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マイ・ファーストラブ

マイ・ファーストラブ


発行: ハーレクイン
レーベル: MIRA文庫mirabooks
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆1
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著者プロフィール

 シャロン・サラ(Sharon Sala)
 強く気高い正義のヒーローを好んで描き、業界のみならず読者からも絶大な賞賛を得る実力派作家。息子と娘、それに孫が四人いる。“愛も含め、持つ者は与えねばならない。与えれば百倍になって返ってくる”が信条。ダイナ・マコール名義の著書も出版されている。

解説

 夜空に消えゆく流れ星は、あの日なくした恋を思いださせる――
 癒しの作家S・サラが“永遠の愛”を綴った、渾身作。

 高校時代、同級生のリンクと恋に落ちたメグ。だが、放課後のデートやぎこちないキス、星空の下での逢瀬を重ねる幸せな日々は、ある日起きた惨劇によって失われた――彼が、父親を殺した容疑で逮捕されたのだ。無実の訴えもむなしくリンクは有罪に。以降、メグの前に姿を見せることはなかった。あれから十数年、そのリンクが突然、故郷に戻ってくる。あどけなかった少年の面影はなく、圧倒的な存在感を漂わせる会社経営者となって。どうして今になって帰ってきたの……? リンクを忘れられずにいたメグは、動揺を隠せなかった。

 ■読者人気No.1、癒しの作家シャロン・サラが“永遠の愛”をテーマに綴った渾身作です。高校時代、恋人同士だったメグとリンクですが、幸せな日々を引き裂いたのはリンクの父親の死。しかも、まだ幼かったリンクに父親殺しの容疑がかけられたのです。手のひらを返すように周囲から冷たい目で見られ、無実の訴えむなしく逮捕――連行されるリンクの姿を、彼を信じ続けたメグは泣きながら見送るしかできませんでした。物語はそれから十数年後、事件の真相を探るためリンクが故郷に帰ってきたことで幕を開けます。ついに再会を果たす二人ですが、歳月が生んだ戸惑いともどかしさは隠せず……。手に汗握る事件の謎と、甘く切ないロマンスが絶妙にマッチした本作。これぞシャロン・サラの真骨頂です。本作に登場するメグの弟ライアルの話は『マイ・ラブレター』で、クィンの話は『マイ・スイートガール』でお楽しみいただけます。

抄録

 メグは不思議そうにリンクを見た。「そこまで成功していながら、あなたはこっちへ帰ってきた。いまになって、なぜなの?」
 理由を説明しても、実際にその目で見ないことにはメグは信じないだろう。リンクは手にしていた袋を置くと、コートを脱ぎ、シャツのボタンをはずしはじめた。
「待って! わたし――」
「そうじゃないんだ」リンクは最後のボタンをはずすと、シャツをテーブルの上へ放った。
 メグは息をのんだ。彼の胸には、あまりにも無惨な傷跡がくっきりと刻まれていた。
「足の裏にもある」
「リンク! ねえ、いったい何があったの?」
「感電したんだ。仕事中の事故で。心肺停止状態が四分続いた。気がついたら病院のベッドの上だった。ひどい火傷を負って」
 うろたえ、メグの目に涙があふれた。「いつ?」
「半年ほど前。その後、療養中に夢を見たんだ。父が出てきて、レベルリッジへ帰れと言うんだけど、同じ夢を何度も何度も見るものだから、そのために自分は生き返ったんだと考えざるを得なくなった。父を殺した真犯人を突き止めて、身の潔白を証明しなければいけないと思った。回復するのにしばらくかかったし、そのあとも会社の体制を整える時間が必要だったが、それが終わるとすぐにケンタッキーを目指した。そして……そう、いまぼくはここにいる」
 メグは傷跡を凝視しつづけた。いったいどれほどの苦痛に彼は耐えたのだろう。「なんと言えばいいのかわからないわ。言葉が出ない」
 リンクがシャツを手に取った。「“おかえり”とだけ言ってもらえれば、それでじゅうぶんだ」
 メグは震える息を吸いこんだ。
「おかえりなさい、リンク」
「ただいま」彼は袋に視線を移した。「開けてもいいかな?」
 メグはうなずいた。
 結び目をほどいて袋の口を開けたリンクは、中身をそっと取りだした。出てきたのは、青と白の二色だけが使われたキルトだった。彼は手のひらで表面を撫で、細かいステッチを指先でなぞった。
「メグ! すごくきれいだ!」
「ありがとう。作りたてのほやほやよ」
 リンクは驚いた顔になった。「きみが作ったの?」
「あなたが家を建てるように、わたしはキルトを作るのよ」
「売るために?」
 メグは肩をすくめた。「たいしたお金にはならないけど、大金が必要なわけじゃないから。自分ひとり食べていけるぐらいの収入にはなるわ」
「これはすばらしいよ。ベッドカバーとして使わせてもらいたいな。常に目に入るように。ちょうど新しいのが欲しかったんだ」
 リンクはキルトをベッドのところへ持っていき、シーツと毛布の上に広げた。彼がその図柄の醍醐味に気づいたのは、初めて全体像を見たこのときだった。
「すごいじゃないか! まるで本当に波がうねっているみたいだ」
 メグは微笑んだ。そこが苦労した点だったから、わかってもらえて嬉しかった。
「祖母の遺品のなかから見つけたパターンなの。初めて作ったわ。海の嵐、という名前なのよ」
 リンクはキルトに目を戻した。逆巻く波が見事に布の上に再現されている。「なるほど、確かに」彼は口元に皮肉っぽい笑いを浮かべた。「ぼくの行く手に待ち受けているものを考えれば、これは最適な選択だ」
 メグは眉をひそめた。「そんなつもりじゃないわ。もしほかのがよければ――」
 リンクがメグの腕に手を触れて遮った。「いや、これがいい。いちばんいい。それに……驚くなかれ、このベッドのサイズにぴったりだ」
 あらためてベッドを見たメグは、その大きさにぎょっとした。「わたしの作るキルトはだいたいが大きめなんだけど、それが功を奏したのね。こんなサイズのベッド、どこで手に入れたの?」
 リンクはにやりとした。「ここまで大きな既製品はないよ。フレームを自分で作って、市販のマットレスをふたつつなげたんだ」
「まあ! うちも、母がよくこぼしてたわ。大柄な子どもたちを育てるのは大変だって。普通のサイズじゃ間に合わないものがたくさんあるからよ。あなたの子どもを育てるとなったら、さぞかし――」
 自分が何を言っているかに気づいてはっとしたが、もう遅い。メグはうつむいた。彼との距離が近すぎる。ふたりとベッドの距離が近すぎる。自分が何を望んでいるのかわからない。服を脱ぎたいのか、それとも逃げだしたいのか。
 リンクはメグを抱きしめたかった。だが、思いとどまった。いまはどんな言葉を口にしても、逆効果になるだろう。
「そろそろ帰るわ。長居しすぎてしまったみたい」メグは出口へ向かって歩きだした。
「メグ!」
 メグは足を止めたが、振り向かなかった。
「違う、長居なんかじゃない。ぼくのそばに、いつまでだっていてくれていいんだ」
 振り向きたい。メグは強くそう思い、身を震わせた。でも、歩きつづけた。外へ出るころには小走りになっていた。車に飛び乗り、急いでその場を去った。しかしどれほど急ごうと、どれほど遠く離れようと、この欲求を振り払えないのはわかっていた。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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