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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・イマージュ

星の降る夜

星の降る夜


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュ
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 リンゼイ・アームストロング(Lindsay Armstrong)
 南アフリカ生まれ。現在はニュージーランド生まれの夫と五人の子供たちとともに、オーストラリアで暮らす。オーストラリアのほとんどの州に住んだことがあり、農場経営や馬の調教など、普通では経験できない職業を経てきた。彼女の作品にはその体験が大いに生かされている。

解説

 運命の恋人だった夫を失って五年。再び人を愛することは許されるのか?

 ■姉が子供を産もうと計画している。しかも会ったばかりの男の。相手のジョーは有名な風刺漫画家で、プレイボーイだという噂だ。このままでは姉の不幸は目に見えている。絶対に阻止しなければ! ジョーの自宅を急襲したリディアは一気にまくしたてた。彼は皮肉たっぷりに応じたあげくに言った。「きみも僕とベッドをともにしたいのかい?」怒り狂っていいはずなのに、なぜか悪い気がしない……。最愛の夫を事故で失って以来、初めてのときめきだった。でも姉を裏切ることになる。ましてこんな男を許すなんて! 幸い翌日から仕事でシドニーを離れなくてはいけないリディアは、その間に心を静め、ジョーを完全に忘れるつもりだった。ところが、目的地で彼女を待っていたものは……。

抄録

「カカドゥ国立公園に似ているということ? 嘘でしょ」
「自分の目で確かめてごらん。メグの大好きな場所だ。きみが行かないと言ったら、メグから楽しみを取りあげることになる」
「それって脅迫じゃない?」
「かもしれない。だが、僕はきみとメグが仲良しなのを知っているから」
「ああ、もう! 降参するわ」

「信じられない!」リディアはため息をもらした。
 世界遺産にも登録されているカカドゥ国立公園は、広大な湿地と熱帯雨林、アボリジニのロック・アートとその美しさで有名だ。同じノーザン・テリトリーとはいえ、ここビクトリア川流域からは遠く離れている。だが、ジョーに連れてこられたこの場所はカカドゥ国立公園にそっくりの雰囲気だった。
 泉からわきでた水が小さな流れとなって岩の間を這い、滝となって落ちていくつかの池を作っている。まわりを砂地とみずみずしい緑が囲み、水面では睡蓮がピンクや白や紫の花を咲かせている。驚いた白鷺が飛びたち、高い木の枝を目指してゆっくりと池を横切った。
「そう言うのは水に入るまでとっておいたほうがいいよ。恐ろしく気持よくて、特に筋肉痛や鞍でできた痣には魔法のような効果がある」
「待ちきれないわ!」リディアはバギーから飛び降りた。服を脱ぎ捨てて、あらかじめ身につけておいた黄色の水着姿になる。そして、メグと同時に池に飛びこんだ。「今になって鰐がいるなんて言わないでね!」水面に顔を出すと同時に叫ぶ。「もしいたら、素手で戦ってでもここをかちとるけど」
 ジョーは笑った。
「ああ、すてき!」リディアは水に潜り、再び顔を出してぬれた髪をかきあげた。「なんて澄んだ冷たい水なの! タンクの水とはまるで違うわ」両手を高く上げ、もう一度頭から水に潜る。
 次に顔を出すと、ジョーも水の中にいた。「滝の下に行ってごらん。岩棚があって、腰かけられるようになっているから」
 ふたりは泳いで池を渡り、岩棚によじのぼった。メグも這いあがろうと岩を引っかく。
「ほら、おいで!」ジョーが助けて引きあげようとしたとき、一瞬肩を押さえて痛みに顔をしかめた。
「もう治ったんだとばかり思っていたわ」リディアは息をはずませながら言い、体を移動させて流れ落ちる水を受けた。「この一週間、なんのそぶりも見せなかったから」
「きみが見ていてくれたかと思うとうれしいね。極力気をつけていたから」
「嘘よ。だってわたしがしていたことをすべて、あなたもしていたのよ」
「あいにく僕にはさまざまな能力があるんだ。きみが見ているのは一面にすぎない……何をするつもりだ?」
 リディアは岩の上で立ちあがった。「この前、わたしがしてあげたことよ。異議がある?」彼の後ろにまわって膝をつき、肩に両手を置く。
「思いもよらないことだ」ジョーはつぶやいた。
 十分ほどマッサージをしたあとでリディアが尋ねた。「どう?」
「え?」
「少しはよくなったかしら? 馬にも効くくらいの強さでマッサージしたんだけれど」
 ジョーは考えこんだ。「ちょっとは違うかもしれないな。最低一時間は受けたい気分だ。ところできみは誰に対しても馬を扱うように……」
 リディアがふいに背中を押したので、ジョーは言い終わらないうちに池に落ちた。リディアも足を滑らせたが、なんとか体をねじってうまく飛びこむ。メグが大喜びであとに続いた。
 リディアが水面に顔を出すと、ジョーがすぐ近くで待ち受けていて両腕をつかんだ。
「何をするつもり?」
「これだよ」彼は唇を重ねた。
 ふたりの体がそのまま大きく水に潜る。
「溺れるわ!」顔を出すなり、リディアは叫んだ。
「わかった」ジョーはリディアの向きを変え、背中から腕をまわして岸へ向かって泳ぎはじめた。
「いったい、何を? ちょっと待って……」リディアはもがいたが、すでに足の先が底の砂に触れるところまで来ていた。
 ジョーは腰の深さのところで彼女を立たせた。
「きみの言うとおり、このほうがずっと楽だ」彼はもう一度、唇を重ねた。
 リディアは思った。いくら彼が肩を傷めていても、力ではかなわない。だから、この事態は逃れようがなかったのよ。それに、胸がどきどきするのは、ふざけたり、水に飛びこんだりしたからだわ。
 ジョーが腕をゆるめて唇を離したとき、リディアは大きく目を見開いて彼を見つめた。
 彼の腕から――触れあう肌から、痛いほど刺激が伝わってくる。ほぼ同じ高さで見つめあう目と目。百八十センチ近い身長が、彼が相手だとなんの障害にもならない。それどころか、背が高くてよかったとさえ思う。これはまるで奇跡だわ。
 唇が触れた瞬間、彼がこのうえもなくキスが上手だとわかった。キスだけではない。抱き方も、ことさら自分が特別な存在でだいじにされているのだという確信を相手に抱かせる。それも体を離すのが惜しく感じられるほど強く……。
「ほら」ジョーは静かに言って、リディアのぬれた頬に指で触れた。「きみがなんと言おうと、ふたりとも夢中だ」
「わたし……」リディアは口ごもった。
 ジョーは根気よく待っている。
 リディアはため息をついた。「本当じゃないみたいにすてきだったわ、ミスター・ジョーダン」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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