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理想の関係 セクシー・ボイス

理想の関係 セクシー・ボイス


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・テンプテーションセクシー・ボイス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 サンディ・スティーン(Sandy Steen)
 広大なテキサスの大地に生まれ育ち、幼いころから読書や書くことが好きだった。広告コピーやスピーチ原稿を書く仕事に携わっていたときに作家と知り合い、ロマンス小説執筆をすすめられる。現在ではハーレクイン・テンプテーションを中心に、愛するテキサスの魅力的な男性をヒーローに据え、コンスタントに作品を発表している。

解説

 現実は、本や映画の中よりもっと残酷で、もっとすばらしい……?
 ■図書館司書のリリーは、固く心に決めていた。なんとしても、二十四年間の清い生活に終止符を打つ。でも、真剣な付き合いは考えていないし、地元の男性が相手では、すぐに噂になってしまう。
 そんなとき、悪評高いボウ・スチュアートが町に戻ってきた。大金持ちでプレイボーイのボウは、私生児としてこの町に生まれ、人々から避けられている。つまり心得があって、手の届くところにいる一時的な相手。ボウなら私の希望にぴったりだ。そのうえ信じられないことに、ボウがわざわざ図書館を訪れ、一緒に夕食はどうかと申し出た。初めての経験に不安がなかったわけではない。けれども唇が触れ合った瞬間、リリーは本能のまま彼を求めていた。

抄録

 とっておきの笑みを浮かべて、ボウはドアを開けた。「こんば――」挨拶をして、深々とおじぎをするつもりだったが、リリーを見たとたん、そんな考えは頭から吹き飛んでしまった。「――んは」これは今日の午後図書館で会った女性だろうか? 眼鏡はそのままだったが、リリーの変身ぶりにボウは呆然とした。息をのむほど美しい。ボウはリリーのなめらかな色白の肌に視線を走らせたあと、口元を見つめた。彼女の唇がこれほどふっくらしていることに、どうして気づかなかったのだろう? さらに華やかに肩までかかる豊かな髪からも目をそらすことはできそうになかった。ボウはかつてほれぼれと眺めた絵の中のエキゾチックなジプシーの少女を思い出した。「リリー?」リリーはすぐにはなにも答えず、一瞬向きを変えて走り去りそうなそぶりを見せた。「どうぞ、あの、入って」
「えっ? あ、はい、どうも」リリーは家の中に足を踏み入れた。
「さあ、手伝うよ」コートを脱ぐのに手間取っているリリーに、ボウは言った。
「ありがとう」
 玄関のアンティークなコート掛けにリリーのコートをかけたボウは、振り向いて棒立ちになった。
 初め玄関先でリリーを目にしたときに大波が押し寄せてきたような衝撃を受けたとすれば、コートを脱いだリリーの姿は津波に襲われたのにも似た衝撃だった。呆然とするという言葉では、リリーの美しさをとうてい表現しきれない。肌にやさしく沿って揺れ動く感じからすれば、素材はシルクに違いない。色はやはり茶系といえそうだが、平凡なところはまったくなかった。しかるべきところに光を受けて濃淡が生まれた深みのある赤茶色のスリップドレスは、体のラインを際立たせている。ボウからすれば、まさしく今夜のデートにぴったりの衣装だった。短めの、セクシーな、そして脱がせやすい服。完璧すぎて信じられないくらいだ。見つめるのをやめなければ、ばかなことをしてしまいそうだった。
 不安のあまり脈が速くなっていたリリーは、驚きに目を見張るボウを見た瞬間、大枚をはたいて買い物をし、あれこれ悩んだかいはあったと自信を得た。
「君の、その……」我に返ったボウは、なんとかよだれをたらす前に先を続けた。「スリップドレスはなかなかいいね」スリップドレスの下の体は言うにおよばず。
「気に入った?」
「ああ、気に入った」笑みを浮かべて、ボウはリリーに歩み寄った。あまりに近寄られて、リリーは息もできない。「もちろんだよ、ミス・マシューズ」ボウは手を伸ばし、リリーの眼鏡をはずした。「君は美人だ」
 リリーはあわてて顔に手をやった。「まあ、忘れていたわ……眼鏡が必要なのは本を読むときや……夜や――」
「眼鏡はそのスリップドレスに合っているとは言えないが、君に――」ボウはリリーの手をとり、キスをした。「ドレスはよく似合っているよ」
「ど、どうもありがとう」
 リリーはボウの唇に触れた肌が熱くうずくように感じられた。実際、衝撃は広がり、まるで肌にしみこんで血管の中に入った気がした。くらくらする。心地よく酔いしれる気分だった。そのときリリーはボウの目をのぞきこんだ。本の好きなリリーの人生は言葉にあふれていたが、心を奪われるとか、うっとりするとかいう言葉の真の意味をこのとき初めて実感した。ボウの瞳はただ青いのではなく、炎の揺らめきを映し、瞳の奥深くでその色合いが変わる。まなざしはキスをした唇と同じく熱く燃え、実にセクシーだった。ふいにリリーは、炎に魅せられ、おびき寄せられて命を落とす蛾の気持ちがわかったような気がした。いつまでもあずけていたいと思いながらも、リリーはゆっくりと手を引っこめた。
「あの、予約はしてあるの?」
「予約?」
「ええ、ほら、レストランの」
 ボウはうしろに下がった。賢明な動作だった。もし自分の望むままに動いていたら、息ができなくなるまでリリーにキスをしていただろう。それはもっとあとのことだ。今はまず、リリーに逃げ出されないように、レストランへは行かないということをうまく話さなければならない。「飢えているのかい?」
 ええ、あなたにはわからないでしょうけれど。「いやになるくらい、本当に」
 ボウは眉をひそめた。
「どうかした? レストランの予約はとれなかったの?」
「どう説明すればいいのか……実際、僕が勝手に決めすぎたかもしれないが、しかし……」
「しかし、どうしたの?」
「いいものを見せてあげよう」ボウはリリーの手をとり、木製の両開きのドアの前へ連れていった。「さて、僕が出すぎたまねをしているなら、君のコートをとって、すぐに二人でここを飛び出そう」
「なんのことかわからないわ」
「家での夕食がすてきだろうと思ったんだ」ボウはドアを開き、くつろいだ雰囲気に仕上げた書斎を見せた。「ところで、断られる前に――」
「こんなこと想像もしなかったわ。とてもすばらしい考えね」リリーはやさしくほほえんで、部屋に入った。
「ああ、よかった……安心したよ。君が誤解して怒るかもしれないと心配だったんだ」
「明らかに大変な手間をかけているのに、腹を立てるわけがないでしょう。まったく反対よ」なおもほほえみながら、リリーは部屋の中を見まわした。「完璧だわ」


 *この続きは製品版でお楽しみください。

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