはこれまでずっと運良く危難を免れてきた。でも、ぼくはぼくなりに……そんな生き方から抜け出したい気もしていたんだ」
「わたしはあなたにしがみついたりはしなかっただろうと思うわ」スカイはささやくように言って、ぞっとして口をつぐんだ。
 ニックはスカイに片腕をまわし、頭にキスした。「きみはぼくには過ぎた人だったよ、スカイ。きみはだれかのすばらしい妻になるように育てられて――」
「ブライスのことを言っているのなら、やめて」スカイはきっぱりと言った。目に涙がにじんできた。
「わかった」
「じゃあ、わたしたちは本当におしまいなのね?」スカイはニックが何を考えていようと気にしないことを示すように、そっけない口調で言った。「だとしたら、ゆうべはなぜわたしにあんな、ふたりで過ごした時間の話をしたの?」
 ニックはかすかな笑みを浮かべた。「あれはまったく男の自己中心主義だったな」
「でも――」
「スカイ、そのことはぼくよりもきみのほうがよくわかっていたはずだ」ニックは穏やかに言って、指でスカイの頬の涙を拭った。「それはそうと、あのウエディング・ドレスをどうしたのか、ぼくは知りたくてたまらなかったんだ」
 スカイは息を詰めた。この質問で、これまで胸に抱いていた一縷の望みが完全に断たれたからだ。
「どうもしていないわ」スカイはかすれた声で言った。「まだ母の家のクロゼットにかかったままよ。だけど、ケーキは小さく切って、小児病院に寄付したわ」
「それで少しは気分がすっきりしたならいいけど」
「そのときはすっきりしたわ。ニック……」スカイは言いかけてやめた。
「何だい?」
「あなたは――ゆうべ、わたしが多少は後悔しているはずだ、って言ったわね。でないと理屈に合わないって。だけど、あなたは少しも後悔していないようね」
「もしウィンのことを言っているのなら――」
「あなたとウィンのあいだには、ブライスとわたしの間柄以上のものがあるって、ウィンがはっきりと態度で示したわ」
「ぼくたちは同じ部屋を使っていないよ、スカイ」
「サリーが、結婚していない人たちにはべつべつの部屋を使ってもらうようにしている、って言っていたわ。そのうえで何かが起こっても、そこまではサリーにはどうもできないわ」
「じゃあ、きみは、ぼくが夜中にベランダ伝いにウィンの寝室へ忍び込んでいると、想像していたのかい?」ニックはおかしそうに言った。
「相手がウィンなら想像できないことじゃないわ」
「なるほど。だけど、ぼくはサリーの方針を尊重しているんでね」
「それで――残念じゃないの?」
「もちろん残念だ」ニックはまじめに言った。「だけど、何もないことに変わりはないよ」
 スカイの頬をまた涙が伝い落ちた。「それを聞いてほっとしたのか、その反対なのか、自分でもわからないわ」
 ニックは身をかがめ、彼女の唇に軽くキスした。「ブライスがだめだとしても、きみにふさわしい相手がどこかにいるよ。おかしな話だけど……きみがブライスにとても親切にしているのを見ると、きみはやっぱりぼくには過ぎた人だと思わずにいられないんだ」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

この本を読んだ人は、こんな本も読んでいます

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。