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片思い症候群

片思い症候群


発行: ハーレクイン
レーベル: ハーレクイン・イマージュ シリーズ: 片思い症候群
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 サラ・モーガン(Sarah Morgan)
 イギリスのウィルトシャー州生まれ。看護師としての訓練を受けたのち、医療関連のさまざまな仕事に携わり、その経験をもとにしてロマンス小説を書き始めた。すてきなビジネスマンと結婚し、小さな男の子が二人いる。子育てに追われながらも暇を見つけては執筆活動にいそしんでいる。アウトドアライフを愛し、とりわけスキーと散歩が大のお気に入り。

解説

 恋を謳い傷ついた少女は、大人になり、愛を秘める苦しさを知った。

 キーリーは16歳のとき、手ひどい失恋を経験した。家によく遊びに来ていた兄の友人ザックに熱を上げ、思いきって愛を告白したが、みごとに拒まれたのだった。以後、ザックは二度とキーリーの前に現れなくなり、彼女の心には癒やされない傷だけが残った。8年後、研修医となったキーリーは指導医師を見て愕然とする。今なおまぶたの裏に思い描いては胸を締めつけるザックの姿がそこに! キーリーは恋心がまったく衰えていないことを確信するが、彼は1年前に妻を亡くし、女性と真剣に付き合うつもりはないと知る。もう傷つきたくない。この想いは絶対に隠し通さなければ……。

 ■世界的人気を誇る作家サラ・モーガンが、初恋を踏みにじった男性と再会し、ふたたび“片思い”をこじらせるヒロインを描きました。ザックが2歳になる娘の世話に困っているのを見かねて、彼の家に住み込んで育児を手伝うことにするキーリー。秘密の恋の行方は?

抄録

 キーリーはすばやく階上へ行き、フィービーを風呂に入れて新しい綿のTシャツを着せた。また熱が出るといけないので厚着をさせず、同じ部屋のソファーに自分の寝床を作った。ザックは疲れていて泣き声に気づかないかもしれないが、自分は昨晩いちおういくらか眠れた。
 お話を二つ聞かせると、フィービーはベッドにもぐりこみ、親指をしゃぶってすぐに眠りに落ちた。
 キーリーはほっとして忍び足で部屋を出た。よかった! 散らかした浴室を片付け、ザックの部屋のドアを静かに開ける。大丈夫? 眠れたかしら?
 彼は片方の腕を額にのせ、安定した呼吸で仰向けに寝ている。キーリーは胸が締めつけられた。上掛けをめくる気力さえなかったのだ。部屋着の前がはだけて黒い胸毛に覆われたたくましい胸が見える。
 このままでは、かぜをひいてしまう。
 手を伸ばして部屋着をかぶせながら口が干上がる。指が温かい肌をかすめた瞬間、火傷したかのように手を引っこめた。ザックに触れたいという思いの強さに驚き、こぶしを握りしめて衝動を抑える。二度とザックを好きになってはいけない。ここに来たのは手伝うためで、またばかなまねをするためではない。あんなふるまいをしたのはもう昔のことだ。
 羽毛布団の端を恐る恐る持ち上げてザックにかけようとしたが、体の下敷きになっていて動かない。
 他の部屋に毛布があるかもしれない。
 無精髭の目立つ顎から目をそらして他の部屋を探し、予備の羽毛布団を見つけてそれをかけた。
 それからもう一度フィービーの様子を見て台所を片付け、寝ることにした。とんでもなく早い時間だが、夜中にフィービーがむずかるかもしれないので眠れる間に眠っておきたい。

 彼女は子供部屋にいた。ザックはドア口に立ち、ソファーで寝ている華奢な女性の姿を見つめた。
 目を覚ましてすぐにフィービーの部屋へ様子を見に来たあと、家中キーリーを探しまわった。娘の部屋のソファーで寝ていたとは気づかなかった。どうしてそんなことをするのだろう?
 なぜ客用寝室でゆったり眠り、娘の泣き声に耳をそばだてる役をぼくに任せてしまわないのか? どうしてわざわざぼくに羽毛布団をかけたのか?
 キーリーはそういう女性だからだ。温かく優しい。本当に人を思いやれるのだ。
 ザックはため息をついてキーリーを眺める贅沢を満喫した。とてもきれいだ。今風にカットした金髪がよく似合い、細く長い脚がソファーの上で縮こまっている。そして夢の中でも微笑んでいる。ひどく幼く傷つきやすく見える。子供扱いするとぼくを責めたが、そのとおりだ。子供扱いしている。そうしないと女性として扱うことになるからだ。もし女性として扱えば……。
 キーリーのことをそんなふうに考えてはいけない。
 するとキーリーが目覚め、こちらを見て驚いた。「ああ、びっくりした!」
 ザックはその静かなささやきに微笑み、ソファーに近づいてしゃがんだ。「こんなところで寝たら腰が痛くなるぞ。客用寝室に行って寝るといい」
 キーリーは子供のように目をこすり、あくびを噛みころした。「今、何時?」
「一時だよ。きみのおかげで八時間中断なしで眠れたから、今度はきみが休む番だ」
 キーリーは首を振った。「わたしなら大丈夫。フィービーもね。寝る前にパラセタモールと牛乳を飲んだし、問題はなさそうよ。一度も目を覚ましていないわ。暖めすぎないように、羽毛布団の代わりに毛布をかけたの」
 なんでもよく考えている。
 ザックはなじみのない興奮に胸をつかれた。手を上げてかわいい顔にかかった誘うような金髪をなでながら、彼女に対して感じているのはただの感謝だと自分に言い聞かせる。
 触れられたキーリーは凍りつき、罠にかかったうさぎのような目で彼を見つめた。「ザック?」
 髪は柔らかく官能的で、ずっと触っていたくなる。
 寝ぼけたキーリーはひどく愛らしい。見上げる青い大きな目は焦点が合わず戸惑っている。
 理解を超えた衝動に突き動かされ、あとひと息のところまで顔を近づけたが、ザックは誘惑に抗い、分別の声に耳を傾けようと最後の努力を試みた。
 キーリーの大きな目に疑問が浮かぶのを見ながら唇を重ねる。男が女にする本当のキスだ。
 キーリーは大人の女性だ。今それを知った。
 もう知らないふりはできない。
 キスに対する反応に子供じみたところはない。女性らしく熱烈なこたえ方に、おなかが締めつけられ、心臓が早鐘を打つ。唇の官能的な感触と味わいに陶酔しながら、キスを深めていく。
 キーリーにキスしている。
 考えることさえ自分に許さなかったのに。ずっと触れてはいけない存在だった。友達の妹だった。
 だが、キーリーはもう子供ではない……。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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