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愛する天使

愛する天使


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 キャサリン・スペンサー(Catherine Spencer)
 三十数年前にイギリスからカナダのバンクーバーに移り住む。英語の教師からロマンス作家に転身。カナダ人の男性と結婚し子供にも恵まれ、現在は孫もいる。あいた時間があれば、ピアノを弾いたり、アンティークショップをのぞいたり、庭の手入れをしたりしている。

解説

 フィアンセに捨てられた花嫁が見ず知らずの男性に拾われて。

 ■教会の祭壇の前で待っているはずの男性はついに現れず、ウエディングドレス姿のジェナは別れを告げる短い手紙を受け取った。大騒ぎになった教会をそっと抜け出した彼女が向かったのはハネムーンを過ごす予定だったロマンチックなホテル。捨てられた花嫁がそこにいるとはだれも考えないだろう。一人になりたかった。でも、これほど深い孤独を味わうなんて。ホテルのダイニングルームで飲み慣れないスコッチを飲み、ジェナは悲しみに耐えきれなくなって人目もはばからず泣きだした。好奇の目が集まるなか、一人の男性が現れて彼女を救う。エドマンド・デラニーはさりげなくジェナの身の上話をきき出し、魅力的な笑顔と話術と思いやりで、傷ついた彼女の心を慰めた。フィアンセに裏切られたばかりなのに……。初対面の彼に心惹かれる自分がジェナは信じられなかった。

抄録

 なんだ? この心か? あり得ない! 僕は三十五歳で、十五歳とは違う。知り合って二十四時間の美人が言うことを真に受けるほど無知ではない。では良心か? そんなものは荒れ狂う欲望のわめき声の中で、必死に聞いてもらおうとする息も絶え絶えなささやきだ。だったら、一日一善か? それもないな。彼女にボーイスカウトのメンバーじゃないと言ったのは本当のことだ。
「こんなことをするべきじゃなかった」
 ジェナは反論しなかった。あたかも自分の守護天使を見つけたように、柔らかい小さな手を伸ばして彼の頬に触れただけだった。
「ジェナ」エドマンドはしわがれ声で言った。「不幸を招く結果になるぞ」
 ジェナは彼のウエストを抱いて、胸に頭をもたせかけた。「不幸なら昨日どん底まで経験したわ。でもあなたのおかげで運が向いてきたの」
「先に進む前に」消えゆく自制心に懸命にしがみつきながら、エドマンドは言った。「なぜこういうことになったかを理解するべきだよ」
「エドマンドったら」ジェナは彼の胸に手を滑らせてささやいた。「ありもしない答えを捜すのはもううんざりよ。ときには、理由や予告なしに起こることもあるわ。一度くらい明日を思い煩わずに、今だけに生きてはいけないかしら?」
「というと?」
「私たちの気持ちに従うのよ」
 意味が通じない場合に備えて、ジェナはまた唇を寄せた。
 エドマンドは最後にもう一度、理性で反論しようとした。「君の心はほかの男に縛られている。代役にされるのはごめんだよ」
「私だって、そんな気はないわ」
 彼女の肌は滑らかで温かく、花の香りがした。息遣いは荒く、脈は激しく打っている。
「お願い、私を抱いて。傷つく前の私に戻らせて」
「ここではだめだ」エドマンドはかすれた声で言って、彼女をホテルへ戻る道に促した。
 ロビーに人影はなく、エレベーターのドアは開いていた。ジェナのあとから乗り込むと、エドマンドは四階のボタンを押し、ドアが閉まりきらないうちにまた彼女の唇を求めた。ジェナはエドマンドの髪に指を絡ませ、唇を開いて彼の舌を迎え入れた。
 彼女は僕を狂わせる! そうでなければ、ストップボタンを押してエレベーターの床で愛し合いたい衝動をどう説明するんだ?
 ベルが軽くちんと鳴ってドアが開いた。「まさにゴングに救われたよ」エドマンドはエレベーターを降りると、ジェナを引っ張って廊下を急いだ。
 月明かりが彼の部屋の隅を暗く残し、ベッドを紫色に照らし出していた。ジェナの肌は青白いシルクのような光沢を帯び、髪は黒いサテンのように輝いている。エドマンドは誘惑を少しは上品なものにしようと、彼女の顔をそっと両手で包んで唇を重ねた。
 だが彼女の感触は瞬時に分別を奪った。エドマンドは彼女の着ているものをむしり取っては横にほうり、やがて豊かな胸のふくらみを両手に包んで口に含んだ。わずかに残った力を吸い取られていくようにジェナはくずおれ、震えがその体を走った。
 二人はもどかしげにお互いの体の隅々まで手をさまよわせた。エドマンドは布が破れるかすかな音を聞いた。僕のシャツか? 彼女のショーツか?
 そんなことはどうでもいい。今、何より急を要するのは二人が肌を重ねることだ。彼女にキスした瞬間から彼に忍び寄っていた原始的な欲望は、これ以上一瞬でも抑えられることを拒んでいる。
 エドマンドは敗北のうめき声をあげると、ジェナを床に押し倒して彼女の奥深く自分をうずめた。その直後、最初の強烈な感覚の波にさらわれて果てた。
 ジェナは彼の下に横たわって唇を震わせながら、大きく開いた目に失望を浮かべた。
 エドマンドは頭を下げ、額をつけてささやいた。「すまない、スイートハート」
 ジェナは手を上げ、人さし指で彼の上唇の輪郭をなぞった。「いいのよ」
「いや、よくない」
 エドマンドはジェナの手を取って浴室へ行くと、シャワーを出し、水温が上がるのを待って一緒にしぶきの下に入った。そして彼女の緊張が消えるまで、美しい背筋や腕や脚を石鹸で洗った。彼女の目はうっとりと焦点を失っていった。
 今度はジェナが石鹸を取って、彼の体にゆっくりじらすように泡を塗りつけていく。
 二度目の破滅に追いやられる前に、エドマンドは慌ててその手をとらえた。「やめてくれ!」
「もうしないの?」ジェナは当惑して尋ねた。
「もちろんするさ。でも今度は時間をかけよう」
 二人はそうした。暖炉に燃える火、ブランデー、柔らかなベッド、お互いの中に秘められた快楽を見つけたときに男女が交わすようなささやき。それらを楽しみながら、ゆっくり愛撫し合った。
 エドマンドはジェナの全身をくまなく探り、彼女が情熱に砕け散りそうになったときは固く抱き締めた。ジェナがまだ絶頂に達することができないと訴えると、エドマンドは彼女の中に自分を深くうずめて、彼となら一緒に到達できることを教えた。
 真夜中をいくらか過ぎて、ついにジェナが眠りに落ちたとき、エドマンドは思った。彼女がここにいないマークの夢を見ることはなさそうだ、と。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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