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砂漠の王子に捨てられて

砂漠の王子に捨てられて


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 クリスティーナ・ホリス(Christina Hollis)
 イギリスのバース近くで生まれた。初めて鉛筆を手にしたときから文を書きはじめ、三匹の子犬の物語を書いたという。ブラインドデートで互いに一目惚れをした夫と出会って数カ月後に結婚し、二人の子供をもうけたあと、大学の創作クラスで学んだ。その講師だったある詩人に、小説を本格的に書くことを勧められた。古いコテージで子供を育てる自分の生活とは対極とも言えるロマンス小説が大好きだと語る。

解説

 これはロイヤル・キスという魔法なの?
 プリンスの口づけに、彼女の体はとろけた。

 仕事も私生活もどん底状態にあったアリッサのもとに、ある日信じがたい仕事が舞い込んだ。ロサラ王国の摂政が甥のナニーとして彼女を指名してきたのだ。気がかりなのはその摂政――プリンス・ライサンダーが、つい最近まで女たらしとして悪名を轟かせていたことだった。ところが、恐る恐る王室の別荘に出向いたアリッサは、ひと目見るなりエキゾティックなライサンダーの虜になってしまう。しかも彼はその夜、きみには手を出さないと誓ったそばから、アリッサの唇を強引に奪ったのだ。陶然とする彼女の頭の片隅で警鐘が鳴った。彼は危険すぎるわ。

抄録

「ありがとうございます」アリッサは彼の腕に手をかけた。「でも、完全にあなたの言葉を信じたわけではありませんから」
 先に言っておいてよかったわ。手をかけたとき、薄いジャケットの生地越しに彼の熱く男らしい体を感じ、アリッサは体の芯まで震えるほどの衝撃を覚えた。この黒髪の見知らぬ男性と、いつまでもこうしてたたずんでいたい。だが、ライサンダーの考えは違った。アリッサが最も無防備なこの瞬間、彼は自分の優位さを利用することもなくドアに向かって歩きだした。
「話題を仕事に戻したら、少しは僕に対する警戒心を解いてくれるかな?」
 彼の問いに、アリッサは警戒気味に答えた。「それは誰の仕事について話すかによります。あなたのか、私のか?」
「もちろん、君の仕事だ。僕は今や、ライドがみんなが警告するような怪物ではないことを知った。あの子を育てるにあたって、この先、僕はもっと積極的に関わっていきたいと思う」
 彼は注意深く言葉を選んで話している、とアリッサは思った。ライドは子どもながらひどくうぬぼれているので、女性に誘惑されるたびにそちらに気持ちがそれる気まぐれな叔父に助けてもらおうとは思わないだろう。一方、動機はなんであれ、ライサンダーがライドと親しくなる機会を妨げたくはなかった。苦い経験によって、プロとしての助言を無視したり興味を持ったりしない人より、こちらのやり方に賛同してくれる人のほうがましなことを、アリッサは知っていた。
「ライドにはあなたのほかに近親者がいないとおっしゃいましたね。彼には、親の代わりに愛情や関心を注いでくれる人が必要です。もしあなたがそれを提供してくださるなら、すばらしいことです。喜んであなたのお手伝いをします」アリッサは用心深く続けた。「ですが、あくまでもご負担にならない程度で。手始めに、ライドと毎日お茶を召し上がったらいかがですか? あらかじめ可能な時間をスケジュールに入れるほうがいいと思います。最初にちやほやしたあと、あなたに別の用事ができて放っておかれたのでは困りますから」
「そうだ。約束を反故にする者は我慢できない」
 アリッサはすばやく彼を見た。「感動的だわ」
「そう言うだけの根拠があるんだ」ライサンダーはそう言ったものの、育児棟と本館の境にある部屋の入口に着くまで、それ以上の説明はしなかった。「さあ、ここだ。ここが君の部屋への正面入口だ。約束どおりこれ以上は行かないよ」
「ありがとうございます。なんのお約束もしませんでしたから、ここでおやすみなさいを言っても、がっかりなさいませんよね」アリッサは言い、彼の腕にかけていた手を引っこめた。部屋に入るなり、彼が入ってこられないようすばやく向き直る。
「約束を守らなかった者について考えていた。僕との約束を」ライサンダーは考え深げに言った。「こんなことは言いにくいが、実際、君が必要だ」
 アリッサは警戒し、もう一歩下がってドアを閉めようとした。だが、それより一瞬早く、彼がドアの縁をつかんだ。
「君を困らせるつもりはなかったし、ちょっかいを出しているわけでもない。つまり、プロとしての君が必要なんだ。何しろ僕は子育てには疎いからな」
 ライサンダーが本気で心を痛めているような言い方をしたので、アリッサは声をあげて笑った。「あなたも子どもだった時期があることを忘れないで」
「わかっているし、よく覚えてもいる。正直、世話は君のような専門家に任せ、遊び相手としてライドと会いたいくらいだ」ライサンダーは心から言った。
 アリッサは心を動かされ、反射的に手を伸ばして彼の腕を軽くたたいた。
「何もしないよりましだわ。それに、今ライドは遊び相手として叔父さんが必要かもしれません。きっとすばらしい効果が得られるでしょう」
「君と一緒に世話をするのだから、完璧に決まっている」
 低くつぶやくようなライサンダーの声はすべての可能性を暗示していた。アリッサが身を硬くすると、彼はドアにかけていた手をポケットに入れた。
 つかの間、アリッサはこのまま彼の鼻先でドアを閉めようかと思った。だが、できなかった。ライサンダーはぴくりとも動かない。その静止した姿は、謎めいた漆黒の瞳と同じく刺激的だった。これから何が起こるか、アリッサははっきりとわかったが、それでも心待ちにせずにはいられなかった。
 ライサンダーは無言でゆっくりと彼女に手を伸ばした。アリッサが抵抗しないと見るや、彼女を抱き寄せてキスをした。そのとたん、アリッサはすべてを忘れた。そして本当のプレイボーイの手に落ちたことに気づいた。胸を引き裂かれる思いで、アリッサは彼の抱擁から抜け出そうとした。
「ライサンダー! ドアまで送ってくださるだけだと約束したじゃありませんか」
 無意識のうちにアリッサは部屋の外に出ていた。
 ライサンダーはすでにそっけない態度でアリッサから離れようとしていた。「約束は守る。このキスはそのあかしだ。まさしく」
 ライサンダーがきびすを返して去っていく。アリッサは、足に根が生えたようにその場に立ちすくんでいた。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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