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幼な妻の憂い

幼な妻の憂い


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆2
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著者プロフィール

 ケイ・ソープ(Kay Thorpe)
 シェフィールドで生まれる。学校を卒業後、さまざまな職種を経験。趣味で書いた最初の作品が1968年のデビュー作となり、小説家の道を歩む。それ以後、50作以上を発表している。現在は夫、息子、愛犬のシェパード、幸運を呼ぶ黒猫とともに、イングランド中部のチェスターフィールド郊外に住む。読書、ハイキング、旅行が趣味。

解説

 突然のプロポーズから2週間で挙式。
 急な結婚のわけを知った17歳の花嫁は……。

 18歳年上の銀行家マークとダナが結婚して、2週間。冷静で思慮深く、大人の魅力をたたえた彼にひと目で心奪われ、周囲に祝福されて花嫁となった。でも、幸せの絶頂にいるはずのダナは無垢なままでいることに不満を募らせていた。結婚初夜、夫は17歳の妻とはベッドを共にしないと宣言したきり、ダナに指1本触れようとしない。いつまでも子供扱いされるのはいや! 身も心も彼と結ばれたいのに。ところが、マークがつい口にした言葉を聞いてダナは愕然とする。“脅迫”――この結婚はダナの父親に脅された結果にすぎないと。夫の弟ブレンドンと親しくなったのはそんなときだった。

 ■圧倒的な魅力をもつ年上の夫に愛されず、孤独に耐えるうら若き新妻に、あろうことか夫の弟が想いを寄せ始め……? 2人の男性の間で揺れ動く、いまだ情熱の意味を知らない純粋な乙女心を、ベテラン作家ケイ・ソープが繊細な筆致で綴ります!

抄録

 ダナはマークの先に立って狭い階段を上っていった。階下でしばらく、自分たちのことがあれこれ話されるのは、よくわかっていた。キャシーはなかなか鋭い。イアンは気づいていなくても、新婚のふたりはなにかがおかしいと気づいている。運がよければ、そのうち彼女も自分たちのことに夢中になって忘れてくれるだろう、とダナは思った。
 マークがいっしょにいると寝室は狭く感じられ、閉塞感が増した。寝る準備はマークひとりにまかせて、ダナは寝間着を持ってバスルームへ向かった。廊下に出るとぼそぼそと低い話し声が聞こえ、反射的に階段を何段か下りて、耳をすました。
「だから、なんか変なのよ」キャシーの声がした。「彼は、学校を出たての子どもに目がないタイプに見える?」
「見えないけど」煮えきらない返事だった。「でも、人は見た目じゃわからないだろう? バージンを求めた結果かも」
 ダナは聞いていられなくなり、音をたてずに階段を引き返した。頬が燃えるように熱い。学校を出たばかりのバージンだと、誰の目にもわかってしまうの? だとしたら、なにかして見た目を変えなければ、と思った。でも、実際に経験しないで、どうやったら経験したように見せられるの? 朝になったらキャシーの顔を見て、研究してみよう。
 ダナは考えられる限界までバスルームでぐずぐずして、ようやく寝室にもどると、マークはもうパジャマとガウンに着替えていた。
「バスルームで寝るつもりかと思ったよ」マークは穏やかに言い、座って待っていた椅子から立ち上がった。「悪いが、ベッドの毛布を一枚、貸してもらうよ。予備のが見つからないんだ」
 ダナが黙っていると、マークは部屋を出ていった。彼はほんとうに椅子で寝るつもりなのだ、と思った。きっとよく眠れないだろう。ダナはじっとダブルベッドを見つめた。名ばかりでも、ふたりは法的に認められた夫と妻だ。彼にはわたしとベッドを分かち合う権利がある。触れ合う必要はない。ふたりで寝ても充分に余裕のあるベッドだ。どうして彼を不快な椅子に追いやれるだろう?
 マークがもどるまでに、ダナはベッドの片側で、窓側に顔を向けて横たわっていた。
「毛布はベッドにもどしたわ」ダナは振り返らずに言った。「まず、ないとわたしが寒くなると思うし、もうひとつは、こういう状況でそんなことをしても無意味だと思うからよ」落ち着いた声で言えたのが、自分でも驚きだった。「いずれにしても、椅子では一睡もできないでしょうから」
 長い沈黙のあと、マークが言った。「おそらく、そうだな。この風では、すきま風もひどいだろう」言葉を切り、急にきびきびと動きはじめる。「実際、体が冷えきっていて、反論する気にもなれないよ。レオはここにセントラルヒーティングを設置するべきなんだ!」
「必要ないわ」ダナは言った。「あの人たちは、十月以降はここを使わないんだもの」マークがベッドに横になるのがわかった。「おやすみなさい」
「おやすみ」マークは手を伸ばし、ベッド脇の明かりを消して、かすかなため息と同時に枕に頭を沈めた。「運に恵まれたら、朝には天気もよくなっているだろう」
 だとしても、よくなるのは天気だけ。そう思いながらダナは暗闇に横たわり、窓に打ちつける風と雨の音を聞いていた。
 腰にどさりと腕がのってきて、はっとして目を覚ますと、あたりはまだまっ暗だった。マークはいつのまにかベッドの中央に移動して、ダナに寄り添って眠っていた。頬に彼の温かな息を感じる。もちろん、彼がこうして誰かと眠るのははじめてではないだろうとダナは思った。相手はマリオン・ギサード? 胸が悪くなる。マークは彼女と何度愛し合ったのだろう?
 ダナの思いに応えるように、腰にまわされたマークの腕が動き、てのひらが上へとすべっていって、一方の胸を包みこんだ。一瞬、ダナは凍りついたが、手の温かさと薄い寝間着越しに伝わってくる指の感触に本能的に反応した。体のあらゆる感覚が目覚める。
 胃がきつく締めつけられ、さらにもっと奥深いところが引きつるような感じがして、ダナは彼の名をささやいた。知らないうちにマークに身をすり寄せて、彼の腿の硬さを腿で感じる。こめかみに彼の髪が触れた。
 マークがなにか聞き取れないことをつぶやき、寝返りを打ってダナに覆いかぶさり、熱烈なキスをはじめた。ダナはやみくもに応じた。もっと知りたい、すべて知りたいという思いのままに。
 すると、マークは急に頭を上げた。突然、自分がなにをしているかに気づいて、全身をこわばらせた。暗闇でダナを見下ろして、くぐもった声で毒づき、彼女の体から下りた。毛布を跳ね上げて身を起こし、ダナに背中を向けてベッドの縁に座った。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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