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ハーレクイン・ディザイアセット 13

ハーレクイン・ディザイアセット 13


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・デジタルセットハーレクイン・ディザイアセット
価格:1,140pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 オリヴィア・ゲイツ(Olivia Gates)
 カイロ在住のエジプト人。作家だけにとどまらず、眼科医、歌手、画家、アクセサリーデザイナーという実にさまざまなキャリアをもち、妻と母親業もこなしている。キャラクター設定やプロットのアドバイスをしてくれる娘と、ストーリーが気に入らなければキーボードの上を歩きまわる辛口批評家のアンゴラ猫の助けを借りながら、情熱的なロマンスを書き続けている。

 キャット・キャントレル(Kat Cantrell)
 初めてハーレクインのロマンス小説を読んだのは小学校3年生のとき。文学を修めたのち教師となり、退職後は執筆活動のかたわら主婦業もこなしてきた。2011年、ハーレクイン社の新人作家発掘コンテストで優勝。2012年には、RWAのゴールデンハート賞の最終選考まで勝ち残った。夫と2人の息子とともに、テキサス州北部で暮らしている。

解説

 ★お得なセット価格★ハーレクイン・ディザイア2作品収録。

 『氷のキスを花嫁に』――妹夫妻の死後、赤ん坊を引き取ったナオミの家に、かつて熱烈に愛しながら別れを告げた元夫アンドレアスが突然現れた――ギリシア大富豪らしいカリスマ性も気高さ溢れる美貌も、昔のままだ。7年前ナオミは、出会ってすぐに彼の虜になり、プロポーズを受けた。だが夫婦として分かち合えたのは、ベッドでの狂おしい情熱だけ。氷のように冷たく心を閉ざす夫との生活はあまりに虚しかった。なのに、今頃なぜ彼が? ナオミはふとある事実に気づき、愕然とした。アンドレアスは、亡くなった義弟とは親友同士だった。まさか……! 次の瞬間、無情に響く声がナオミを打ちのめした。「親友の遺言に従い、赤ん坊はぼくが引き取る」

 『仮面の下の大富豪』――エバンジェリンは声帯手術に失敗し、歌姫としての輝かしい未来を失った。そのうえ、信じていた婚約者にも裏切られ、傷心を抱えて訪れたベネチアの仮面舞踏会でブロンドのゴージャスな男性に出会い、心を奪われる。ところが、そこになんと新しい恋人を連れた元婚約者が現れた! 動揺した彼女は身を隠そうと、とっさにブロンドの男性にキスをした。エバンジェリンの事情を察し、恋人役を申し出てくれた彼の名はマット。仮面からのぞく青い瞳がなんて魅力的なのかしら。気さくで優しい彼のおかげで、ひとりぼっちの夜は魔法の夜に変わった。彼女は情熱に突き動かされるまま、夢の一夜を過ごす――やがて、彼の愛を疑うことなく妊娠を告げたエバンジェリンだったが……。

抄録

 今さら遅すぎるわ。もうすでに敵にまわすどころではないことを言ってしまった。それに善意に頼るですって? それしか方法が残されていないのなら、絶望的だわ。
 抑えがたい衝動に突き動かされ、ナオミは携帯電話に手を伸ばし、アンドレアスの電話番号を入力した。もう使っていないかもしれないが、彼の番号はそれしか知らない。
「ナオミ」
 呼び出し音が一回聞こえたあと、ぞくっとするような深い声が、脳へ届いた。
 どうして私だとわかったの? 番号は新しいもので、近しい人しか知らないはずなのに。
 きっと、私について知らないことはないんだわ。
 なんだって電話なんかしてしまったのかしら?
 しばらく黙っていると、アンドレアスが言った。
「話す気になったらまたかけてきてくれ」
 アンドレアスのぐっとこらえたような声が体中に響き渡り、ナオミは怒りに火がついた。「取りこみ中だったのなら、お邪魔してごめんなさいね」
「シャワーを浴びるところなんだ」
「だったら、どうぞ浴びてきて」
 ため息に似た音が耳に届いた。「なぜ電話をかけてきたのか言う気になるまで、切らずにおいてもいいが」
 聞き分けのない相手に話しかけるような言い方をされて、ナオミはかっとなった。「あなたは残酷非道なけだものだって言いたくて電話したの。これは主観的な意見じゃないわ。事実よ」
 同意するように頭を傾けるアンドレアスの姿が目に浮かぶ。「言いたいことは言えばいい。ほかには?」
 ありとあらゆる感情が渦巻いていたが、気がつくと大きな声でこう言っていた。「ニューヨークに凱旋しているあいだは、どこに身を潜めているの?」
「知っているはずだ」
 居場所が思いあたった。プラザホテルだわ。
 アンドレアスと初めて夜を過ごした場所が、そこのロイヤルスイートルームだ。アンドレアスがマンハッタンに滞在しているとき、ふたりで会うのはいつもその場所だった。
「まだトーマス・アドラーとか、ジャレッド・マティスとかの名前で泊まっているの?」
 彼が偽名でホテルを利用しているとナオミが知ったとき、彼は手短にこう説明した。外にいるといやおうなしに気づかれてしまうので、居場所を突きとめられないようにしていると。
「実名で滞在している」
 予想外の答えがナオミの心に突き刺さった。
 身の安全のために偽名を使うというのなら、今のほうがずっと狙われやすくて危険なはずだ。以前より事業も富も大きくなっているのだから、敵も増えたに違いない。そう考えると納得できそうな理由はただひとつ。偽名を使っていたのはすべて私が原因だったのだろう。本心では妻も決まった交際相手も欲しくなく、冷淡なプレイボーイのイメージを壊したくなかったから、私の存在をひた隠しにしたのだ。
 何も言わずナオミは電話を切った。
 どちらにしろ、もう言うことはない。
 立ち向かうときだわ。

 十五分後、ナオミはプラザホテルのロイヤルスイートルームの見慣れたドアを見つめていた。
 案内係は四年前と同じ男性で、駆け寄ってきて歓迎してくれた。アンドレアスが滞在するあいだ信頼を寄せ、ナオミとの逢瀬も内密にしていてくれた人だ。彼は心からの温かい出迎えとともに、特別フロアとロイヤルスイートルームに入れるカードキーを手渡してくれた。まるで、アンドレアスがナオミに与えた特権がいまだ有効であるかのように。
 カードキーをしまいこみ、ナオミはドアのブザーを押した。
 すぐにドアが開いた。その瞬間、ナオミの体が機能を停止した。
 アンドレアスが立っている。髪は輝き、白いシャツの胸元を大きくはだけさせて、腰の低い位置で色あせたジーンズをはいている。昨日はスーツ越しに感じた彼の体を、ナオミは今、はっきりと目で確かめることができた。裸足のほうが背が高く感じられ、広い肩が視界をふさいでいる。均整が取れた筋肉質の上半身はまるで、魅惑的な彫像を光沢のある革で覆い、ブロンズで色づけしたみたいだ。ほかの部分も、みなぎるような生命力と男らしさが組みあわさって、非の打ち所がない。
 アンドレアスは鋼鉄のような冷たい視線をナオミに向けたまま脇へよけ、磁石のように引き寄せて中へいざなった。いくつもの部屋のドアがある楕円形の入り口広間に入ったナオミの、すぐ後ろから彼はついてきた。そのままナオミは巨大な居間へ入っていったが、豪華な装飾品にも織物にも家具にもほとんど目をくれなかった。部屋の内装は、たしかルイ十五世の時代の宮廷から着想を得ているとぼんやり記憶しているが、わかっているのは、この場所の隅々まで思い出がしみついているということだけだ。あらゆる場所で、あらゆる方法でアンドレアスに求められ、歓びを与えられた思い出が。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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