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熱砂を駆ける恋

熱砂を駆ける恋


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 スーザン・スティーヴンス(Susan Stephens)
 プロのオペラ歌手として活躍していた経歴を持つ。夫とは、出会って五日後には婚約をし、三カ月後には結婚したという。現在はチェシャー州で、三人の子供とたくさんの動物たちに囲まれて暮らしている。昔からロマンス小説を読むのが大好きだった彼女は、自分の人生を“果てしない、ロマンティックな冒険”と称している。

解説

 かつてないほど幸せな気分で目を覚ましたルーシーは、隣にいるはずの男性が消えているのに気づいて愕然とした。彼にとっては一夜限りの遊びにすぎなかったのだわ。それも当然だ。めったにデートもしないわたしが、出会ったその日に男性とベッドをともにしたのだもの。だらしのない女と思われたに違いない。きっと、彼のような相手には二度と会えないわ……。ルーシーは彼に贈られた薔薇に目を留めた。花びらにそっと触れたとき、彼女は言いようのない胸騒ぎを覚えた。

抄録

 まったく見ず知らずの男性と愛を交わすという冒険に、ルーシーはひどくそそられた。彼女にとってそれは未知の領域だった。セックスとは、お互いをよく知り信頼している者同士が営む行為だと思ってきたからだ。
 だが、ルーシーは呼び覚まされた欲望に心を奪われていた。全身がくまなく彼に反応している。いまや二人は、言葉とは別の本能的な何かで互いの思いを伝え合っていた。
 ルーシーの手首をつかみ、カールは彼女を自分の前に立たせた。彼の指の感触にルーシーの体じゅうに震えが走る。次の瞬間、彼女はカールに抱き寄せられ、大きな体に全身を包みこまれていた。薄いサマードレスしか着ていないことを後悔しても遅すぎる。その下にはちっぽけなレースの下着しかつけていないと悔やんでもあとの祭りだ。
 彼ほどたくましい男性を、ルーシーはいままで見たことがなかった。その力強さには、しっかり巻いたばねを思わせる小気味よさがある。彼の香りはかぐわしく、肌の感触は鋼鉄のように固くて熱い。口をキスでふさがれ、執拗《しつよう》に唇を開くよううながされると、ルーシーは脚が萎《な》えていくのを感じた。彼の力強い胸の鼓動が感じられる。固い胸板に体を押しつけられ、彼女の胸も激しく轟いている。すべてが未知の興奮であり、存在さえ知らなかった喜びだった。
 そのときいきなり抱え上げられ、ルーシーは低い驚きの叫びをあげた。カールはテーブルの端に彼女を下ろすとそのまま横たわらせ、両脚の間に身を置いた。それから、サマードレスのスカートを上げ、ズボンの前ボタンをはずしながら彼女の下着に手を伸ばした。ルーシーが何かすべすべとした温かなものが触れるのを感じた次の瞬間、カールは突然彼女の中に侵入した。その大きさにルーシーが驚愕のため息をもらすと、カールは彼女の準備が再び整うのを待った。
 やがて、ルーシーの体に快感がわき起こりはじめた。それはこれまでの体験をはるかに超えていた。カールは皿とマグカップをわきにどけ、彼女の両脚を腰に巻きつけさせた。彼がさらに奥深くへ押し入ると、ルーシーは喜びの声をあげた。揺るぎない一撃を加えられるたびに、鋼鉄のような彼のヒップに容赦なく爪を食いこませる。ついにルーシーは感覚の世界にのみこまれ、叫び声をあげた。
 その瞬間、カールは動きを止めた。
「だめ!」ルーシーは必死に言葉を絞り出した。彼は叫び声を抵抗のしるしと解釈したに違いない。「やめないで。やめてはだめ……」彼が再び動きはじめると、彼女はほっとして小さな笑い声をあげた。
 カールの巧みな動きで望みどおりの境地にまで連れていかれたルーシーは、つかの間、あらゆるしがらみや苦痛から逃れ、恍惚《こうこつ》となった。その興奮はあまりにも強烈で、ルーシーは彼の腕の中で意識を失いかけていた。
「大丈夫か?」
 カールに耳元でささやかれ、ルーシーは全身を彼の腕にあずけていることに気づいた。照れくさくなって彼の腕に顔をうずめる。すべてが終わったいまも、震えはおさまらない。たったいま二人の営んだ行為が、ルーシーには信じられなかった。
「大丈夫か、ときいているんだ」カールは再びやさしく尋ね、彼の目をまっすぐ見ずにはいられないよう、彼女の顎をそっと持ち上げた。
「大丈夫よ」ルーシーは大きく息を吸いこんだ。カールのまなざしによって抵抗する力を奪われ、むき出しにされた気分だ。彼の瞳をひときわ印象的に見せているのは、瞳孔のまわりにきらめく銅色の斑点《はんてん》だということを、ルーシーはぼんやりと意識した。
「目をそらしてはだめだ」口にするなりカールは、再びルーシーの顔を自分の方に向かせた。「ベッドは?」片方の眉を思わせぶりに軽く上げる。「あるだろう?」
「あるわ。もちろん」ルーシーは照れくさそうに服を撫《な》でつけた。「疲れているのね」
「とんでもない」カールは唇の端を上げてみせた。「まだ始めたばかりだよ」
 ルーシーのウエストに腕をまわし、カールは彼女のヒップに下腹部をすり寄せた。
「そうね、あなたがそう言うなら……」ルーシーは渇望感が体の奥からわき上がるのを感じた。
 カールの手を取り、彼女は玄関ホールに向かった。だが妖婦《ようふ》を演じるのは簡単ではなく、寝室のドアの前で躊躇《ちゅうちょ》してしまった。
「出ていってくれと言いさえすれば」カールは彼女を抱き寄せ、つぶやいた。「僕は従うよ」
「いいえ。そんなことはしたくないわ」
「君が本当にいいと思うのなら……」
「ええ、大丈夫よ」ルーシーはキスをねだるように顔を上げた。
 目を覚ましたときの漠然とした満足感もつかの間、ルーシーの胸はとてつもない恐怖と不安感に満たされた。私ひとりだわ!もちろん、ひとりに決まっているじゃないの。ルーシーは自分に言い聞かせ、寝室に目を凝らした。いったい何を期待していたの?一夜限りのお遊びは、恋愛関係とは別よ。歴史に刻まれるほど忘れがたい一夜でも。
 ベッドの上掛けを引っ張って体を包むと、ルーシーは枕《まくら》に顔をうずめた。完璧《かんぺき》な恋人の献身的な奉仕でまだ全身が激しく震えている。カールのような相手は二度と現れないだろう。それだけは確かだ。あれほど寛大に相手に喜びを与えられる男性が、あれほどやさしく抱いてくれる男性が、いるはずはない。そしていま、彼は行ってしまった。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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