マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・イマージュ

愛を確かめたくて

愛を確かめたくて


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 未評価
◆レビューを書く

¥0サンプル
購入する


著者プロフィール

 エイミー・アンドルーズ(Amy Andrews)
 オーストラリア生まれ。看護師としての専門的な興味からメディカルロマンスを読み始め、趣味でロマンス小説を書いていた母親の影響で、やがてみずからも執筆に挑戦。美しいブリスベーンの町に住み、夫と二人の子どもに囲まれた生活はとても幸せだと語る。ハスキーボイスの歌手、ビーチ、おいしい料理とワインに目がない。

 メリッサ・ジェイムズ(MELISSA JAMES)
 三人の子供の母親で、毎朝夫と一緒に地元の海岸でウォーキングと水泳をするスポーツウーマン。看護師、ウエイトレス、チョコレート販売員などさまざまな職業を経て、ロマンス小説家となる。映画『ダンシング・ヒーロー』に出てきた“恐れを抱いて生きる人間は、人生を半分しか楽しめない”という名言を心に留め、人生を楽しんでいる。オーストラリアのニューサウスウェールズ州在住。

解説

 「億万長者の忘れもの」エイミー・アンドルーズ
 ■ある夜、ジャッキーの家に別居中の夫ネイトが十年ぶりに現れた。車が故障したせいで土砂降りの雨の中を歩いてきたため、彼はひどい風邪をひき、高熱に苦しんでいる。しかたなくジャッキーはネイトを家に入れ、ソファに寝かせた。丸一日眠って目を覚ますと、彼は途方もない話を切り出した。

 「公爵の花嫁」メリッサ・ジェイムズ
 ■シドニーで働くマリはヨーロッパのヘレニア王国に来ていた。ヘレニア王国の末裔であることが判明したいとこが、壮麗な宮殿で結婚式を挙げたのだ。ところが、披露宴でマリは某国の俗悪な皇太子に言い寄られる。窮地に陥った彼女はライサンダーという男に助けられるが……。

 ■リッチなヒーローに翻弄されるヒロインの物語二編を収録する『愛を確かめたくて』。メリッサ・ジェイムズの「公爵の花嫁」は〈恋人たちの宮殿〉の関連作にもなっています。お見逃しなく!

抄録

 景色に見入るジャッキーを見ていると、この家によく似合うなどと思ってしまう。ばかな、そんなことを考えても無意味だ。彼女がここにいるのはほんの短期間で、またすぐ帰ってしまうのに――役割を終え、二人分の署名の入った離婚届を持って。
 だが最近、自分の人生には何かが足りないという気持ちに悩まされているのも事実だ。ジャッキーの家でシェップと再会し、足りないものはペットだろうかとも思った。だがこうしてジャッキーをわが家に迎えると、ネイトはよくわからなくなってきた。足りなかったのは彼女だろうか。彼女ではないにしても、人生をともに過ごす女性の存在か。
 十年ぶりの彼女の姿は昔見慣れたままだ。すらりとした上背、豊かな巻き毛、腕や太腿、ふくらはぎ、引きしまった腹部――この指先がすべて覚えている。こんなふうにシルエットになると、肩甲骨の角度や弧を描く背骨、くびれたウエストからヒップへの曲線がよく見える。ジャッキーがどんなキスが好きだったか、どこに触られるのが好きだったか、彼の腕の中で達する時どんな声をあげたか――覚えていないことは何一つない。病み上がりの体でも彼女に触れたくてたまらなくなる。ネイトは椅子の背をぎゅっとつかみ、必死で自分を抑えた。
 はるか昔に身を焦がした欲望の炎がこれほど大きく再燃し、二人の生き方の違いまで見えなくしてしまうとは。今でもきれいだし、多少は惹かれることもあるかと覚悟はしていた。だがもっと穏やかな、昔を懐かしむような感じだろうと思っていたのだ。
 ところが、これはなんだ。胸をわしづかみにされるような激しい所有欲。たとえ数週間でも彼女を再び自分のものにしたいという衝動。彼女と再会し、形ばかりのプラトニックな和解をして、すべて穏便に終わると自分をごまかしていた。穏便だって? とんでもない。この心は獣のように荒れ狂っている。
 ネイトはまばたきをして欲望の霧を追い払い、大きく息を吸ってからジャッキーに歩み寄った。「きみの荷物は主寝室に運んでおくよ」
 その言葉の前から、ジャッキーは背後の彼の存在に気づいていた。振り返らないまま彼女は言った。「あなたの寝室を明け渡してもらう必要はないわ」
 ネイトは努めて淡々とした声で言った。「そのつもりはないよ」
 彼の言葉の意味を理解するまで一瞬間が空いた。ジャッキーはゆっくりと振り向いた。胸が激しく震える。「あなたとベッドをともにする気はないわ」
 彼女の微動だにしない視線にさらされ、ネイトの鼓動も跳ね上がった。「よりを戻すとはどういうことだと思っていたんだ、ジャッキー?」
 ジャッキーは両手のこぶしを握りしめた。「話が違うわ。あなただってわかってるはずよ」
「必要なことだ」
「わたしにはそうは思えないわ」
 ネイトはさらに近づき、ジャッキーを窓際に追いつめた。肌の香りや震える息づかいまで感じられる近さだ。脈打つ喉もとに指を二本当てる。脈が狂ったように速くなり、ジャッキーの瞳孔が開いた。
 彼は笑った。「怖いのかい、ジャッキー?」
「怖いって、あなたが?」
 ネイトはかぶりを振った。「求めることが、だよ。昔の魔法を少しでも取り戻したいと思うことがだ」彼の指先が脈打つ部分で小さな円を描き始める。「きみだってぼくと同じぐらい求めているくせに」
 なんとか気持ちを静めようと、ジャッキーは肩をすくめた。「否定は心の平安に役立つのよ」
 ネイトは鼻で笑った。そんなヒッピーの禅問答など信じない。彼女の体が、唇が、目の前にあるのだ。あと一歩進めば、あの温かく柔らかい体に触れられる。全身の血が沸き返り、下腹部が硬くなる。
「お互い大人じゃないか、ジャッキー。書類上はまだ夫婦だし、よりを戻したという格好で一つ屋根の下にいる。ごく自然な流れだと思うよ」
 誘うような彼のささやきに、ジャッキーは目を閉じた。「それはちょっとやりすぎじゃない?」
「本当に愛し合ったほうが真実みが増すはずだ」
 彼がそう言うと、もっともらしく聞こえる。
 だめよ。なんてばかだったの、こんな話に乗るなんて。十年前も、別れたほうがいいと知りつつ、家を出るまで何年もかかったというのに。
 ジャッキーは目を開けた。「ちゃんとできるわ」
 ネイトはかぶりを振った。「だめだ。今のきみの目には……」彼はジャッキーの顔を両手で包み込み、その目を長い間じっと見つめた。「しぶしぶよりを戻したと書いてある。でも、こうすれば……」
 しばらく動きを止め、彼女の反応を見てから、ネイトはおもむろに顔を寄せた。軽くじらすように触れるだけのつもりだった。だが、唇が触れ合った瞬間、そんな良識は欲望の嵐の前に吹き飛んだ。ネイトは混乱に喜んで身を任せ、唇をむさぼった。
 合わせた唇の間でジャッキーがうめいた。ネイトは窓ガラスに彼女の体を押しつけ、その感触を心ゆくまで堪能した。ジャッキーのうなじを愛撫し、離れていたことなど忘れたかのように深く口づける。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

この本を読んだ人は、こんな本も読んでいます

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。