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年上と恋に落ち

年上と恋に落ち


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・リクエスト
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ミランダ・リー(Miranda Lee)
 オーストラリアの田舎町に、四人兄弟の末っ子として生まれ育つ。スポーツが大好きな子供で、本を読むよりは外で遊ぶほうが好きだったという。父は教師、母は才能あるドレスの縫製師という家庭に育ち、全寮制の学校を出てクラシック音楽の勉強をしたのち、シドニーに移った。幸せな結婚をして三人の娘に恵まれたが、家にいて家事をこなす合間に姉エマ・ダーシーのすすめでロマンス小説を書き始める。趣味は幅広く、長編の物語を読むことからパズルを解くこと、そして賭事にまで及ぶ。小説を書くときのアイデアは、普段読む新聞、雑誌、小説、伝記、テレビ、そして少なくとも週に一度は見に行く映画から得る。現実に自分のまわりにいる人たちを登場させることはなく、“いつ私をヒロインにしてくれるの?”という娘たちの問いかけに、“決してないわ”と答えつづけているという。

 ヘレン・ブルックス(Helen Brooks)
 イングランド中部ノーサンプトンシャー在住。敬虔なクリスチャンであり、家事や育児にいそしみ、三人の子供を育てた。書くことは長年の夢だったが、実際に執筆に取り組んだのは四十代に手の届く頃。現在は次々に作品を発表している。

解説

 ジャスティンは緊張のあまり、逃げ出したくなった。これまで誰かを誘惑したことなんて一度もない。だが、今目の前にいる銀行の担当者マーカスを誘惑できなかったら、父親が遺した多額の借金のせいで、家まで失ってしまう。女の魅力を生かせば、彼からは融資を引き出せるという噂だ。ほんとうは私の体を差し出すつもりはないことを悟られないようにしなくてはならないけれど……(『炎と燃えた夏』)。

 それは誰の目にも理想的な結婚に見えた。ザックはどんな女性も虜にしてしまうような男性で、しかも大企業の経営者。ヴィクトリアも上流家庭の生まれで、このうえなく美しい二十歳の輝ける花嫁だった。ふたりは愛し合って結ばれたと、ヴィクトリアは信じていた。初夜の明けた朝、ザックが愛人のもとに駆けつけたと知るまでは(『美しき夢破れ』)。

 *現在、配信中の『美しき夢破れ』と一部内容が重複しています。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 ジャスティンは言葉が続かなかった。「でも、でも……」
「どうした」彼はさらりと言う。「僕と友だちになれないわけでもあるのかい、ジャスティン? 嫉妬するボーイフレンドはひとりもいないと言ったばかりじゃないか。僕のほうなら離婚してるし、今はつき合っている女性もいない」
 暗い瞳で体を眺めまわされると、ジャスティンは胃がきゅっと縮んだ。私だってばかじゃない。彼はトゥルーディと私のような友だち関係を望んではいない。彼が言うのはボーイフレンドだ。でも、彼は“ボーイフレンド”という言葉で表現できる人じゃないわ。“情夫”と言ったほうがふさわしい。
 マーカス・オズボーンは私の体を求めている。
 なんてこと!
 トゥルーディは間違っていなかった。マーカスは私に惹かれている。融資の件も、絵やアンティークを買おうと言ったのも、おそらく公正な判断や思いやりからではなく、私の体が欲しかったからだ。
 結局、彼もウェード・ハンプトンとさして変わらない人間だった。ただやり方が巧妙だっただけ。
 本当ならここで憤慨すべきところだ。銀行を訪れた先週の金曜の自分なら、かんかんに怒っていただろう。土曜にフェリックスのパーティに顔を出した自分なら、きつく言い返していた。今朝彼のオフィスに行った自分なら、不快な顔を見せていた。
 けれど、それ以来何かがジャスティンの中で変わっていた。母の言葉どおり、これまで会ったどんな男性より、マーカスは私を神経質にさせる。
 さっき彼を迎えたときから、実際いつもの自分ではなかった。興奮してよくしゃべり、なれなれしい態度を見せて、その上服まで脱がせてしまった。彼に触れてみたいと無意識に思っていた? 広い肩が本物か、上手な仕立てのせいか確かめたかったの?
 触れた感じでは確かに本物だったけど。
 ジャスティンは彼を見つめ、何も着ない彼はどんなかしらと考えた。考えてよけいに気持が動揺した。体中の血が熱くなり、首から顔がほてっていく。
 そんな……。トゥルーディは別の点でも正しかったというの? 怒ったりいらついたりした裏で、私は初めからマーカスの男の部分に惹かれていた?
 まさかという思いと現実とが激しくぶつかった。マーカスは私を求めている。私を手に入れるためなら、たぶんなんでもする。道徳基準を下げ、大切な決めごとを破り、自分こそ正しいという態度さえ曲げるかもしれない。そう思うと愕然とした。
 何をどうすべきか、もうまるでわからない。
「ジャスティン? どうかしたかい」
「なぜ友人になりたいの?」とっさにそうきいていた。「私を好きでもないのに」
 彼と目が合った。ジャスティンは視線をそらすことができなかった。急にセクシーさを帯びた彼の瞳にあっさりと拘束され、心臓が激しく鼓動した。
「ジャスティン」かすれた声で言うと、彼は右手の指先で頬をすっとなでてきた。
 立ちすくんで目を見開いている間にも、彼が頭を下げてきて二人の唇が接近する。キスをするつもりなんだわ。そのキスを私は受け入れようとしている。
 何も起こってないんだとごまかすように、固く目をつぶった。私がこのままマーカスにキスを許すなんてことがあるの? とても考えられない!
 彼の唇がかすめると、小さく声がもれた。離れるとなぜか苦しくて、だだをこねるようにまた甘い声が出てしまう。こんな一瞬だけのキスで終わるのかと思うと、とたんに胸の詰まるような切なさを感じ、今度は背伸びをして自分から唇を押しつけた。
 彼はうめいた。今まで軽く顔に触れていた手を即座に首の後ろにまわすや、唇はとらえたままでしっかりと彼女のうなじを支えた。もう一方の手は腰の後ろ側まではわせ、そこでぐいとジャスティンを抱き寄せる。体全体が彼にぴったりと張りついた格好になった。胸も、おなかも、腿も、どこもかしこも彼と触れ合っている。
 信じられない気持だった。彼から受けるこの感覚。彼の体、体温、今も休みなくキスを続ける彼の唇。こんな経験は初めてだ。キスがこれほどの興奮と欲望を引き起こすものだとは思いもしなかった。もっとキスが欲しい。もっと彼を知りたい。彼の責め苦に、思わず声をもらして唇を開いた。彼が次の行動に移るにはそれだけで十分だった。
 舌が触れ、奥まで入ってきた。ほかの男性のときは嫌悪感しかなかったのに、マーカスにかかると、理性を見失うほどの快感が、どんどんふくれ上がっていく。突き上げてくる欲望は終わりがなかった。そのとき、唇が離れようとしたので、ジャスティンは彼の両肩をつかんで再び唇を合わせ、あとになれば自分でも唖然とするような強い衝動に駆られて舌を差し入れた。
 マーカスはようやく唇を離すと、ジャスティンを強く抱きしめた。「君に人前でキスはできないな」かすれた声でつぶやく。彼の胸がジャスティンの胸で上下した。「ああ、ジャスティン……」
「もう一度よ、マーカス」ささやいて顔を上げた。
 彼はその顔に手を添えると、初めからキスをくり返した。ジャスティンは再び目を閉じ、苦しさにあえぐように何度も息を吸った。まぶたにキスをされたときには、そのたびに小さな声がもれた。
「君が欲しい」彼はくぐもった声で言い、息を乱している彼女の唇にようやくキスを戻した。「君もそうだと言ってくれ」キスが唇の上をさまよう。ジャスティンは期待と興奮で死にそうだった。「感謝の意味で従っているだけじゃないんだろう? 本心だと言ってくれ、ジャスティン。言ってくれ!」
「そうよ」言葉にできたのはそれだけだった。頭がくらくらする。動悸が激しい。「そうよ」ジャスティンは再び彼の唇に溶けていった。


 *この続きは製品版でお楽しみください。

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