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シリーズ: ハーレクイン・セレクト
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和書>小説・ノンフィクション>ハーレクイン>ハーレクイン・セレクト

忘れられた愛の記憶【ハーレクイン・セレクト版】
著: イヴォンヌ・リンゼイ 翻訳: 藤倉詩音発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレットみんなの評価 ★★★★☆(1)
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著者プロフィール
イヴォンヌ・リンゼイ(Yvonne Lindsay)
ニュージーランドに生まれ、十三歳の頃からロマンス小説を愛読するようになった。ブラインド・デートで出会った男性と結婚し、二人の子供がいる。読書を通じて人々のさまざまな愛の力を追体験していると言う。
ニュージーランドに生まれ、十三歳の頃からロマンス小説を愛読するようになった。ブラインド・デートで出会った男性と結婚し、二人の子供がいる。読書を通じて人々のさまざまな愛の力を追体験していると言う。
解説
私がこの人の……ルーク・タナーの妻? ベリンダは病院のベッドの傍らに無言で立つ男性を見つめた。長身の体に高級スーツをまとい、輝く緑の目で彼女を見つめている。何も思い出せない。彼と結婚したことも、なぜ事故に遭ったのかも。不安を拭えないままルークに伴われて家に帰ると、そこは夫が経営しているという広大なリゾート内に立つ豪邸だった。ルークがふいにベリンダの手を取り、キスをする。その瞬間ベリンダの体に、甘く激しい戦慄が駆け抜けた。何度も感じた、忘れようのない感覚――体は覚えているんだわ。それなら、ルークが何かを隠しているような気がするのは、妻の勘? 教えて、何があったの? 私たちは本当に愛し合っていたの?
■HQディザイアの人気作家イヴォンヌ・リンゼイの作品を、初めてセレクトからお届けします。ベリンダは夫との濃密な愛の時間だけを頼りに失った記憶を取り戻そうとしますが、明らかになった残酷な真実は、さらに彼女を苦しめることになり……。
*本書は、初版ハーレクイン・ディザイアから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。
■HQディザイアの人気作家イヴォンヌ・リンゼイの作品を、初めてセレクトからお届けします。ベリンダは夫との濃密な愛の時間だけを頼りに失った記憶を取り戻そうとしますが、明らかになった残酷な真実は、さらに彼女を苦しめることになり……。
*本書は、初版ハーレクイン・ディザイアから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。
抄録
「どうしてパパと一緒に帰ってはいけないの? せめて記憶が戻るまでは両親のもとにいてもいいじゃない」わらにもすがろうとしているのは、自分でもわかっている。
「記憶が戻らなかったらどうなる? ぼく達の結婚を永久に忘れろというのか? 誓いの言葉も?」
彼の口調の厳しさに背筋が凍った。もっともな疑問だ。失われた数カ月間の記憶が戻らなかったらどうする? それに、なぜほかのことはよく覚えているのに、彼との交際と結婚については何も思い出せないのだろう? 互いに抱いていたはずの愛情も。
別の衝撃が体を貫いた。この人と親密な関係だったのだろうか? そうに違いない。すでに今も心では認めていないが、体は覚えている。冷淡な雰囲気を戦士のマントのようにまとっているにもかかわらず、彼はとても魅力的な男性だ。その顔をじっと見つめていると、頬が熱くなってくる。かすかにくぼんだ頬骨から顎にかけてのラインには薄いピンクの傷跡があり、鼻筋はまっすぐに通り、唇は官能的なカーブを描いている。この人とベッドをともにし、お互いの匂いや反応や快感を楽しんだのだろうか? この短く刈った黒髪の頭を自分の体に抱き寄せたのだろうか?
一緒に帰るのを拒否されて戦術を変えた男の声は、肌をなでるベルベットのように官能的だ。「ベリンダ、不安なのはわかるが、ぼくはきみの夫だよ。ぼくを信用できなかったら、ほかに誰を信じられるというんだ? 二人で乗り越えよう」男は優しくなだめた。「もし記憶が戻らなかったら、新しい思い出を作ればいいさ」
新しい思い出。そう考えただけで、どうして恐怖を覚えるのだろう?
懇願するような視線を父に送った。「パパ?」
「大丈夫だよ、ベリンダ。それにパパとママが旅行を計画していたのを知っているだろう? 事故のせいで延期したんだ。おまえとルークが回復したから、これで旅行に行けるよ。ルークと一緒に帰りなさい。何も心配ないさ」
父の口調が少しばかり強硬すぎると思うのは気のせいだろうか?
「退院の許可が出たんだ。一緒に家に帰ろう」差し出された左手の薬指には、金色の指輪が光っている。証人の前で愛を誓ってベリンダがはめたものに違いない。
突然自分の指には指輪がないことに気づいた。指輪をはめていたことを示すへこみすらない。
「ああ、そうそう。きみの指輪だ」ルークは上着の胸ポケットから指輪を二つ取り出し、ベッドの横へ進み出た。「ぼくにさせてくれ」
驚くほど温かい指が、優しさと同時にまぎれもない独占欲を示してベリンダの手をつかんだ。ベリンダの中に潜む反発心がつかまれた手を引っこめようとしたが、彼はそれを予期していたように強く手を握りしめてベリンダを立たせた。
長方形カットのホワイト・ダイヤモンドをちりばめたプラチナの指輪が薬指にはめられた。天井の照明を受けて輝く宝石を見て、ベリンダはルーク・タナーの所有物という烙印を押された気がして戦慄を覚え、懸命に身震いをこらえた。別の時と場所でルークに指輪をはめられている光景が頭の中に広がり、デジャヴの衝撃に圧倒された。覚えのある期待と興奮が体を駆け抜ける。
失われた数カ月間のはかない記憶へとつながるその感覚に必死でしがみつこうとしたが、それは現れた時と同じくらいあっという間に消え去り、空虚な孤独感だけが残った。
ベリンダは、ルークの長い指が結婚指輪の隣にもう一つの指輪をそっとはめたのに気づいた。冷たい光を放つラジアント・カットのブルーグレー・ダイヤモンドの両側に長方形カットの小さなホワイト・ダイヤモンドがちりばめられている。中央の石の大きさと美しさに思わず息をのんだ。
「これ……わたしが選んだの?」
ルークの黒い眉根が寄り、よけいに威圧的に見える。「これも覚えていないのかい? 一瞬思い出したかと思ったのに」
どうやら結婚指輪をはめられた時、ベリンダの頭に記憶がよぎったのをルークも気づいていたようだ。相手が自分のことを手に取るように理解しているらしいことを知ってぞっとした。自分が相手のことを何も思い出せないとわかった時より狼狽している。
「いいえ、何も覚えていないわ」
「きみに出会った日に注文した指輪だよ」
「出会った日に? でも、どうして……?」ベリンダは驚いてルークを見上げた。
ルークのまなざしがベリンダの瞳をとらえた。「きみがぼくの妻になることは、その時からわかっていたからだ」
ベリンダの笑い声は自分の耳にも空々しく聞こえた。「そのことについて、わたしは何か言った?」
「ベリンダ」ルークは機嫌を取るように一音節ずつ丁寧に発音して名前を呼んだ。「きみはぼくを愛していたんだ。また愛せるよ」
彼はベリンダの手を持ち上げてキスした。その唇は驚くほど冷たく、ふいに予期せぬ切望で体が震えた。唇にキスされたらどんな感じかしら? 二人の過去や意識の中に閉じこめられた思い出を解き明かしてくれるかしら?
*この続きは製品版でお楽しみください。
「記憶が戻らなかったらどうなる? ぼく達の結婚を永久に忘れろというのか? 誓いの言葉も?」
彼の口調の厳しさに背筋が凍った。もっともな疑問だ。失われた数カ月間の記憶が戻らなかったらどうする? それに、なぜほかのことはよく覚えているのに、彼との交際と結婚については何も思い出せないのだろう? 互いに抱いていたはずの愛情も。
別の衝撃が体を貫いた。この人と親密な関係だったのだろうか? そうに違いない。すでに今も心では認めていないが、体は覚えている。冷淡な雰囲気を戦士のマントのようにまとっているにもかかわらず、彼はとても魅力的な男性だ。その顔をじっと見つめていると、頬が熱くなってくる。かすかにくぼんだ頬骨から顎にかけてのラインには薄いピンクの傷跡があり、鼻筋はまっすぐに通り、唇は官能的なカーブを描いている。この人とベッドをともにし、お互いの匂いや反応や快感を楽しんだのだろうか? この短く刈った黒髪の頭を自分の体に抱き寄せたのだろうか?
一緒に帰るのを拒否されて戦術を変えた男の声は、肌をなでるベルベットのように官能的だ。「ベリンダ、不安なのはわかるが、ぼくはきみの夫だよ。ぼくを信用できなかったら、ほかに誰を信じられるというんだ? 二人で乗り越えよう」男は優しくなだめた。「もし記憶が戻らなかったら、新しい思い出を作ればいいさ」
新しい思い出。そう考えただけで、どうして恐怖を覚えるのだろう?
懇願するような視線を父に送った。「パパ?」
「大丈夫だよ、ベリンダ。それにパパとママが旅行を計画していたのを知っているだろう? 事故のせいで延期したんだ。おまえとルークが回復したから、これで旅行に行けるよ。ルークと一緒に帰りなさい。何も心配ないさ」
父の口調が少しばかり強硬すぎると思うのは気のせいだろうか?
「退院の許可が出たんだ。一緒に家に帰ろう」差し出された左手の薬指には、金色の指輪が光っている。証人の前で愛を誓ってベリンダがはめたものに違いない。
突然自分の指には指輪がないことに気づいた。指輪をはめていたことを示すへこみすらない。
「ああ、そうそう。きみの指輪だ」ルークは上着の胸ポケットから指輪を二つ取り出し、ベッドの横へ進み出た。「ぼくにさせてくれ」
驚くほど温かい指が、優しさと同時にまぎれもない独占欲を示してベリンダの手をつかんだ。ベリンダの中に潜む反発心がつかまれた手を引っこめようとしたが、彼はそれを予期していたように強く手を握りしめてベリンダを立たせた。
長方形カットのホワイト・ダイヤモンドをちりばめたプラチナの指輪が薬指にはめられた。天井の照明を受けて輝く宝石を見て、ベリンダはルーク・タナーの所有物という烙印を押された気がして戦慄を覚え、懸命に身震いをこらえた。別の時と場所でルークに指輪をはめられている光景が頭の中に広がり、デジャヴの衝撃に圧倒された。覚えのある期待と興奮が体を駆け抜ける。
失われた数カ月間のはかない記憶へとつながるその感覚に必死でしがみつこうとしたが、それは現れた時と同じくらいあっという間に消え去り、空虚な孤独感だけが残った。
ベリンダは、ルークの長い指が結婚指輪の隣にもう一つの指輪をそっとはめたのに気づいた。冷たい光を放つラジアント・カットのブルーグレー・ダイヤモンドの両側に長方形カットの小さなホワイト・ダイヤモンドがちりばめられている。中央の石の大きさと美しさに思わず息をのんだ。
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ルークの黒い眉根が寄り、よけいに威圧的に見える。「これも覚えていないのかい? 一瞬思い出したかと思ったのに」
どうやら結婚指輪をはめられた時、ベリンダの頭に記憶がよぎったのをルークも気づいていたようだ。相手が自分のことを手に取るように理解しているらしいことを知ってぞっとした。自分が相手のことを何も思い出せないとわかった時より狼狽している。
「いいえ、何も覚えていないわ」
「きみに出会った日に注文した指輪だよ」
「出会った日に? でも、どうして……?」ベリンダは驚いてルークを見上げた。
ルークのまなざしがベリンダの瞳をとらえた。「きみがぼくの妻になることは、その時からわかっていたからだ」
ベリンダの笑い声は自分の耳にも空々しく聞こえた。「そのことについて、わたしは何か言った?」
「ベリンダ」ルークは機嫌を取るように一音節ずつ丁寧に発音して名前を呼んだ。「きみはぼくを愛していたんだ。また愛せるよ」
彼はベリンダの手を持ち上げてキスした。その唇は驚くほど冷たく、ふいに予期せぬ切望で体が震えた。唇にキスされたらどんな感じかしら? 二人の過去や意識の中に閉じこめられた思い出を解き明かしてくれるかしら?
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