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淡い夢のほとりで

淡い夢のほとりで


発行: ハーレクイン
レーベル: MIRA文庫mirabooks
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆2
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解説

 小学校教師のオータムは繰り返し見る奇妙な夢に悩まされていた。金髪の少女が男に連れ去られ、山の中で暮らしている夢だ。記憶を頼りに新聞を調べると、それが6年前に失踪したモリーという少女で、有名な実業家ベン・マッケンジーの娘であることがわかった。かつて夢に見たとおりの事故で友を亡くしたオータムはベンのもとに押しかけ、一刻も早くモリーの捜索を再開すべきだと主張する。だが、娘は何年も前に死んだと思い込んでいるベンは、オータムを金目当ての詐欺師と決めつけて……。全米で話題のロマンティック・サスペンス!

抄録

 玄関のドアの鍵を開けると、オータムの神経はまた高ぶりはじめた。ベン・マッケンジーと一夜をともにすることになるなんて! でも、一緒に寝るわけではない。少なくとも、わたしのベッドでは。
 ベッドで寝ることを考え、胃のあたりがかすかに熱くなった。ベンが隣の部屋のソファにいるだけでも、近すぎて落ち着かない。ベンはいやになるくらい魅力的だ。その彼がわたしのアパートメントのリビングルームにいる。
 ベンがここにいるのには、きちんとした理由があるのよ。オータムはそう自分に言い聞かせた。別にたいしたことじゃない。たいしたことになったらまずい。ジョシュだって、何度かこのソファで寝たことがある。けれどもジョシュとベンでは大違いで、それこそが問題だった。
 オータムは、カウンターのそばで黒いタキシードのジャケットを脱いでいるベンをちらりと見た。彼はジャケットを椅子の背に投げ、黒いボウタイを置いた。金とオニキスのカフスボタンと、プリーツのついた白いシャツの飾りボタンをはずしていった。
 ベンがシャツをパンツから引き出しはじめるのを見て、オータムは手をあげた。「ちょっと待って。何をしているの?」
「シャツを脱ぐんだよ。まさか服を着たまま寝るとは思っていないだろう?」
「でも……だったら何か着替えを持ってくるべきだったんじゃ……」
「泊まる予定ではなかったんだよ。だが、きみが書いた夢の詳細なメモを見て、こうすることにしたんだ」
 オータムは神経質に唇を噛んだ。「やっぱり、お互いに準備をきちんとしてから、別の夜に試すべきかも」
 最後のボタンがはずれると白いシャツがはだけ、胸があらわになった。広くてたくましく、うっすら胸毛が生えている。その引きしまった胸板を見たとたん、オータムの下腹部は締めつけられた。
「裸の男の胸を見たことがないのか?」
「いえ、その――」
「スティーヴン・エリオットがいただろう?」
「スティーヴンは、あなたみたいに立派な体じゃなかった」オータムは迂闊なそのせりふをとり消せたらと願いながら、目を閉じた。
 ベンは立ったままにやりと笑った。「きみのそういうところが好きだよ、オータム・サマーズ。女性には珍しく、正直だ」彼は顔をしかめた。「少なくとも、きみが正直であることを願っている」彼は振り向いて、それほど大きくないソファに近づいた。「枕を貸してもらえるかな? できれば毛布も」
 オータムは寝室に入り、毛布と枕を持ってきてソファの端に置いた。ベンがバスルームを借りたいと言うので、予備の歯ブラシを渡して、彼が出てくるのを待った。
 オータムがまだイブニングドレスを着たままなのに気づき、ベンはソファの前で立ち止まった。「寝酒を勧めてくれるなら別だが、お互いそろそろ寝るべきじゃないかな」
 オータムはすばやくうなずいた。半裸のベン・マッケンジーと寝る前に酒を飲むなんて、何よりも避けなければならない。「ほかに必要なものがあれば……」
 ベンがなまめかしい一瞥を投げた。「実のところ、必要なものがあとひとつある」彼のハスキーな声は警戒心をかきたてたが、オータムは動くことができなかった。
 ベンは、寝室の前から動けずにいるオータムのそばに近づいてきた。「シンデレラの夜は、おやすみのキスをしないと終わらない」
 オータムが抗議するより先に、ベンは顔を寄せてとてもやさしく唇を重ねた。甘くてロマンティックなおやすみのキスのはずだった。彼の唇はかすかにチョコレートとシャンパンの味がし、見かけよりも柔らかくて、彼女の唇と完璧に合っていた。
 オータムは唇をすぐに離して、その瞬間を終わらせるつもりだった。なのに気がつけば口を開き、彼の舌がすべりこんでくるのを受け入れてしまった。たちまち体のなかを熱い興奮がほとばしった。ベンに引き寄せられ、気づかぬうちに彼の首に腕をまわしてしがみつき、同じように熱烈にキスを返していた。
 下半身がとろけそうだった。体はゆですぎたスパゲティのようにぐにゃぐにゃで、彼の巧みな唇と舌がもたらす歓びに震えていた。ベンはオータムを飲みほし、味わった。彼女の口の端をかじり、何度も唇をあててはまたじっくりとキスしてきた。
 オータムは震えた。胸の先がうずき、体はベンを求めて燃えあがった。両手がひとりでに彼のシャツのなかにすべりこみ、しなやかな筋肉の感触を味わった。熱い肌にじかに触れて、ようやく正気に戻った。
 まるで火傷でもしたかのように、オータムはさっと離れて安全な寝室にすばやく逃げこむと、乱暴にドアを閉めた。そして壁に背をあずけ、もたれかかった。心臓が、まるで千キロも走ったかのように打っている。両脚が震え、立っているのもつらかった。
 何てことかしら。こんなキスは生まれて初めてだ。スティーヴン・エリオットとも、ロニー・ヒルソンとも、ほかの誰ともしたことがない。女たちが次々にベンの足もとにひれ伏すのもわかる。キスがこんなにうまいなら、ベッドではどんなふうなの?

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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