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恋愛志願

恋愛志願


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 サンドラ・マートン(Sandra Marton)
 アメリカの作家。少女のころから書くことが大好きで、早くからラブストーリーを書いていた。ロマンス作家としてのデビューは一九八六年。その後次々と作品を発表している。

解説

 誰とデートしようが、彼女の自由だ。わかっていても、つい気になってしまう。
 ■投資ブローカーのジェイク・マクブライドは、金にも女にも不自由しない。恋愛は遊びとわりきり、永続的な関係は持たないのがモットーだ。だから秘書のエミリーのことも、有能だが平凡で魅力のない女性ぐらいにしか思っていなかった。ところが、ジェイクのもとを訪ねてくる男性は、彼女をほめたたえ、食事に誘おうとする。うぶで恥ずかしがり屋のエミリーは、男性とどんなふうに接したらいいか、とまどっている様子だった。彼女のデートがうまくいくか、どうしてこんなに気になるんだ? 気がつくとジェイクは、彼女にふさわしい相手を紹介し、男性とのつき合いで必要なことは全部教えると提案していた。

抄録

 エミリーがくるりとジェイクに向きなおった。大きな目、赤く染まった頬。ジェイクは自分の中に突如生じたばかげた衝動――この腕の中で慰めてやりたいという気持ちを抑え込んだ。
「ご存じないでしょうが、出会いのきっかけにこういう広告を利用している人は大勢います」
「どういう目的で?」ジェイクの目がまたも鋭い表情を帯びはじめた。
「それは……デートです。一緒に夕食を食べるとか、映画を見るとか、誰かと少しの時間を一緒に過ごすために……」
 エミリーは言葉につまった。ジェイクが動揺しているように見えた。一瞬、彼の手が伸びてくるかと思い、首を振って後ろに下がった。
「理解してもらえるとは思ってません。あなたは一人になりたいときでなければ、家で孤独に過ごしたりはしないでしょう? カレンダーを見て、週末だけど部屋の掃除と髪を洗うくらいしかすることがないわとつぶやいたりもしませんよね」
 なんてことだとジェイクは思った。
「つまりはそういうわけなのか?」彼はゆっくりときいた。「デート相手がいないと? だから昨日はピートの誘いを受けたんだ。一人でさみしいから」
「さみしくはありません」エミリーは強く言い放った。「友だちがいます。趣味があります。カナリアも飼っています」
「さみしいんだね。さみしいから昨日、あの女たらしと出かけたんだ」
 エミリーは眉をひそめた。「女たらし?」
「そうだよ」
「ずっとそう思ってたんですか?」
「ああ」“ずっと”が昨日の夕方、ピートがエミリーに接近したときからをさすならそうだ。
「ピート・アーチャーからはあなたは彼の親友だと聞きました」
「ふん」
「長年のつき合いだって」
「長年というのが同じ証券会社で一年間一緒だったという意味ならね。それもずっと昔のことだ」
 エミリーはふっと息をついた。「だまされたのね。でも本当にそう。事実、彼は女たらしだわ」
 ジェイクの顔色が変わった。「まさか……」
「いいえ、ピート・アーチャーみたいな男の扱いは心得てます」頼りない笑みがエミリーの唇に浮かんだ。「十六のとき、姉の恋人が空手に熱中していたんです。そのとき教わった技を今でも覚えてます」
「そうか」ジェイクは唇を湿した。「ここではっきりさせていいかい? きみは、デートがしたい。すてきな男性と知り合いたい。そうだね?」
 違うとごまかしてなんの意味があるだろう。ジェイク・マクブライドは靴のサイズから不毛なセックスライフまでエミリーのほぼすべてを知っている。
「そうです」
「それなら……よし、こうしよう。ぼくには大勢の知り合いがいる。中にはいい男もいる。きみに紹介してあげるよ」
「そ、そんな頼みをするわけには……」
「ぼくから言い出したんだ。大したことじゃない」
 エミリーは椅子にどさりと腰を下ろした。「どうするつもりなんです?」神経質な笑いを響かせた。「会議に出たときに“ああ、ところで、ぼくの個人秘書が週末のデート相手を探してるんだが”とでも言うんですか」
 ジェイクは大きな笑みを返した。「実務補佐だろう。それから、その点はさりげなくやるよ。約束する。たとえば……そう、ぼくはいろんなカクテルパーティに出席している。仕事がらみだ。これからはきみも連れていく。よき片腕だと紹介するから、きみは会場をまわって顔を覚えてもらって……」
「だめです。だって……わたしはこういう男女の問題は苦手なんです、ミスター・マクブライド」
「ジェイクでいい」
「ジェイク」エミリーは彼に従った。こんな状況では、いつまでもかしこまっているほうがこっけいだ。「ありがたいとは思うけれど、でも無駄です。恥をかくだけです。もし、うまくいきかけても……気のきいた会話だってできないのに」
「そのくらいなんでもない。ぼくが教える」
「ああ、でも……」エミリーは手を振った。「ほかにもあるんです。服のこと。二人の姉によく言われました。わたしには服のセンスがないって」
 ジェイクは一歩後ろに下がると、彼女の頭から足先までゆっくり視線を動かした。「それは簡単に改善できそうだ」
「それからまだ……」エミリーは頬を染めた。「夜、デートの最後にどうすればいいのかも」
「え……?」ジェイクは顔を赤くした。「ああ」
「ゆうべは簡単だったんです。あなたの友だちが……」
「ピートは友だちじゃない」
「つまり彼が、その、キスを迫ってきたときは、空手でやるように手を上げてかまえたから……」
 彼は笑った。「それは何をおいても見たかったな」
「だけど、誰かにキスを迫られて、自分もそれを望んでいても、わたしはきっとへまをやって……」
 ジェイクは体がこわばった。「つまりきみは一度も……」咳払いをして心の中で十まで数え、エミリーは雀だ、つぐみじゃないぞと言い聞かせる。ジェイクの好みは派手な鳴き鳥だ。「心配するな」そっけなく言った。「必要なことはぼくが全部教える。夜、デートの終わりにどうふるまえばいいかも」
 エミリーは赤面し、小さくつぶやいた。「こんな話をしてしまうなんて。わたしったら!」
「教えてあげるよ」ジェイクは優しく言ってエミリーの肩を両手でつかみ、椅子から立たせた。「見ててごらん。ぼくはいい先生なんだ」
 言いながらジェイクは顔を傾け、エミリーの顔を両手ではさむと、彼女の唇にキスをした。


 *この続きは製品版でお楽しみください。

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