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求婚の掟

求婚の掟


発行: ハーレクイン
レーベル: MIRA文庫mirabooks
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★☆☆1
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著者プロフィール

 ステファニー・ローレンス(Stephanie Laurens)
 セイロン(現スリランカ)生まれ。五歳のとき、一家でオーストラリアのメルボルンに移り住む。大学では生化学を専攻して博士号を取得、その後、夫とともにロンドンに渡り、四年を過ごしたのち、帰国。研究活動に従事しつつ、十代のころから愛読していた歴史ロマンス小説を書き始める。現在ではアメリカでも人気が沸騰し、ベストセラーリストの常連となっている。

解説

 たった一度のキスが私の運命を変えることになるなんて。
 S・ローレンスが紡ぐ、可憐なリージェンシーロマンス!

 姉妹そろって社交界デビューを控えたドロシアは、平凡な自分より美貌の妹のことで心配が尽きなかった。思いを巡らせながら一人で森を歩いていたとき、ふいにウエストに男の手が伸びてきて、キスをされる。巧みな口づけに陶然として唇を離したあと、相手の名前を聞いてドロシアは息をのんだ。ヘイゼルミア侯爵――札付きの放蕩者! 彼女を村娘と間違えた侯爵は、厚かましいことに恥じ入る様子もない。ドロシアは彼に胸をときめかせた自分をいましめ、もう会うことはないと胸をなで下ろした。すぐに予期せぬ形で再会するまでは。

 ■ヒロインは田舎の領地から出たことがないドロシア。美人の妹と二人揃って社交界デビューすることになりますが、地味で野暮ったい自分は結婚を望めないと早々にあきらめ、妹の花婿探しに専念する気でいます。そんなドロシアはひょんなことから悪名高い放蕩者のヘイゼルミア侯爵に出会い、恋に落ちていきますが……。二人の恋の行方はもちろん、社交界の厳格な作法にもご注目。男女は紹介なしに知り合ってはならない、付き添いなしに会ってはならない、一夜の夜会でワルツを踊るのは1度まで。ヒストリカルならではの、忍耐を試されるヒーローの悶々とした姿に萌えます。ステファニー・ローレンスの魅力をたっぷり楽しめる、華やかな物語をどうぞ。

抄録

 行き遅れの仲間入りをすることに戸惑ってはいない。一生このまま気楽に生きていけるだけの財産はあるし、ここグレンジでの田舎暮らしを楽しみにもしていた。地元の紳士たちから好意を寄せられることもあったが、自由で誰にも頼らない生活を捨て、妻という立派な地位を獲得したいとほんのわずかでも思わせてくれる人はいなかった。同じ階級の女性たちが結婚指輪を手に入れようと策を弄す一方で、ドロシアはほかの人たちにならう理由がわからなかった。愛だけが――心を動かす奇妙で強い感情だけが、今の気楽な生活を手放す気にさせてくれるのではないだろうか。実際、何不自由ない暮らしを捨ててもいいと思わせてくれる紳士の姿を想像するのは難しい。これまでドロシアは、あまりにも長いあいだ、独り立ちした女性として生きてきた。望むままに好きなことをして、忙しく、しかも安全な暮らしに満足していた。でも、セシリーは違うのだ。
 活発なセシリーは、もっと華やかな暮らしに憧れている。年齢は若いが、人にとても興味を持っているから、生活範囲の限られるグレンジでは彼女は満足できないだろう。若くてやさしいし、現代的な美人でもある。間違いなく、望むとおりの容姿の整ったすばらしい男性が見つかることだろう。姉妹二人でロンドンに出向く第一の理由はそれだった。
 ドロシアはどうにか手の届きそうなところにある、とくに大きな実をぼんやりと見上げた。そして突然にっこりすると、誘いかける実に向かって白い手を伸ばした。だが笑みは驚きと衝撃にかき消された。ウエストに力強い腕が巻きついてきて、何が起こったのかわからないうちに、しっかりと抱き寄せられたのだ。浅黒い顔がちらりと見えたかと思うと、次の瞬間、ドロシアは巧みなキスを受けていた。
 しばらく何も考えられなかったが、急に我に返った。キスの経験がまったくないわけではない。こういうときは何か行動を起こすより、反応を示さないほうが早く解放されるはずだ。現実的で実際的なドロシアは、意志の力で何も感じないよう努めた。
 ところが、頭が間違いなく出した指示に対して、体が反抗した。ドロシアは全身に熱いものがかけ抜けるのを感じ、次いで、抱擁に身をまかせたいという圧倒するような衝動に襲われた。ここで屈してしまえば、さらに情熱が燃え上がるだろう。地元の崇拝者たちの中に、こんなキスをした人はいなかった。押しつけられた唇に応えたい欲求が徐々にふくらんで、どうにも抑えられなくなった。ドロシアはすっかり動転し、自由になろうともがいた。髪に差し入れられた長い指が頭をしっかりと押さえ、ウエストにまわされた腕が容赦なく締めつける。ぴったり重なった体の力強さに、ドロシアは無力な自分を感じたが、ぼんやりしてまとまらない頭で、ある結論に達していた。相手は流れ者でも宿なしでもない。地元の人ではないのもたしかだ。最初にちらっと見た姿には、無造作な優美さが備わっていたから。そのうちめまいがしてきて何も考えられない状態になり、奇妙な渦にのみ込まれそうになった。すると、まるで扉がばたんと閉まったかのようにキスはいきなり終わった。
 頭がぐるぐるまわっていて、体が燃えるように熱かった。ドロシアは浅黒い顔を見上げた。明らかに楽しげなはしばみ色の瞳が、彼女の緑色の瞳をじっと見つめている。激しい怒りがわき上がり、ドロシアは狙いすましてその顔に平手打ちをしようとした。だが、まばたきほどの速さで振り上げた手は、空中でしっかりとつかまれ、やさしく脇に下ろされた。
 ドロシアを襲った人物は、美しい怒りの表情にすっかり魅了された様子で、挑発的な笑みを浮かべた。「君には僕を殴れないと思うよ。どうやら君は、鍛冶屋の娘ではないようだがね」
 その声は明るく穏やかで、きちんとした教育を受けた男性のものだった。ドロシアは唇を噛んだ。頬を薔薇色に染めながら、おかしなほど子供じみた気分になっている。着ているのは緑色の古い平織りのドレスだし、髪はほどけて肩に落ちているのだから、どういうふうに見えているかは想像がつく。
「それで」穏やかな声がさらに続ける。「もし鍛冶屋の娘じゃないとしたら、誰なんだい?」
 やさしくからかうような口調を聞いて、ドロシアは反抗的に顎を上げた。「私はドロシア・ダレントよ。さあ、私を放してくださる?」
 体にまわされた腕はぴくりとも動かなかった。そして、ドロシアをとらえる男性の眉はかすかにひそめられた。「ああ……ダレントか。グレンジの?」
 ドロシアは小さくうなずくのが精いっぱいだった。こんなにぴったりと体を抱き寄せられていては、会話をするのも困難だ。いったい彼は何者なの?
「僕はヘイゼルミアだ」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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