マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインサマーシズラー

サマー・シズラー2015 真夏のシンデレラ・ストーリー

サマー・シズラー2015 真夏のシンデレラ・ストーリー


発行: ハーレクイン
シリーズ: サマー・シズラー
価格:1,000pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 未評価
◆レビューを書く

¥0サンプル
購入する


著者プロフィール

 アニー・バロウズ(Annie Burrows)
 つねに本を読んでいるか、頭の中で物語を創作しているような子供だった。大学では英文学と哲学を専攻し、卒業後の進路は決めかねていたところ、数学専攻のハンサムな男性と出会い、結婚する決心をしたという。長年、2人の子供の子育てを優先してきたが、彼女の頭の中にある物語に興味を持ってくれる人がいるかもしれないと思い、小説を書きはじめた。

 リズ・フィールディング(Liz Fielding)
 イングランド南部バークシャー生まれ。二十歳のときアフリカに渡り、秘書の仕事に就いた。土木技師と結婚し、その後十年間をアフリカと中東で暮らす。夫は激務で、彼の帰宅を待つ長い時間、ものを書いて過ごすうち作家の道に。現在はウェールズに住んでいる。夫とのあいだに二人の子供がある。

 デビー・マッコーマー(Debbie Macomber)
 四人の子供を育てながら作家になる夢をかなえ、いまや大ベストセラー作家に。100作を超える著作は世界中で6000万部も出版され、多くの人に生きる勇気を与えている。ワシントン州ポートオーチャードに住む。

 キャロル・モーティマー(Carole Mortimer)
 ハーレクイン・シリーズでもっとも愛され、人気のある作家の一人。1978年にイギリスでデビューして以来、これまでに刊行された作品は実に百冊を超える。十四歳のころからロマンス小説に傾倒し、アン・メイザーの作品に感銘を受けて作家になることを決意した。キャロルは三人兄妹の末っ子としてイギリスはベッドフォードシャー州の小村で育った。一時は看護師を志したが、転倒した際に痛めた背中が治りきらず断念。その後、某有名文房具メーカーのコンピューター部門に勤め、そこで働く間に時間を見つけて小説を書くようになった。物語を書くときに一番楽しいのは、ヒロインとヒーローの性格を考えるとき。書いているうちに徐々に主導権がヒロインとヒーローに移り、いつのまにか彼らが物語を語りはじめるのだという。現在キャロルは“イギリスで最も美しい場所”マン島に、夫と子供たちと住む。

解説

 (1)子爵が見つけた壁の花 アニー・バロウズ/瀬野莉子モールドン
 子爵は花嫁候補一覧を見て絶望した。いずれも難ありだ。舞踏会まで来たものの、居たたまれなくなりロビーへ逃げだしたところ、同じく逃げだそうとしている令嬢にでくわした。一覧には載っていなかったその地味な娘に、彼は妙に興味をそそられ……。

 (2)噂の傲慢社長 リズ・フィールディング/松村和紀子
 タリーは元勤め先の秘書に頼まれ、急遽、社長ジュードの出張に同行することになった。会ったことはないけれど、噂によると、ハンサムだが非情な傲慢社長らしい。不安を胸に待ち合わせ場所へ行くと、なんと以前彼女がエレベーターで一目惚れした男性が現れた!

 (3)シンデレラは涙をふいて デビー・マッコーマー/大谷真理子
 元婚約者の手ひどい裏切りに傷ついたダーニは、心機一転して新しい人生を歩もうと、住む町も仕事も変える決意をした。首尾よくアシスタントとして雇われるが、ボスのジョンはどういうわけか彼女のことを軽薄な女性と決めつけ、ことあるごとに冷たく当たる。

 (4)高潔な公爵の魔性 キャロル・モーティマー/上村悦
 子公爵マーカスは親友の妹ジュリアナの言葉に耳を疑った。訳あって、彼に愛の手ほどきをしてほしいというのだ。公爵は堕天使のように美しい顔に悪魔の笑みを浮かべた。4年前に伝えるはずだったこの想いを今、彼女にわからせるのだ――身も心もとりこにして。

抄録

「あなたもなのね?」キャサリンは潜めた声で責めた。「あなたも薄汚い花婿候補なんだわ!」
「ぼくは」ダンスが始まり、盗み聞きされる恐れがなくなってから、彼は答えた。「洒落男ボー・ブランメルの教えを信奉しているんだ。毎日欠かさず入浴しているし」気取って言う。「下着にはつねに染みひとつない」
 キャサリンは一瞬絶句したものの、予想にたがわず機転のきいたユーモアで応戦した。「なるほどね。薄汚いというのは取り消すわ。でも、言わせてもらうと」含みのある微笑みを浮かべる。「女相続人をつかまえるあなたの手管は残念ながら役に立ちそうもないわね。シーズン中ずっと鉢植えの陰に隠れているつもりなら、成功はおぼつかないわよ」
「致命的な欠点に気づいたね」モールドン子爵は微笑み、こみ入ったステップを踏みながら左腕でキャサリンを回転させた。「結婚するという考えが、ぼくには恐ろしくてたまらないんだ。だから、五人もいる妹たちの持参金さえぼくの肩にかかっていなければ……」彼は悲愴なため息をつき、一方のキャサリンはいまにも吹きだしそうな顔をした。ダンスの流れでふたりはいったん離れたが、ふたたびそばまで来ると、彼は体を寄せてささやいた。「まだダンスはこれで半分終わったくらいかな? すっかりきみのとりこになったと口説くのは、最後まで待ってからにすべきだろうか」
 それを聞いて、とうとうキャサリンは笑いだし、まわりの人々から非難のまなざしを向けられた。
「あなたって本当に軽くて、いい加減で――」
「だが、薄汚くはない。隙ひとつない装いだってことは認めてくれないと」彼はさえぎって言った。
「あなたみたいにどうしようもなく腹立たしい人にはこれまで会ったことがないわ」キャサリンは最後まで続けた。「いまこの瞬間にあなたの求婚を受け入れたら、いい懲らしめになりそうね」
「求婚なんてしていない!」
「でも、もし求婚してわたしが承諾したら、悲鳴をあげて広間から駆けだして、手近な川に身を投げるんじゃない?」
 モールドン子爵は傷ついた顔をした。「悲鳴をあげるなんて女々しいことはしたことがないし、これからもしない。ただ――」しぶしぶ認めた。「どこか人目のないところに行って、ハンカチに涙をひと粒かふた粒こぼすかもしれないけどね」
「シルクのハンカチね、まちがいなく」キャサリンは手厳しく言った。「あなたって孔雀みたいに見栄っぱりだもの」
「ひどいな」モールドン子爵は悲しげにため息をついた。「ぼくのシルクのハンカチはすべて質に入っていることを思い出させるなんて」
 音楽が最高潮に達し、ダンスが終わった。ミス・マラハイセとモールドン子爵はしばらくその場に立ちつくし、いままで何をしていたのかわからないというように互いを見つめた。
「ありがとう」はっとわれに返り、彼はキャサリンの手を取って唇を押し当てた。「自分にこんなことができるとは思わなかった」物問いたげな目に気づき、説明をつけ加える。「気に入らない女性に取り入ることができるなんて思わなかったよ」キャサリンが不穏な表情を浮かべたのを見て、彼はあわてて言った。「いや、きみのことは気に入っているよ、ミス・マラハイセ。そんな警戒した顔をしないでくれ。ぼくのことは心配しなくていい」無意識に胸ポケットを叩く。「きみはぼくの一覧にはのっていないからね」
「一覧って?」
 モールドン子爵はキャサリンの腕を取り、つき添い役が待つ長椅子のほうへ歩きだした。「花嫁探しをしているまともな男は、落とせそうな女相続人の一覧を持っているものなのさ」
 キャサリンは不快そうに鼻に皺を寄せ、顔をそむけた。長椅子にたどり着くと、キャサリンは冷ややかにダンスの礼を言ったが、その顔があまりに無表情なので、モールドン子爵は広間の明かりがいくらか消されたのかと思ったほどだった。彼が困惑して見つめるなか、長椅子に腰をおろし、頭を垂れて肩を落としたキャサリンは、陽気で愉快な友人からさえない田舎娘に変わっていた。
 拒絶されたような、途方に暮れた気分になりながら、モールドン子爵は出口に向かった。
 そして、ふいに意気を取りもどした。
 これでアクトンの忠告に従ったと言い張ることができる。オールマックスの舞踏会場に出向き、ダンスをしたのだから。踊った相手があのいまいましい一覧にのっている令嬢でなかったことに、一矢報いたような満足感が湧きあがった。
 そして、期待感も。
 まるで型にはまらないミス・マラハイセとのつき合いを深めていくのが楽しみだった。彼女を怒らせて爪を出させ、ほかの男たちからは隠そうと決めているらしい性分を解き放つのはなかなかおもしろそうだ。
 そうとも、そうにちがいない。モールドン子爵はにやりと笑みを浮かべ、ゆっくりと階段をおりて夜気のなかに踏みだした。私生活の牢獄の壁が容赦なく迫りつつあるいま、彼女をからかって本当の姿を引きだすのは、窓を開けて新鮮な空気を吸いこむような絶好の気晴らしになるだろう。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

この本を読んだ人は、こんな本も読んでいます

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。