マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ロマンス

ハーレクイン・ロマンスセット 14

ハーレクイン・ロマンスセット 14


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・デジタルセットハーレクイン・ロマンスセット
価格:1,700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 未評価
◆レビューを書く

¥0サンプル
購入する


著者プロフィール

 アビー・グリーン(Abby Green)
 ロンドン生まれだが、幼少時にアイルランドに移り住む。十代のころに、祖母の愛読していたハーレクインのロマンス小説に夢中になり、宿題を早急に片づけて読書する時間を捻出していた。短編映画のアシスタント・ディレクターという職を得るが、多忙な毎日の中でもハーレクインの小説への熱はますます募り、ある日辞職して、小説を書きはじめた。

 キャシー・ウィリアムズ(Cathy Williams)
 トリニダード・トバゴの出身で、トリニダード島とトバゴ島、二つの島で育つ。奨学金を得てイギリスに渡り、一九七五年エクスター大学に入学して語学と文学を学んだ。大学で夫のリチャードと出会い、結婚後はイングランドに暮らす。テムズ・バレーに住んでいたが、現在は中部地方在住。夫との間に三人の娘がいる。

 ケイト・ヒューイット(Kate Hewitt)
 アメリカ、ペンシルバニア州で育つ。大学で演劇を学び、劇場での仕事に就こうと移ったニューヨークで兄の幼なじみと出会い結婚した。その後、イギリスに渡り六年間を過ごす。雑誌に短編を書いたのがきっかけで執筆を始め、長編や連載小説も手がけている。読書、旅行、編みものが趣味。現在はコネチカット州に夫と三人の子供と住む。

解説

 ★お得なセット価格★ハーレクイン・ロマンス3作品収録。

 『憂鬱な城主』――レキシーは突然自分の唇を奪った、スペイン人大富豪のセサルの恋人役を務めることになる。彼の秘密を守るためだったが、彼女にも知られたくない過去があった。

 『無防備すぎる情熱』――田舎町で小さな宿を経営するブリアンナは作家志望の旅人レオと恋に落ちる。だが彼が本当は身分を偽った大富豪だとわかったとき、ブリアンナは既に妊娠していた。

 『愛なき王と氷の女神』――妹の死後、心を閉ざしたリアーナ。マルディニア国王アレッサンドロに請われ結婚を承諾するが、なぜか王はひどく冷淡で愛のかけらもない新婚生活が始まる。

抄録

 レキシーはちらりとセサルを見た。この男性はほかの誰もが見ない私の一面を見ようとしている。強くそう感じて、落ち着かなかった。しかし次の瞬間、彼のデスクに散らばった写真を見たときの気持ちを思い出し、わざと甘い声で言った。「それってつまり、あの立派な調査ファイルをぜんぶ読まなかったってことかしら? 役をもらうためにプロデューサーと寝たって書いてなかった?」
 セサルのいかつい顎がぴくりと動いた。「僕は本当のことを知りたいんだ」
 彼女はけげんそうにセサルを見つめた。どうやら彼は本気で興味を持っているらしい。けれども、不快な記憶もよみがえってきた。かつて私はある人物が“本気で興味を持ってくれた”と信じこみ、その結果、タブロイド紙に派手に書きたてられるはめになった。まったく、なんて愚かだったのか。本当の私を知りたがっている人が初めてあらわれたと思ったとたん、あんなにあっさり信用したなんて。あのときまでは、ずっと自分で自分を守って生きてきたのに……。
「いいわ」レキシーはしぶしぶ話しはじめた。「アイルランドからロンドンに引っ越したばかりのころ、私はある店で働いていたの。まだ十六歳で……」
 セサルは眉をひそめた。「君はアイルランド人なのか?」
 胸の痛みを押し隠し、レキシーはうなずいた。「ええ、もともとはね」セサルがなにも言わないので、話を先に進める。「その店にいたとき……男の子が来たの。そしたら店の主人が、いきなりその子に言いがかりをつけたのよ。万引きをしたって。そんなこと、していなかったのに。だから私、割って入って、その子をかばったの」
 その店主のいやらしい目――彼女の豊かな胸を食い入るように見つめていた目を思い出し、レキシーはかすかに身震いした。
「次に気づいたときには、私は店の主人に向かってどなっていた。男の子には逃げろと言って……そのとき女の人があらわれたの」レキシーはセサルを見たが、彼はただじっとこちらを見ているだけだ。「ねえ、こんな話、本当につまらないから――」
「聞きたいんだ。続けてくれ」
「女の人は私の大声を聞いて、何事かと確かめに来たの。おかげでその場はなんとかおさまり、それからコーヒーまでごちそうしてもらった。その人、自分はキャスティング・ディレクターだと言って、私にきいたの。ある短編映画のオーディションを受ける気はないかって」
 レキシーはあのころのことを思い返した。とても貧しく、とても孤独だった。そして弱く傷つきやすかったけれど、なんとか強くなろうとしていた……。
「私は受けると答えて……主役の座を射とめたわけ。その映画は次の年、カンヌ映画祭のコンペ外部門で上映されて賞をとったわ」レキシーは肩をすくめた。なぜかふいに恥ずかしくなったが、いともたやすくセサルに心を乱されてしまうことを、彼本人にはけっして悟られてはならない。「以上よ。私はそうやって女優としてのスタートを切ったの。でも、本当に茨の道だった。悪徳エージェントにだまされたりもしたし……心底自分のためを思ってくれる人が誰なのかわかるまでには時間がかかるものなのよ」
 セサルはしばらく黙っていたが、やがて言った。「僕が思うに、もしどこかの誰かが役をやるから代わりに体を寄こせと君に迫ったら、きっと店の主人と同じ目にあったんじゃないかな」
 思いがけないぬくもりがレキシーの胸を矢のように貫いた。しかし、これまでに撮った扇情的な写真の数々が脳裏をよぎると、その温かさも消えていった。「残念だけど、私、ノーと言っていいかどうかにいつも確信があったわけじゃないの」
 二人の間の空気が変わり、まるで催眠術にかかったかのように目をそらせなくなる。「厩舎でキスしたとき、君はノーと言わなかった」
「ええ、年をとっても相変わらずみたいだわ」
 この人と初めてキスをしてから、本当にまだ一週間しかたっていないの? もう永遠の時間が流れたような気がして、頭がどうにかなりそうだ。セサルに腰を引き寄せられ、レキシーは息をのんだ。破滅するとわかっていても力がまるでわかず、なにも考えるな、ただ感じればいい、と心地よい熱が語りかけてくる。
 セサルの唇がやさしくなだめすかすように唇にそっと触れる。不意打ちを受けて、レキシーのなけなしの抵抗はあえなく消え去り、セサルがもう一方の腕でさらに引き寄せると、みぞおちの奥で欲望が爆発した。
 セサルの唇はいつしか強く押しつけられていて、不安の最後のかけらがとけるように消え去り、レキシーは口を開いた。キスは残酷なほど官能的で、まさに完璧だった。舌を愛撫する舌は、なにがなんでも反応を引き出そうとしている。
 ふと気がつけばレキシーはセサルの顎に触れていて、広げた指で彼の髪をすき、握りしめていた。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

この本を読んだ人は、こんな本も読んでいます

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。