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ハーレクイン・ロマンスセット 19

ハーレクイン・ロマンスセット 19


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・デジタルセットハーレクイン・ロマンスセット
価格:2,280pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 シャンテル・ショー(Chantelle Shaw)
 イギリスの作家。ロンドン育ちで、頭の中でおはなしを作るのが大好きな少女だった。二十歳で結婚、第一子の誕生とともにケント州の海辺に移り、現在に至っている。浜を散歩しながら小説の構想を練るという。趣味はガーデニングやハイキング。六人の子供の母親でもある。

 ケイト・ウォーカー(Kate Walker)
 イングランド中部ノッティンガムシャーの生まれだが、ブロンテ姉妹の生地ヨークシャーで育った。ウェールズの大学、大学院に学び、ブロンテ姉妹の研究で修士号を取得した。夫とは学生時代に知り合う。児童館の司書から出発し、息子の誕生を機に作家活動を開始した。刺繍や編み物が趣味。

 キャサリン・ジョージ(Catherine George)
 ウェールズ生まれ。早くから熱心な読書家で、その情熱はやがて書くことへと向いた。エンジニアと結婚し、九年間ブラジルに暮らす。その後、息子と娘の教育のためにイギリスに滞在することがふえ、一人で過ごす夜に小説を書くようになる。執筆や読書の合間に料理やオペラ、骨董品を見て歩くことを楽しんでいる。

 キャロル・モーティマー(Carole Mortimer)
 ハーレクイン・シリーズでもっとも愛され、人気のある作家の一人。1978年にイギリスでデビューして以来、これまでに刊行された作品は実に百冊を超える。十四歳のころからロマンス小説に傾倒し、アン・メイザーの作品に感銘を受けて作家になることを決意した。キャロルは三人兄妹の末っ子としてイギリスはベッドフォードシャー州の小村で育った。一時は看護師を志したが、転倒した際に痛めた背中が治りきらず断念。その後、某有名文房具メーカーのコンピューター部門に勤め、そこで働く間に時間を見つけて小説を書くようになった。物語を書くときに一番楽しいのは、ヒロインとヒーローの性格を考えるとき。書いているうちに徐々に主導権がヒロインとヒーローに移り、いつのまにか彼らが物語を語りはじめるのだという。現在キャロルは“イギリスで最も美しい場所”マン島に、夫と子供たちと住む。

解説

 ★お得なセット価格★ハーレクイン・ロマンス4作品収録

 『炎の一夜が授けた命』―株主会議に出るようニコロを説得しろ――上司の命でソフィーはチャッツフィールド邸に赴く。そこで彼女が見たのは、半身を傷痕に覆われた傲慢な億万長者の姿だった。

 『シークの不幸な許嫁』―父親から政略結婚を強いられているクレミーのもとに、使者のカリムが迎えに来た。クレミーは彼の正体が隣国の皇太子とは知らずに恋に落ちてしまい……。

 『イタリア富豪は甘く償う』―フィレンツェで、ローズは実業家ダンテに再会する。彼は4年前、一夜をともにしたローズを捨て、婚約者と結婚した。そのとき彼女に子供を授けたとも知らず……。

 『少女でも淑女でもなく』―ジュリエットは運命を呪った。著名な書評家ジェイクにデートに誘われたが、彼には自分の小説を酷評されたばかりだった。彼女は素性を隠して誘いに応じるが……。

抄録

 ニコロはシャツをつかむなりボタンを引きちぎって胸をあらわにし、赤く引きつれた火傷の痕をさらした。
「これが火事の力だ。二十年近くたっても、ぼくの体はまだこんなに醜い。火傷をした直後のただれた肌を目にせずにすんで、きみは幸運だ」
 昨夜ソフィーが火傷の痕を見たのは、スタンドのほの暗い明かりの下でだった。いま、窓から差しこむ夕日の光のなかで見ると、火傷の範囲がはっきりとわかった。上半身の右側は黒っぽい胸毛に覆われているが、左側の皮膚は引きつれて色がなくなり、胸毛もない。
 ニコロは歯を食いしばったまま、ソフィーの顔をよぎるさまざまな表情を見守っていた。彼は自分の醜さを恥じ、彼女の目に浮かぶ嫌悪の表情に傷ついた。いったい何を期待していたのだ、と自分に問いかける。彼女が火傷の痕を見てぞっとするのは当然だ。どうでもいいさ、とニコロは胸の内でつぶやいた。どうせ彼女は敵側から送りこまれてきた人間だから。にもかかわらず、いつの間にか彼は願っていた。ソフィーが火傷の痕ではなく、ぼくという人間そのものを見てくれればいいのに、と。
「これで火の威力がわかっただろう」
 彼の声に苦痛の響きを聞きとり、ソフィーは胸が痛くなった。ニコロがじっとこちらの反応をうかがっているのがわかる。
 十年前、髪がほとんどなくなった頭を鏡に映して泣いた日のことが脳裏によみがえった。こんな頭ではデートもできないと、当時は思ったものだった。いまソフィーの髪は元に戻り、再発の兆候もない。一方、ニコロは一生火傷の痕をつけたまま生きていかなくてはならないのだ。強靱な見せかけの下に、ニコロもまたかつてのソフィーと同じように、外見に対するコンプレックスを隠しているのだろうか。
 あなたは怪物なんかじゃない――ソフィーはもう一度ニコロにそう言いたかったが、たとえわずかでも同情の気配のあるものは彼に拒絶されるだろうと本能的に感じとっていた。それでも、彼の葛藤が理解できることをなんとかして伝えたくて、ソフィーは彼に近づき、かすかな躊躇のあとで片手を彼の火傷の痕に置いた。
 ニコロの体がびくっと震えたが、それは痛みのせいではなく驚きのせいだとわかった。
「蝋燭を飾ったこと、本当にすみませんでした。あなたが火事で恐ろしい目に遭ったことに思いを馳せるべきでした」ソフィーは指先で軽く火傷の痕を撫でた。「これがあるかぎり、火事のことを忘れるなんてできないでしょうね。でも、この火傷があなたのすべてではないわ」
 ニコロはじっとソフィーを見つめた。彼の黒い瞳は魂まで見通せそうなほど底知れぬ深さをたたえていた。
 彼は胸に置かれたソフィーの手に視線を落とした。「気味が悪いとは思わないのか?」
「もちろん思いません」ソフィーの表情は率直で誠実だった。
 柔らかなそよ風に乗って、フレンチドアからスイカズラとオレンジの花の香りが運ばれてくる。静寂のなかで、ソフィーは自分の呼吸がわずかに乱れるのを感じた。二人のあいだの空気がかすかに変化し、手のひらにニコロの力強い鼓動を感じる。
 ふいに、彼に触れていることがひどく親密な行為のように思われた。手を離さなければいけないと思うのに、何か見えない力が働いて手を動かすことができない。同じ力を感じたかのように、ニコロの目が細くなった。彼は片方の手をソフィーの肩に添えて、彼女の髪を指に巻きつけた。
「きれいな髪だ」ニコロがつぶやく。
 その言葉がソフィーの心を激しく揺さぶった。再び髪が生えたことをいまほど感謝したことはなかった。十年たったいまも、彼女の心の奥には、髪を失ったせいで一生恋人ができないかもしれないと不安でたまらなかった十六歳の少女が住みついているのだ。
 ニコロの片手が彼女の顎を包みこんだ。ゆっくりと彼の顔が近づいてくる。キスをしようとしているのだと気づいて、ソフィーの下腹部がきゅっと引きしまった。キスをしてほしい。それは否定のしようがなかった。初めて会ったときから、ニコロとのキスを夢想していた。そしていま、唇に彼の温かな息を感じて、彼女の心臓は飛びだしそうなほど大きく打っていた。
 ソフィーへの怒りがいつ欲望に変わったのか、ニコロは自分でもわからなかった。きのう彼女を肩にかつぎあげて家の外に運びだしたときから、二人のあいだに官能の気配が漂いはじめたことは、心の奥で意識していた。あのときからニコロはなんとかして彼女を無視しようと努めてきた。ところが、ソフィー・アッシュダウンを無視するのは簡単ではなかった。キスをしたいというこれほど激しい衝動を感じるのはずいぶん久しぶりだった。ソフィーの体の震えが、彼女もニコロと同じくらい混乱していることを教えていた。
 シルクのような蜂蜜色の髪に指を入れる。ソフィーがはっと息をのむのがわかった。彼を止めようとしているのかもしれないが、彼女が声を出す前に、ニコロは激しく唇を押しつけていた。
 抵抗の声はソフィーの喉の奥で消え、ニコロの唇が触れたとたんに彼女の体は柔らかく溶けだした。心のどこかで自分の降伏の早さにショックを受けながらも、キスが深められ、力強い腕に抱き寄せられると、もはやほかのことはどうでもいいような気がしてきた。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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