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プレイボーイ・ドクター 恋人はドクター

プレイボーイ・ドクター 恋人はドクター


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・リクエスト恋人はドクター
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 サラ・モーガン(Sarah Morgan)
 イギリスのウィルトシャー州生まれ。看護師としての訓練を受けたのち、医療関連のさまざまな仕事に携わり、その経験をもとにしてロマンス小説を書き始めた。すてきなビジネスマンと結婚し、小さな男の子が二人いる。子育てに追われながらも暇を見つけては執筆活動にいそしんでいる。アウトドアライフを愛し、とりわけスキーと散歩が大のお気に入り。

解説

 どうしてセブ・マコーレーがここに? 診療所で働くジョアンナは、新しく赴任してきた同僚に愕然とした。同じ大学で学んだセブは、裕福な家の出身で、学生時代から女性関係の噂が絶えなかった。プレイボーイの彼に田舎の診療所の医者など勤まるわけがない。自分とは正反対のセブに、ジョアンナは反発を覚えた。しかし彼は腕の立つ医師で、患者の受けもよかった。自分が誤解していたと認めざるをえなくなったころ、彼女は気づいた。セブに見つめられると、胸がどきどきする。おまけに、彼もジョアンナに気があるらしく、日に日に誘惑の度合いが増していった。その一方で、セブには毎日のように女性たちから電話があったが、彼はそのことをジョアンナにひた隠しにするのだった。

抄録

 一瞬、ジョアンナの目をじっと見つめたセブが、手を伸ばして髪に触れた。「君はきれいな髪をしている。美しい髪だ。下ろしておくべきだよ。どうしていつも引っつめているんだい?」
 美しい髪ですって? 彼は私の髪を、美しいと思っているの?
「まとめているほうが好きだからよ」ジョアンナは言いわけをしながら、セブに早く手をどけてほしかった。なぜだかわからないが、なんだか変な気分になる。「このほうが医者らしく見えるでしょう」
「君の鎧そのものだね?」そっと言って、セブがほつれたカールを優しい手つきでもてあそぶ。「仕事と同じだ」
「言っている意味がわからないわ。診察時間に遅れるわよ」ジョアンナは、セブが手をどけざるをえないように、座席に座ったまま体を引いた。
「診察時間か」セブは引き結んだ口元にふっと笑みをにじませて、じっとジョアンナを見た。「最後に楽しかったのはいつだい、ジョー? 馬に乗るときは別にして、最後に髪をほどいたのはいつだ?」
 できるだけ早くセブから逃れようと心に決めて、ジョアンナはドアの取っ手をさぐった。彼はセーターのほどけた毛糸の先を見つけたみたいに、私の人生を入念に解きほぐすつもりらしい。もし用心深く構えていなければ、守りの壁は完全に突き崩され、私は自分の感情をあからさまにさらすはめになるだろう。
 セブの問いを無視して、よろめくように車を降りたジョアンナは、砂利を踏みしめて駐車場を横切った。そして、ローラに挨拶をするときにちょっと立ちどまっただけで、自分の診察室へ駆けこんだ。
 たちまち、ドアはまた開けられた。セブが中に踏みこんできて、後ろ手にしっかり閉めた。
「ジョアンナ、聞いてくれ――」
「休戦協定を言いだしたのはあなたよ」安心できる机の後ろから、非難をこめてセブをにらみつける。
「あなたでしょう! 私があなたの生き方を批判しなければ、自分もしないと言ったのは」
「それはわかっている。しかし――」
「しかし、なに?」ジョアンナは挑むように顎を上げた。「どうしてあなたにルールを変える権利があるの? それは、あなたが私の人生を改善できると思っているからでしょう? 大事なことを言わせてもらうわ、ドクター・マコーレー。私は自分の人生に満足しているの。すべてにね。髪型も含めた今の全人生を気に入っているのよ」
「それだから、君は自分に欠けているものがわからないんだな」
 ジョアンナはいらだたしそうな視線をセブに投げかけて立ちあがり、すたすたとドアに向かった。
「私はなにかがなくて困ってはいないわ、セブ。あなたとおしゃべりをしているせいで、仕事を始められないという以外はね」
 心からの怒りをそのままぶつけたセブの声が響いた。「ジョアンナ、君は仕事のことしか頭にないのか?」
 言い返そうとしたジョアンナを、セブは唐突に自分の方に引き寄せ、あっと言う間に唇を奪った。まったくの不意打ちに、一瞬彼女は衝撃のあまり、その場で凍りついた。わかるのは、押しつけられた彼の引きしまった体と、からかい、そそのかす唇の感触だけだ。なじみのない感覚にとまどう中で、ジョアンナはセブの手が頬に触れるのを感じた。彼はさらにキスが深まるように優しく、だがしっかりと両手でジョアンナの顔を包んで上に向けた。それから、舌でそっと唇の間をなぞった。そのとき初めて彼女ははっと正気に返り、セブのふるまいへの怒りを声に出そうとした。なにをするのよ! そう言おうとして唇を開いたとたん、キスは濃密になり、彼女はたちまち膝から力が抜けていった。シャンパンをまるごと一本いっきに飲んだみたいに、足がふらつき、役に立たなかった。
 セブはゆっくりと徹底的にキスを浴びせた。ついに彼が唇を離したときには、ジョアンナはめまいがして、たしなめるどころか、視線を定めるのがやっとだった。こんなキスは本か映画の中だけで、現実にあるなんて思っていなかった。若い女性が夢見るようなキス。眠れる森の姫を目覚めさせるだろうキスだ。
 震える指でうずく唇に触れながら、ジョアンナはよろめきつつセブから離れた。
「いったいなにをしているの?」
「キスだよ、ジョアンナ。僕はキスをしたんだ」
 ジョアンナの鼓動が激しくなった。「それはわかっているわ。なぜかってきいているのよ」
「理由かい?」セブは言いよどんで、見知らぬ人を見るようにジョアンナをしげしげと眺めた。「君が仕事の話をするのをやめさせたかったからだ」
 ジョアンナはキスで引き起こされた奇妙な感覚をなだめるために、舌の先を唇に走らせた。「あなたは頭がおかしい……」
「僕が?」ジョアンナの口元に落ちたセブの視線が、見とれているみたいにいつまでもふっくらした唇から動かない。体中をある感覚が突き抜け、彼女は混乱してごくりと唾をのんだ。
「あの、今度私に仕事の話をやめさせたいときは、ただ話題を変えるだけにしてちょうだい」ジョアンナの声がかすれた。彼女の目をちらっと見たセブの瞳の奥が、奇妙な光をおびた。
「それが僕のしたことだと思うよ」セブは穏やかに言うと、きびすを返して部屋を出ていった。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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