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ハーレクイン・ロマンスセット 13

ハーレクイン・ロマンスセット 13


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・デジタルセットハーレクイン・ロマンスセット
価格:2,280pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ルーシー・モンロー(Lucy Monroe)
 アメリカ、オレゴン州出身。姉の影響でハーレクインのロマンス小説を読み始めた。大学在学中に“生涯でいちばんすてきな男性”と知り合って結婚し、子供が生まれてからは母親としての道を選んだ。十八歳の夏に家族で旅行に行ったヨーロッパが忘れられず、今も時間があれば旅行を楽しんでいる。

 キャロル・マリネッリ(Carol Marinelli)
 イギリスで看護教育を受け、その後救急外来に長年勤務する。バックパックを背負っての旅行中に芽生えたロマンスを経て結婚し、オーストラリアに移り住む。現在も三人の子供とともに住むオーストラリアは彼女にとって第二の故郷になっているという。

 ロビン・ドナルド(Robyn Donald)
 ニュージーランド北部の牧場主の家に、一男五女の長女として生まれた。十五歳で師範学校に学び、十九歳で結婚、同時に小学校の教師となる。子育てを終えて一時休んでいた教職に戻り、かたわら執筆を始めた。蘭の花が咲き、キウイやオレンジの実る美しい北部の村に住む。

 キャロル・モーティマー(Carole Mortimer)
 ハーレクイン・シリーズでもっとも愛され、人気のある作家の一人。1978年にイギリスでデビューして以来、これまでに刊行された作品は実に百冊を超える。十四歳のころからロマンス小説に傾倒し、アン・メイザーの作品に感銘を受けて作家になることを決意した。キャロルは三人兄妹の末っ子としてイギリスはベッドフォードシャー州の小村で育った。一時は看護師を志したが、転倒した際に痛めた背中が治りきらず断念。その後、某有名文房具メーカーのコンピューター部門に勤め、そこで働く間に時間を見つけて小説を書くようになった。物語を書くときに一番楽しいのは、ヒロインとヒーローの性格を考えるとき。書いているうちに徐々に主導権がヒロインとヒーローに移り、いつのまにか彼らが物語を語りはじめるのだという。現在キャロルは“イギリスで最も美しい場所”マン島に、夫と子供たちと住む。

解説

 ★お得なセット価格★ハーレクイン・ロマンス4作品収録。

 『シークの愛した客室係』――ロンドンのホテルでリヤは客室係としてアラブの国の皇太子を迎えることになった。その初日、彼女は皇太子に突然エレベーター内に引き込まれ、誘惑される。

 『ウエイトレスの初恋』――プレイボーイとして名高い大富豪デミアンの臨時秘書となったアリーナ。初日から女癖の悪さを見せつけられるが、そんな彼に激しく惹かれている自分に気づき……。

 『珊瑚礁の愛人』――ジョアンナは父親同然の恩人の死後、遺言で巨額の財産を贈られたと知り驚く。だがそれは彼の義理の息子ルークと半年一緒に暮らすという、奇妙な条件つきだった。

 『妻の隠された昼の顔』――信じられない。別居中の夫と一夜を共にするなんて。レオニーは誘われるまま、離婚するはずのアダムのベッドで目覚めた。彼は恋人同士としてやり直そうと提案する。

抄録

「まあ」アーリヤはひどくうれしそうににっこり笑った。「あなたは結婚前からちゃんと貞節を守るタイプなのね」
「タヒラとの婚約が公表されたあとで、ほかの女性と関係を持つことはできなかった」
「婚約者があなたを誘ったことは?」
「なかった」
「それって、なんだか……」
「正しい行為だ」
 アーリヤは不満そうだった。「そうかしら?」
「では、痛ましいとでも?」たとえどんなにこの女性が欲しくても、哀れみでベッドを共にしてもらうのはごめんこうむる。
「あなたに対して“痛ましい”という言葉を使おうと思う人はいないわ。わたしが言いたかったのは、あなたはそれを警告として受けとるべきだったということよ」
「警告?」どういう意味だ?
「つまり、あなたたちはお互いに性的に惹かれてはいなかった。そういうことでしょう?」
「そうだな」
「それって、問題だとは思わなかったんですか?」
「我々のような身分の人間の結婚は、きみたちとは別の理由で決まるんだ」
「エリートのなかのエリート?」
 サイードは肩をすくめた。否定しようとは思わなかった。「住む世界が違うということだ」
「あなたは、本当にそこまで傲慢な人なの?」
「どういう意味かわからないな」
「当然でしょうね。住む世界が違うから言葉が通じないんだわ」彼女は皮肉いっぱいの口調で応じた。
「いまは同じ場所にいる」
 実のところ、それは驚くべきことだった。皇太子であるサイードがホテルの使用人と密室で二人きりになり、しかも彼女に対して記憶にないほどの激しい欲望を抱いているのだから。
 アーリヤがわずかに首を傾けて彼を見あげた。無意識なのだろうが、ひどく官能的なしぐさだ。
「それはそうね」
「この時間はあくまで例外だ」
 アーリヤは声をあげて笑った。「本当に傲慢で俗っぽい人。なのに、どうしてわたしはあなたにキスをしたいのかしら?」
 何がそれほどおかしいのか、サイードには理解できなかった。「なぜきみがぼくにキスをしたいと思ってはいけないんだ?」彼はきき返した。欲望がどんなに激しくても、彼女のほうが望まなければ、サイードはどんな行動にも出ることができない。ぼくには重んじるべき名誉というものがある。
「あなたは自分のことを、わたしなんかにはもったいない人間だと思っているのね」
「まさか」彼女の言葉にサイードはショックを受けた。「そんなふうには思っていない」
「住む世界が違うと言ったわ」
 彼の意図とは違う受けとり方をされてしまったらしい。「単なる事実を述べただけだ。人としての価値を判断するものじゃない。近隣の王族のなかには、二度とかかわりたくないと思う者もいる」
「本当に?」
「もちろん」
「わたしは?」
「これからもずっときみと一緒に過ごせたらとてもうれしい」いたって正直な言葉だった。
「でも?」
「でも、皇太子はホテルの客室係とかりそめの関係を結ぶことはできないんだ。実際の人生はおとぎ話のようにはいかない」たとえサイードがどんなに望んでも。
「それに、あなたはすてきでチャーミングな王子とは違うわ」
 不満げなアーリヤの言葉が、なぜかサイードの胸に引っかかった。「当然だ。ぼくは人間だからな」
「人間の王子様というわけね」
「そうだ」
 アーリヤは不思議そうに彼を見た。「あなたは傲慢にふるまおうとしているわけじゃないのね?」
「もちろんだ」
「でも、傲慢なのよ。あなたは自覚していないかもしれないけれど」
 いつの間にかサイードは笑っていた。「心に留めておくよ」
「怒らないのね」
「怒る必要などないだろう?」
「単なるホテルの客室係の意見なんて取るに足りないものだから?」
「いや、きみの意見はとても貴重だ」
「なんだか政治家みたいな言い方ね」
「ぼくは政治家だ」とはいえ、投票で選ばれる政治家とは少し違う。
 彼の生活において、駆け引きはとても重要だ。しかし、アーリヤは駆け引きの対象ではなく、彼の言葉は本心だった。彼自身にも分析できないさまざまな理由で、アーリヤの意見はとても貴重だった。
「政治家にしてはとてもセクシーだわ」
 それ以上欲望を抑えきれなくなり、サイードはアーリヤに顔を寄せた。「きみがそう思ってくれてうれしいよ」
「わたしにキスするつもりなのね」彼の唇が数センチのところまで迫ったとき、アーリヤはつぶやいた。
 サイードは答えず、ただ唇を押しつけた。一瞬アーリヤは戸惑ったようだったが、彼女の柔らかな唇はすぐに彼を迎えた。
 一瞬とはいえ彼女が戸惑った理由を、サイードは察した。一夜だけの情事はしないとアーリヤは言っていた。だから、これからの展開を警戒するのも当然なのだ。
 なんとも残念な思いで、彼は唇を離した。「ぼくたちが一緒に過ごせるのは一晩だけだ」
 どんなに不都合でも、サイードはやはり信義を重んじる男だった。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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