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誓いのバレンタイン

誓いのバレンタイン


発行: ハーレクイン
レーベル: MIRA文庫mirabooks
価格:300pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★☆☆1
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解説

 天上界では何世紀にもわたって聖者バレンタインとギリシアの神エロスが論争していた。ロマンスが実るには魂と肉体のどちらが大切か? そしてついに賭で決着をつけることになった。地上で最も相性の悪い男女を選び、バレンタインデーまでに双方力を尽くしてこの男女を結びつけようというのだ。選ばれたのはシャノンとパトリック。そんなことは露知らず、シャノンは妹の離婚裁判で義弟側の弁護士パトリックと出会い……。

抄録

「妹さんはうまくいったほうですよ。彼女の受け取ったものの半分は、こっちにもらえたはずです。あれはみんな夫婦共有財産だし、そういうことに関して僕の腕は確かですからね。妹さんは全部もらえて運がいいですよ」
「バレンタイン・パズルと引き換えなら、妹はなんだって差し出したはずだわ」シャノンは言い返した。神経質な、おどおどした気持はもう消えていた。
「理由がわからないな。それ自体、たいして値打ちのあるものじゃないでしょう。単なる感傷で……」
「だからこそハロルドはこれをほしがったのよ。彼がそれほど底意地の悪い人だとは思わなかったけど。きっとあなたの入れ知恵でしょうね」
「僕の? おかしなことを言わないでくださいよ、ミス・ドネリー。僕は依頼人が何をほしがろうと、これっぽっちも気にかけませんよ。弁護料を払ってくれさえすればね」
「それがいちばん大事なんでしょうね、きっと」
「非常に大事です。僕はさほど卑劣漢ではないですよ、あなたはそう信じたがってるようだけど。僕はただ、自分の仕事をしているだけです」
「ナチの軍隊もそう言ってたんじゃなかったかしら?」
 パトリックは笑った。「君の気性は、髪の色とぴったりだね」
「よしてください。赤毛の人間はかんしゃく持ちだというばかばかしい定説には我慢ができないんだから」
「失礼。では言い直そう。君は赤い髪をしていて、かんしゃく持ちだ」
「私はとび色の髪で、正当な嫌悪感を持っているのよ。あなたは妹の気持を踏みにじったんですから、ミスター・ロックウッド」
「もしだれかが妹さんの気持を踏みにじったとすれば――それにも疑問の余地はおおいにあるが――それはハロルド・ラスムッセンじゃないのかな」パトリックは静かに指摘した。
「妹の胸は張り裂けてないと言うの?」
「胸はそう簡単に張り裂けないと思いますね。まあ、そんなことを言い合う必要もない。ハロルドとモイラ・ラスムッセンのもめごとはもう決着が着いたんだから」
「みごとにね」シャノンはつぶやいた。
「昼食を一緒にどうですか」
 シャノンは信じられないように彼を見た。「なんですって?」
「一緒に昼食をどうかと誘ったんです」パトリックは一見冷静に言った。
「なぜ?」
 彼は苦笑した。「なぜかなんて、わかるもんか。たぶんだれかににらまれながら食べるほうが食欲が増すのかもしれないな」彼はベルベットの袋を、シャノンの胸にさわらないように注意しながら取り上げた。彼女は抵抗しなかった。驚きで、にらみ方が弱くなっている。なぜこの女は自分たち二人が引かれ合っているのに気づかないのかと、パトリックは不思議に思った。あるいは逆らうのに忙しくて気づかないのかもしれない。
「私のほうは、敵と食事をすると食欲が落ちるんです」シャノンは無表情に言った。
「敵と寝るのはどう?」そんなことを言うつもりはなかった。シャノンと同じくらい、パトリック自身も驚いていた。けれど彼女の反応を見て、言っただけの値打ちはあったと思った。ショックで柔らかな唇は半開きになり、ブルーの目は大きく見開かれた。
「よくもまあ、ずうずうしくそんなこと!」シャノンは息をのんだ。「あなたとは知り合いでもないのに」
 パトリックは苦笑した。「もっとゆっくり話を持っていくつもりだったのに、君が穏便にするチャンスを与えてくれそうになかったから」
「私はあなたを好きじゃないわ、ロックウッドさん。あなたは冷たくて、計算高くて、意地悪だもの。あなたがどうして私を好きなのかわからないわ」
「べつに好きじゃない」パトリックは素直に言った。「好きということと、これと、どう関係があるんです? 僕はたまたま君に強く引かれている。正直言ってなぜなのかわからないけど、君とベッドに行きたいことだけは確かだ。君が逃げ出してしまいそうなので、口に出して言おうと思ったんだ」
「海の底に沈む百人の弁護士って言ったら、どういう意味かわかる?」シャノンが今にも爆発しそうな声でたずねた。
「教えてくれるんだろうね」パトリックが疲れたように言う。
「さいさきがいいっていう意味よ。それではさよなら、ロックウッドさん」シャノンは身をひるがえした。そのときパトリックが肩に手をかけて止めた。
 彼女は凍りつき、彼も凍りついた。手の下の肌は熱く、生き生きと脈打っている。シャノンは彼を見上げた。青い目は大きく、きらきらと輝き、ソフトに開いた唇は反抗と驚きをあらわにしている。
 あとで考えてみても、どうしてそんなことをしたのかわからない。パトリックは頭を下げて彼女にキスをした。唇を重ね、体をぴったり寄せ、頭をかき抱いて、彼女の体を閉まったドアに押しつけた。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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