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友情の証…愛の証

友情の証…愛の証


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ミシェル・ダグラス(Michelle Douglas)
 8歳のときに将来の夢を訊かれて、すでに「作家」と答えていた。チョコレートを隠し持つヒロイン、笑い方を知っているヒーロー、そしてハッピーエンドをこよなく愛する。全米読者選賞、ロマンティックタイムズの批評家選賞のほか、オーストラリアで“ロマンス界のアカデミー賞”と称されるRUBY賞にもノミネートされた、いま注目の作家。オーストラリア東海岸のニューキャッスル郊外に、夫とともに住んでいる。

解説

 子供の父親にはなりたいのに、私の夫にはなりたくないなんて……。

 「私に精子を提供してくれない?」子供が産めなくなる恐れがあると医師に言われたメグは、一刻も早く妊娠したくて、親友のベンに人工授精の話を切り出した。彼が結婚や愛の絆を信じていないことは、むろん承知している。仕事で世界中を飛びまわる身に妻や子供など必要ないのだ。生まれてくる子の養育に責任を負わなくていいという条件で、メグはなんとか彼の協力を取りつけた。ところが、メグが妊娠の成功を報告するやいなや、ベンが飛んできて、信じられないことを言い放った。「僕はその子の人生に、父親としてかかわりたい!」

 ■『ボスと秘書の小さな絆』で鮮やかな日本デビューを飾った、HQイマージュの大型新人M・ダグラス。今回お届けするのは、念願の赤ちゃんを授かったメグの物語です。急に態度を翻したベンですが、依然、独身主義を返上するつもりはなさそうで……。

抄録

「なんて言ったらいいのかわからないわ。たぶん、うまく表せる言葉はないのね。でも、見ず知らずの人の子供を身ごもるのは間違っているような気がするの。だから、よく知っているあなたの最高の遺伝子が欲しいのよ」
 ベンはメグを見据えたまま、肘を膝にのせた。「父親としての責任は何も負わなくていいんだね?」
「もちろんよ! そんなふうにあなたが負担を感じるのなら、今すぐこの話は終わりにしましょう」
 匿名の提供者から精子をもらって子供をもうけるだって? それでも構わないかもしれないが、つねに心の片隅で不安を抱えることになるのはわかる。
 僕に頼むのは単純な理由からだ。メグは僕を信頼している。それに、僕もメグを信頼していると彼女はわかっている。僕が責任を負うことを巧みに避けていることも知っている。メグは自分が求めているものを心得ている。僕が提案を受け入れた場合に、何を得られるのかを承知しているのだ。
「白状するわ。まったくほめられたことじゃないんだけど」メグが肘掛けに体をもたせかけて両脚を伸ばすと、片脚がベンの膝に触れた。「子宮内膜症の症状が現れなくなるのが本気で待ち遠しいの」
 メグの言葉はすぐにベンの耳には届かなかった。メグの脚線に目が釘づけになり、十年前にタイムスリップしていたからだ。メグが美しい女性に成長したと気づいてしまったあの瞬間。メグを慰めるつもりが、一目で情熱に火をつけられたあの夜。
 思い出すと体じゅうに冷気が走る。あの記憶は永遠に頭の中から消去したつもりだった。人生最大の過ちを犯し、もっとも大切にしているメグとの友情をぶち壊しかけたのだ。ベンはかぶりを振った。心臓が突然早鐘を打つ。今思い出すなんて愚かだ。忘れるんだ!
 そして、やっとメグの発した言葉がのみ込めた。メグに触れないよう気をつけて前かがみになる。「今、なんて言ったんだい?」
「妊娠中は症状が現れないのよ。しかも、出産で治るかもしれないの」
 もし僕が求めに応じれば、メグは妊娠できるだけでなく、二度と症状に苦しまずにすむかもしれないというのか。
 大声で賛成の意を表しそうになったが、防衛本能がそれを押しとどめた。二人の考えに食い違いがないようにしておきたかった。
「整理させてくれ。お互い、同じ認識を持っていると確認しておきたい。もし精子を提供するとしても、僕は完全に匿名でいたい。誰にも知られたくないんだ。その子にも知ってほしくない。君が精子バンクに行って提供を受けたのと同じようにしたい」
「すべての精子バンクが匿名の精子を提供しているわけじゃないのよ」メグは肩をすくめた。「でも、あなたは名を伏せたがるだろうとは思っていたわ」
 彼女の読みは正しい。もしも生まれた子が父親を知ってしまったら、あらぬ期待を持つかもしれないのだ。僕はその期待に添うことはない。
「それに、生まれてくる子は君の子だ、メグ。僕の役目は精子を提供するだけ。そうだね?」
「もちろんよ」
「僕はその子にとって仲のいいおじさんになる。それだけだね」
「ええ」
 メグはすばらしい母親になるし、子供を持つという夢を叶える機会を与えられてしかるべきだ。それに、メグは僕が与えられないものは求めていない。
 ベンは立ちあがった。「いいよ。できる限り手を貸そう」
 メグはさっと立ちあがった。胸が躍り、嬉しくて宙に浮きあがってしまいそうだった。
 前に進み出て、親友の身長百九十センチのたくましい体に腕をまわした。「ありがとう、ベン! ありがとう!」
 大好きな愛しいベン。
 ベンの体温が伝わり、メグはすぐに体を後ろへ引いた。鍛えられた筋肉と熱を帯びた皮膚の奥にある、みなぎる英気と生命力をまざまざと感じたのだ。ベンの短い帰省のたびにいつも経験する感覚だ。
 胸がおかしな鼓動を打ち、メグは自分の体を腕で包んだ。赤ちゃんを産める!
 だが、さらに後ずさって、高揚する気持ちをのみ込んだ。「ゆっくり考えなくて大丈夫なの?」こんなに大事なことを急いで決めさせようとは思わない。納得したうえで決断してほしい。
 ベンはかぶりを振った。「必要な情報はすべてあるよ。それに、君がすてきなママになることはわかっている。君は僕について必要なことは全部知っているしね。シングルマザーになることに満足なら、喜んで力添えするよ」
 メグはもう一度自分を抱きしめた。おめでたいほど満面の笑みを浮かべていることはわかっていたが、どうしようもなかった。「これが私にとってどれほどの意味を持つか、わからないでしょうね」
「わかっているさ」
 たぶん彼はちゃんとわかっている。ベンが返した笑みにメグは心が和らぐのを感じ、過ちのキスの記憶が体を駆け抜けた。ベンのそばで気持ちが高まるといつも思い出してしまう。メグはため息をかみころした。あのキスのことは必死で忘れようとしてきたのに、十年たった今も記憶から消えない。
 メグは体を硬くした。覚えているからといって、もう一度キスしたいわけじゃないわ!

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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