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愛を知ったブリジット

愛を知ったブリジット


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆1
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著者プロフィール

 キャロル・マリネッリ(Carol Marinelli)
 イギリスで看護教育を受け、その後救急外来に長年勤務する。バックパックを背負っての旅行中に芽生えたロマンスを経て結婚し、オーストラリアに移り住む。現在も三人の子供とともに住むオーストラリアは彼女にとって第二の故郷になっているという。

解説

 幼い甥のために滅私の日々。
 それが私の人生と思っていたけれど……。

 10代で未婚の母となった妹が転がりこんできて以来、ブリジットは小さな甥の母親代わりをしている。派遣の仕事をしながら懸命に幼子を育てる彼女を気遣い、ある夜、親友が仲間うちのパーティに招待してくれた。しかし周囲とのギャップを埋められず疎外感を覚えていると、遅れてやってきた小児科医のドミニクを紹介される――女性の視線を釘付けにする彼は、セクシーを絵に描いたような独身貴族だ。不思議と意気投合し、気づけば二人は自然にベッドをともにしていた。だがかつて愛に裏切られたブリジットは、この恋は一夜限りと自分を戒め、翌朝、理由も告げずに彼のもとを去ったが……。

 ■年の離れたわがままな妹の親代わりをし、その妹が産んだ小さな甥の面倒を今また見ている苦労人ヒロイン。かつて恋人から手ひどい裏切りをされた彼女が本物の愛を見つけるまでの切ない恋物語を、HQロマンスの人気作家C・マリネッリが情感豊かに描いた秀作です。

抄録

 メルボルンに来た当初はきっと時間がたつのが遅いはずだと思っていたのに、ブリジットの家に続く海岸道路を走っている今は、たぶん普段なら十五分はかかる道が、まだ八分しか走っていないにもかかわらずもう終わりかけているのが不思議だった。それでもまだ話は尽きず、笑いも絶えない。車が二人の時間をどんどん貪り食っているかのようだ。
「絶対に見るべきよ」ブリジットはインターネットで見つけた信じられないほど面白いサイトの話をしている。「今夜パソコンを開いたら……」ダッシュボードの時計を見ると、もうすぐ二時だ。「というか、今日の朝ね」
「君も見るならね」ドミニクはにやりとした。「そうすれば、僕たちは同時に同じものを見ることになる……」彼はハンドルを握る指に力を込め、突然頭に浮かんだ考えを口に出すなと自分に命じた。幸い、それは頭の中にとどまり、彼女の耳に届かずにすんだ。
「今はネットにつなげないの」ブリジットは口ごもり、彼と同じようなことを考えまいとした。「ウイルスに感染してしまって」さっとドミニクに顔を向ける。「パソコンのことよ。私じゃなくて……」いったい何を言ってるの? 彼女はほてった顔をそむけて窓の外を見た。どうして何を考えても彼とのセックスにつながるの?「とにかく、見るべきよ」
 ロータリーが近づいていた。フラットの手前にある最後のロータリーだ。これが二人にとって最後のチャンスとなる。ブリジットはそんな焦りにも似た思いに駆られ、ドミニクの端整な横顔とハンドルを握るオリーブ色の手を盗み見た。これでは、すばらしい映画のラストを見ずに途中で映画館をあとにするようなものじゃない? 彼みたいな男性と愛し合ったらどんな感じがするかしら? 想像でなく、ちゃんと知りたい。男性とつき合うのだけはごめんだとジャスミンに言ったときは本気だった。でも、もしかしたらこういうやり方でなら……。
「二人で見るべきだわ」
「君のパソコンは使えないんだろう?」ドミニクが指摘した。
「あなたのは使えるでしょう?」右折のウインカーが点滅する倍の速さで胸が高鳴っている。
「ブリジット……」ドミニクはやはり、信じられないほどいい人だ。しっかりと確かめるまでロータリーを三回もまわっている。「後悔してほしくないんだ」あくまでも率直に言う。「僕は二週間後にはここを発つんだよ」
「後悔しないわ」絶対に、とブリジットは決心した。「よく考えたうえで、そうしなかったら、そのほうがうんと後悔するとわかったの」彼女はにっこりほほ笑んでみせた。「今夜そうしたいの」
 ブリジットはそうした。ドミニクは優しかった。すぐに車を飛ばして家に連れ帰ったりはしなかった。そのすべてをちゃんと思い出せるかどうかわからないほど何もかもがすばらしかった。きっとあとで何度も思い出そうとするに違いないけれど。
 ドミニクが振り向いて“さっき約束したキスは、うちに帰るまで待てないよ”と言ったとき、その瞬間を永遠にとどめておきたいと思った。展望台で車をとめ、ボンネットに寄りかかって光り輝く港の夜景を眺めたときのことはいつまでも覚えておきたかった。あのひとときを瓶詰めにしたいくらいだ。あのときの私はコートニーに怒りも感じていなかったし、ハリーを心配してもいなかった。すべてうまくいっていると思えるような落ち着きと安らぎをわずかでも感じたのは何年ぶりだろう。
 いえ、落ち着いてはいなかったわ。彼の顔が近づいてきたとき、いつもとは違う種類の緊張を感じたから。私はどきどきしどおしだったけれど、とてもすてきなキスだった。彼にキスされるうちに、固く締めつけられていた私の心がほぐれていった。それはひと晩かけて成就したキスだった。初めて紹介されたときから求めていたキス。そして彼の唇が、僕も同じことを望んでいたと語っていた。
「僕は一杯だけ飲んで帰るつもりだった……」ドミニクが体を押しつけながら、耳元でささやいた。
「私はもう帰るところだったわ」彼の顔がまた目の前に近づいてきたとき、ブリジットは認めた。
「ところが今の僕たちは……」
 またキス。あのとてもすてきなキスをもう一度。
「いい匂いがするわ」正直でいられるのが、ドミニクのことだけ考えていられるのがうれしかった。外見と同じように彼は香りまですばらしく、キスの味も最高だ。このドレス、絶対にクリーニングには出さないわ。彼の香りに包まれながら、そう思った。
 彼の唇が首筋をさまよう。ドミニクは、美容院の高級シャンプーの香りにまぎれる前に彼女が吹きつけた香水の残り香と、温かな女性らしい匂いを吸い込んだ。
「君もいい匂いだ」
「あなたのキスもすてきな味」ブリジットは言い、今度は自分からキスを求めた。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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