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愛に目覚めた億万長者

愛に目覚めた億万長者


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆1
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著者プロフィール

 ジュリア・ジェイムズ(Julia James)
 十代のころに初めてミルズ・アンド・ブーンのロマンスを読み、それ以来の大ファン。ロマンスの舞台として理想的な地中海地方、そしてイギリスの田園が大好きで、とくに歴史ある城やコテージに惹かれるという。趣味はウォーキング、ガーデニング、刺繍、お菓子作りなど。現在は家族とイギリスに在住。

解説

 あの悲しい過去を忘れさせてほしい。あなたの不屈の情熱で。

 モデルのセレステはある過去の出来事のために、恋愛をあきらめ、男性を遠ざけて地味に暮らしてきた。ところが最近、彼女が専属モデルを務める化粧品会社の社長から執拗に関係を迫られるようになり、怯えていた。ついにあるショーの会場で彼に暴力を振るわれそうになったとき、セレステを庇うように一人の男性が颯爽と現れた。ラファエル・サンガルド! 投資で莫大な富を築いた億万長者。その日以来、セレステは彼とデートを楽しむようになるが、彼の誠意を感じつつも、やはり心を開くことは難しかった。しかも、偶然耳にした彼の言葉にショックを受けてしまい……。

 ■「押して、押して、押しまくる」そんな表現がぴったりくる、灼熱のラテン・ヒーローの登場です! ラファエルの情熱は、セレステの凍てついた心を溶かすことができるのでしょうか?

抄録

 セレステは今夜の出来事を手短に説明した。耳を傾けるルームメイトは冷静で分別もありそうだ。「たぶん飲まされたのはルーフィーだと思うわ。それにウォッカも」セレステは続けた。「明日電話をくれるようにとルイーズに伝えて。私はセレステ・フィリップス。同じモデル事務所の者よ。この業界で生き残りたいなら、基本ルールをいくつか教えてあげると言っておいてちょうだい」
 ルイーズを送り届けた二人は車に戻った。シートに座ると、セレステは目を閉じた。ラファエルはこわばった彼女の顔を見つめた。
「家まで送ろう」静かな声で言う。
 車が走りだしても、セレステから目を離すことはできなかった。はかなげな美しさに心が揺さぶられる。彼女は目をきつく閉じ、張りつめた表情のままで顔をそらしていた。
 ラファエルの思いは乱れた。レストランでの彼女の言葉がよみがえる。
“デートはしないし、恋愛関係にもならない。ロマンス、情事……。どう呼んでもかまわないけれど、とにかくそういうことは絶対にしないの”
 ぶっきらぼうに言いきった言葉が胸に響く。ラファエルは思いをめぐらせた。
 あの十代のモデルに起きたようなことがセレステにも起きたのだろうか? 彼女があれほど希望のない悲しい言葉を言ったのはそのせいかもしれない。忌まわしい出来事で傷ついてから、彼女はそうして身を守ってきたのか?
 想像どおりだとしたら、男性に対してあれほど慎重なのもうなずける。
 それならば、この自分が変えてやらなければ! 純粋な欲望は、みだらな劣情とはまったく違うということを示したい。男性と女性の間に生まれる純粋な欲望とはどんなものかを知らせるのだ。
 手を伸ばせば触れられるほどそばにいるというのに、セレステは遠く離れた孤独な世界に閉じこもったままだ。激しい感情がラファエルの中を突き抜けた。欲望――甘く力強く、一方で限りなくやさしい欲望が。絹のようなこの髪に触れたい。繊細な頬を両手で包み、白くなめらかなまぶたに親指の先をさっと走らせてみたい……。
 ラファエルは必死の努力で自分を抑えた。やがて車はノッティングヒルのフラットの前で停まった。エンジンが切れると、セレステは目を開いて舗道へ顔を向けようとした。
 そのとき二人の目が合った。つかの間、セレステの無防備な視線がラファエルを見つめる。彼は息をのんだ。自制心を働かせる間もなくセレステのうなじを片手をそっと支え、もう一方の指で顎をすくうと唇を寄せた。
 唇が触れ合った瞬間、セレステは震えるような吐息をもらした。もうだめだ。ラファエルはもう自分を抑えることができなかった。波のように押し寄せる衝動に身をまかせ、彼女の唇を開かせようと唇を動かした。なめらかなこの感触を存分に味わいたい。彼女のためらいや不安を肌で受けとめるのだ。
 セレステがやわらかく身をまかせるのがわかった。震える唇をかすかに開き、ラファエルが求めてやまない蜜のような甘やかさを与えようとしている。
 勝利だ! 激しい闘いで勝ち取った勝利ではなく、穏やかな信頼を授けられたという勝利。彼女は僕を選んでくれた。口づけを許してくれた。
 だがそのとたん、セレステは身を引こうとした。
 放してはいけない。このなめらかな唇をもう一度開かせなければ。本能がラファエルにささやいた。しかし知性は反対のことを命じた。彼女を放せ。放さなければ、彼女はまたおびえてしまう。せっかく手に入れたものを失うことになるだろう。
 振りきられても、ラファエルの指は彼女の頬や髪に名残惜しそうに触れていた。
 ラファエルは情熱的な目でセレステを見つめ続けた。だが、彼女の瞳の中にはどんな感情も浮かんでいない。
「ラファエル、私……」
「何も言わなくていい」彼女の心に届くことだけを祈って、ラファエルは続けた。思いやりあふれる瞳も同じ言葉を語っていた。「君が与えてくれるものを僕も与える。僕と一緒なら、何も心配することはない。君がどんな傷を負っていたとしても、僕がそれを癒やしてみせる」彼は顔をゆがめるような笑みを浮かべて手を離した。だが、かけがえのない真珠を見るようなまなざしはセレステに向けられたままだ。「ゆっくりでいい。時間をかけよう。君に必要なだけの時間を。約束する」
 最後にもう一度セレステを見つめ、ラファエルは背筋を伸ばした。ドアを開いて先に降りると、振り向いてセレステの手を取る。もうキスをしてはいけない。彼女が必要とするだけの時間をかけなければ。
 しかし、ラファエルには力強く流れる深い川のような確信があった。ゆっくりというのは、最終的にめざす場所へたどり着けないという意味ではない。
 いつか必ず彼女をこの腕に抱きしめる。もちろん僕のベッドで……。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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