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和書>小説・ノンフィクションハーレクインウエディング・ストーリー

待ちわびた誓い

待ちわびた誓い


発行: ハーレクイン
シリーズ: ウエディング・ストーリー
価格:300pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 マーガレット・ウェイ(Margaret Way)
 書くことが大好き。息子がまだ赤ちゃんのころから小説を書きはじめ、今では執筆しているときが彼女のいちばん充実した時間になっている。楽しみは仕事の合間を縫って画廊やオークションに出かけること。また、シャンパンには目がない。オーストラリアのブリスベーン市街を見下ろす小高い丘にある家が彼女の安息所である。

解説

 キャリーはオーストラリアで最も裕福な牧場主ブレーク・コートランドの大邸宅を訪れた。長年の知り合いの彼に相談したいことがあったから。キャリーは彼にずっと恋心を抱いていたが、それを隠し通してきた。名家の御曹司と小さな農園の娘ではつり合うはずもない。しかし、ある日、農園がサイクロンに襲われたとき、二人の関係は転機を迎える。

抄録

 「あら、見たいの?」ほんの冗談のつもりだったが、それでも、母に言われてバレエを習っていたころを思い出していた。
「見せてくれるんだったら、なんでもするよ」彼は輪郭のはっきりした口元に笑みを浮かべた。
「本気で言ってるの?」キャリーはちょっと驚いていた。
「もちろんだよ。どうしてそんなに驚くんだい?」
「だって、そんなこと言う人はあまりいないもの。第一、わたしがバレエを習っていたことを知ってる人は、そんなにいないから」キャリーはすぐに片手でキッチンのカウンターにつかまると、右足で立ち、左足を後ろに高々と上げ、優雅なアラベスクをしてみせた。
 ブレークは、ひとしきり拍手を送った。「舞台でも、こんな見事なアラベスクは見たことがないね。レオタードを着たおさげの女の子を思い出したよ」
「八歳だったわ」姿勢を戻して、懐かしそうに彼女は言った。「背が高くなりたいのなら、姿勢をよくしないといけないって、母に言われてやっていたのよ」
 青い炎のような目が、キャリーに向けられる。「それじゃ、バレエは間違いなく役に立っているね」
 二人を取りまく空気はにわかに熱を帯び、息苦しさを感じるほどだ。「そんなにお褒めにあずかって、どうしたらいいのかしら?」
「いつもと同じように、優雅に受けとっておけばいいのさ。お返しに、ぼくにも何かいいことを言ってくれるっていうのもいいね」
「それなら簡単だわ」キャリーはまじめな顔で言った。「あなたは最高の隣人よ。寛大で、頼りになるわ。本当にそう思っているのよ。いつもなかなか表に出せないけどね」
 ブレークはもどかしそうに言った。「それは確かに褒め言葉だけどね、もう少し、きみの個人的な気持ちをつけ加えてくれないかな」
 キャリーは驚いて彼を見上げた。「あなたのいない人生なんて考えられないわ」防御システムが作動しないうちに、ひとりでに口をついて出てしまった。まあ、大変! わたし、何を言っているのかしら?
「出だしのひとこととしては、とても印象的だな」ブレークは嬉しそうに言った。「大事なのは、本気で言っているかどうかだ」
 緊張感が一気に高まり、キャリーはなんとか落ち着こうとした。食器棚のほうを向くと、必要以上に音をたてながら皿を出し始める。
「どうなんだい?」その手を止めてくれと言わんばかりに、ブレークは答えをせまった。
 キャリーは、震えながらぐっとつばをのんだ。「本気よ。いろんな意味でね」
「おいおい!」ブレークは不平そうに言った。「今度はそれを聞き出さなきゃいけないのかい? 大事なところだけ教えてくれよ」
 彼のとがめるような口調に、キャリーの手は震えた。「わたしに何をしようというの、ブレーク?」
「言っただろう」彼は、いくぶんそっけなく答えた。「きみの目を覚まさせるんだよ。目の前の現実をちゃんと見るようにね」
「ちゃんと見てるわ」彼女の優雅な体はじっとして動かない。「あなたをちゃんと見て、わかっているのよ。あなたは別世界の人なの。普通の人とはまったく違う、特別な人よ。大牧場の所有者で、一族みんながあなたを誇りに思っているし、あなたが権力を握ることを喜んで認めているわ。このあたりでは、あなたはほとんど崇拝されていると言ってもいいくらいよ。それに、なんといっても、あなたはブレーク・コートランドなの。ほしいものはすべて持っている人なのよ」
「そんなふうに思っているのかい?」震える声はひどくかすれている。
「思っているんじゃなくて、知っているのよ」キャリーは気づかないうちに、手を胸の前で握りしめていた。「あなたは確かに悲劇を経験したわ。夢を打ち砕かれもした。それは決して忘れていないわよ。でも、あなたはすべて乗り越えた。わたしはまだ、小さなキャリー・ドノヴァンみたいな気がするわ。あなたにいつも優しくしてもらった十代の子どものころのね。働き者だけど平凡な、農園の娘よ。でも、あなたは一度もキャリーと呼んだことはない。ただの一度もね」
「キャロラインというのは、きれいな名前じゃないか。きみは、若くてきれいで、そのうえとても聡明だ。成績がよかったのを知っているよ。お母さんはきみをとても自慢にしていた」
「母が恋しくてたまらないわ」
「わかるよ」ブレークは優しく言った。「きみが人生を無駄にするのをお母さんが望まないだろうということも、ぼくにはわかるんだ」
「わたしが人生を無駄にしているっていうの?」キャリーは再び腹を立てた。
「きみは結婚するべきだ、キャロライン」厳しく挑戦的な声だ。「妻になり母になるんだ。自分の家庭を持つんだよ。誰かに愛されるべきなんだ。きみの献身に本当に感謝してくれる誰かにね」
 心臓が早鐘を打ち、キャリーはめまいがした。「そのうちに、きっと理想の男性に出会うでしょう。そうでなければ、向こうからわたしを探しに来てくれるかしらね」
「きみがどうしても目を開けようとしないなら、男のほうから探しに行くしかないだろうね。ぼくを見てくれ、キャロライン」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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