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秘密のコテージ 伯爵夫人の縁結び I

秘密のコテージ 伯爵夫人の縁結び I


発行: ハーレクイン
レーベル: MIRA文庫mirabooks シリーズ: 伯爵夫人の縁結び
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆1
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著者プロフィール

 キャンディス・キャンプ(Candace Camp)
 新聞社に勤める両親のもとに生まれ、10歳で始めたというお話作りはキャンディスにとってリラックスの手段だった。シャイで話し下手だった彼女は文章にすると自分の考えや思いを素直に表すことができた。

解説

 未亡人ながら変わらぬ美貌で、社交界の名花であり続けるフランチェスカにはひとつの才覚があった。それは、恋に不慣れな男女の縁談をとりまとめること。あるパーティの席、旧知のロックフォード公爵に挑発された彼女は、勢いで彼と賭をしてしまう――このシーズンが終わるまでに、彼が選んだ女性を婚約させてみせる、と。そして公爵が指さしたのは、父の看病で行き遅れ、財産もなくて壁の花となっている冴えない令嬢コンスタンスだった。ところがフランチェスカの思惑に反し、コンスタンスは予想外の男性と恋に落ちてしまい……。

抄録

「熱心に求められるのを喜ぶ殿方もいるでしょうに」
 彼は肩をすくめた。「たぶん……ぼくの称号ではなく、ぼく自身を求めてくれるならね」
 いいえ、レイトン卿は称号以外にもたくさんの魅力を買われて、追いかけられているに違いないわ、とコンスタンスは思った。なんといっても、すばらしくハンサムなうえにとてもチャーミングだもの。だがもちろん、そんなことはとても恥ずかしくて口に出せない。
 彼女がためらっていると、彼はこう言った。「それで、きみの叔母さんは、誰のために夫を探しているんだい?」彼はコンスタンスの結婚指輪のない手をちらりと見た。「きみではなさそうだ。もしもそうなら、すぐに見つかるだろうから」
「ええ、違うわ。わたしはとうに婚期を過ぎているもの」コンスタンスはかすかな笑みを浮かべ、この言葉をやわらげた。「わたしがここにいるのは、いとこたちに付き添う手助けをするため。ふたりとも社交界にデビューしたんですの」
「付き添いだって?」彼は片方の眉を上げ、ほほえんだ。「ばかげて聞こえたら許してほしいが、きみは付き添いになるには美しすぎる。叔母さんには気の毒だが、そのお嬢さんたちの求婚者は、きみに会いに来ることになるな」
「まあ、お世辞が上手だこと」コンスタンスはちらっとドアに目をやった。「そろそろ行かなくては」
「ぼくを見捨てて? まだいいじゃないか。あと少しぐらいきみがいなくても、そのいとこたちは生きのびるよ」
 正直に言えば、コンスタンスも立ち去りがたかった。ハンサムな子爵と軽いやりとりをしているほうが、いとこたちの後ろに立って、ほかの人々が話し、楽しげに笑うのを見ているよりもはるかに楽しい。だが、そろそろ戻らないと、ブランチ叔母が捜しに来るに違いない。この部屋に見知らぬ男とふたりきりでいるところを、ブランチ叔母に見られたくなかった。それに叔母がレイトン卿と会い、彼を追いかける母親たちのひとりになるのはもっといやだ。
「ええ、たしかに。でも、いつまでも義務を怠るわけにもいきませんもの」彼女は片手を差しだした。「ごきげんよう」
「ミス・ウッドリー」彼はその手を取り、笑顔で彼女を見下ろした。「きみはぼくの夜をかなり明るくしてくれた」
 コンスタンスはにっこり笑った。自分ではまったく気づいていなかったが、思いがけぬ楽しいひとときにグレーの瞳がきらめき、頬が薔薇色に上気して、彼女はとても美しく見えた。地味なドレスと髪型さえ、その美しさを隠すことはできなかった。
 レイトン卿は彼女の手をすぐに放そうとはせず、じっと見つめている。それから、ついとかがみこんで唇を重ねてきた。
 コンスタンスはぎょっとして、体をこわばらせた。あまりにも予期せぬ展開に、とっさに身を引くことができず、少したつと離れがたくなった。彼の唇が軽く、やわらかく、彼女の唇に触れてくる。羽根のようなキスだったが、全身がちりちりした。そろそろ離れるわ。コンスタンスがそう思ったとき、驚いたことに彼はキスを深め、唇を強く押しつけて、やさしく、巧みに、彼女の唇を開かせてしまった。コンスタンスは本能的に両手を彼の胸に当てた。激怒して、突き飛ばすために。ええ、そうすべきだということはちゃんとわかっていた。
 だが、思いがけない快感に襲われて、気がつくとジャケットの襟をつかんで、しがみついていた。レイトン卿は腕を腰にまわして彼女を引き寄せながら、もうひとつの手をうなじに当て、むさぼるようなキスを続けた。
 いまにも膝の力が抜けそうだったから、彼の支えはありがたかった。実際、体に力がこもらなくなり、このままとけてしまいそうになる。こんな経験は初めてだった。十九歳でガレス・ハミルトンに恋をしていたときでさえ、こんなふうに自分を抑えられなくなったことは一度もない。ガレスにキスされ、プロポーズされたときは、夢のように甘いひとときに酔ったものだった。病の重くなった父を看病するために断るしかなかったときは、そのせいでよけいつらかった。だが、レイトン卿の抱擁は甘いどころか、激しくて、容赦ないと言ってもいいくらい。彼のキスは火傷しそうなほど熱かった。それに彼のことはほとんど知らないのに、こんなにも体が震え、まるで理性が働かない。
 レイトン卿が顔を上げた。ふたりとも自分では認めたくないほど心を乱されて、少しのあいだはただ見つめあっていた。やがて彼は息を吸いこみ、一歩さがって、コンスタンスを放した。コンスタンスは何も言えずに目をみひらき、彼を見つめた。それからきびすを返して急いで部屋を出た。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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