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発行: ハーレクイン
シリーズ: シルエット・スペシャル・エディション、 ホワイトホーン・マーヴェリック
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和書>小説・ノンフィクション>ハーレクイン>シルエット・スペシャル・エディション

恋は謎めいて ホワイトホーン・マーヴェリック I
著: スーザン・マレリー 翻訳: 早川麻百合発行: ハーレクイン
シリーズ: シルエット・スペシャル・エディション、 ホワイトホーン・マーヴェリック
価格:500pt
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレットみんなの評価 (未評価)
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著者プロフィール
スーザン・マレリー(Susan Mallery)
USAトゥデイ紙や大型書店などのベストセラーリストの常連で、ユーモアと情感あれるロマンスで根強いファンを獲得。その作品数は百作以上にもおよぶ。雨の多さばかりが大げさな話題となり、締め切り前になるとお世話になる大量のコーヒーでも有名な土地ワシントン州に居を構える。最近は刊行される作品が着実に売り上げを伸ばし、ニューヨークタイムズ紙のベストセラーリストにも登場。多くの読者から支持を得る人気作家となっている。
USAトゥデイ紙や大型書店などのベストセラーリストの常連で、ユーモアと情感あれるロマンスで根強いファンを獲得。その作品数は百作以上にもおよぶ。雨の多さばかりが大げさな話題となり、締め切り前になるとお世話になる大量のコーヒーでも有名な土地ワシントン州に居を構える。最近は刊行される作品が着実に売り上げを伸ばし、ニューヨークタイムズ紙のベストセラーリストにも登場。多くの読者から支持を得る人気作家となっている。
解説
ダーシーは、昼はカフェのウェイトレスとして、空いた時間は手作りのパンや菓子を売って暮らしている。隣人の刑事マークは彼女の人柄に惹かれ、親密な関係を持つが、ダーシーの部屋であるものを見つけてから考えが一変する。“彼女はいったい何者なんだ?”
抄録
「あなたはもっと笑うべきだわ」ダーシーは言った。
マークの笑みがすっと消えた。「いつも笑っていられるほど、人生は楽しいものじゃない」
「かもしれないわね。でも、たまには思いがけなく楽しい出来事に出会うこともあるじゃない。たとえば今夜とか。初めはあなたとの食事がどうなるかと、不安だったわ。でも楽しかったじゃない。思っていたより気楽におしゃべりができたし」
「その点は認めるよ」マークは言った。「本当は、来るのはあまり気が進まなかったんだ。いつも食事のメニューにあれこれ口出しをするきみのことだから、きっとどこかにこっそり豆腐を仕込んでいるに違いないと思っていたよ」
「気がつかなかったのね」
マークが思わず目をむいた。「ダーシー、まさか」
彼の声はうめき声に近かった。ダーシーの背筋に甘い戦慄が走った。このままもたれかかり、抱きついたら彼はどんな反応を示すだろう。危険だわ、と彼女は自分を戒めた。この気持ちを間違っても彼に悟られないようにしなければ。
「豆腐はマッシュポテトに混ぜてあったのよ」彼女は彼の耳元でささやいた。「七面鳥には、豆腐は入れないわ」
マークは声をたてて笑った。彼の笑い声を聞いたのは初めてだ――といっても、こんなに長い時間一緒にいたことはないのだから当たり前だけれど。今までの二人のやりとりといえば、彼の決めた注文に彼女が文句をつける、というのがお決まりのパターンだった。
「賭けてもいいが、きみは手料理に豆腐を使ったりしないよ」マークはそう言ってワインをぐっと飲み干した。
「当たりよ。でも、大の男が豆腐と聞いただけで身震いする様子を見ているのは正直言って愉快だわ」ダーシーは立ち上がり、背筋を伸ばした。「まだ一杯分ぐらい、ワインが残っていたはずよ。車で来たわけじゃないから、空けてしまわない?」
マークがうなずいたので、ダーシーはダイニングへ戻った。テーブルの上に置いてあるワインのボトルをつかむ。リビングのソファへ戻ったとき、彼女は彼の真横に座りたい衝動を懸命にこらえた。
いきなり彼にぴったり寄り添って、そう、膝の上に座ったりしたら、刑事さんはなんて言うかしら。驚いてソファから飛び上がるマークの姿を想像すると、笑いがこみ上げてくる。そんなことをしたら、ワインがソファにこぼれて大変なことになるわ。どうやらこの計画は、想像するだけにしておいたほうがよさそうね。
「何をにやにやしているんだい?」
「わたしって、変なところに笑いのつぼがあるの」
マークがグラスを差し出した。ダーシーは腰をかがめてワインを注ごうとしたが、グラスよりも彼の緑色の瞳に目が吸い寄せられていた。緑色の目をした男性に出会ったのは生まれて初めてだ。なんてきれいなのかしら。形のいいその目が、長く濃いまつげに縁取られている。
「ダーシー?」
声は聞こえたが、返事ができない。心臓が早鐘のように鳴っている。まるで部屋中の空気がなくなったみたいに、息が苦しい。体中が火照っているのに、足ががたがたと震えている。寒さのせいではないとしたら、なんのせいなのだろう?
マークがボトルを彼女の手から取り上げた。ふと見ると、彼のグラスは空のままだった。マークはじっとダーシーを見つめ、グラスとボトルをテーブルに置いた。
「これを持ったままでは無理だ」マークは言った。
ダーシーはからからに乾いた唇を舌先で湿らせた。「何が?」
気がつくと、彼女はマークの前で腰をかがめたままの格好だった。なんてまぬけな格好かしら、と思いながら背中を伸ばそうとした。するとマークが彼女の腕をつかみ、強く引き寄せた。ダーシーは身動きがとれず、バランスを崩して倒れそうになった。
あっという間に、彼女はマークの膝の上に尻もちをついていた――ほんの三十秒前に想像したとおりに。マークが彼女を両腕で包み、抱き寄せる。
「こうしたいと思っていたのは、きみだけじゃないよ」そっとささやき、彼は彼女の唇をふさいだ。
しばらくの間、ダーシーは身動きできなかった。これはただの妄想だわ。ワインのせいよ。酔った勢いで彼ときわどい会話を交わしているうちに、勝手に妄想が膨らんでしまったのね。
それにしては、抱き寄せられたときの彼の腕の感触はあまりにも生々しかった。ただの妄想で、体がこんなに熱くうずくものだろうか。
想像どおり、マーク・キンケイドのキスは夢のようだった。優しく強引で、温かく、そして情熱的だ。乱暴でも臆病でもなく、ためらう隙を与えないそのキスは、まさにダーシーが夢見ていたとおりのものだ。彼の唇が彼女の唇を優しくこする。ぞくぞくするその感触に、爪先が思わずそり返った。男性らしいにおい、たくましい体、抱きしめられた腕の力強さ――何もかも、今まで味わったことのない、すばらしい感覚だ。
マークのキスはあくまでも優しかったが、ダーシーは激しい欲望に気を失いそうになった。体中が、今まで経験したこともないほど熱く燃え上がっている。思いもよらないその反応が決して妄想でないことは、彼女にもわかっていた。
*この続きは製品版でお楽しみください。
マークの笑みがすっと消えた。「いつも笑っていられるほど、人生は楽しいものじゃない」
「かもしれないわね。でも、たまには思いがけなく楽しい出来事に出会うこともあるじゃない。たとえば今夜とか。初めはあなたとの食事がどうなるかと、不安だったわ。でも楽しかったじゃない。思っていたより気楽におしゃべりができたし」
「その点は認めるよ」マークは言った。「本当は、来るのはあまり気が進まなかったんだ。いつも食事のメニューにあれこれ口出しをするきみのことだから、きっとどこかにこっそり豆腐を仕込んでいるに違いないと思っていたよ」
「気がつかなかったのね」
マークが思わず目をむいた。「ダーシー、まさか」
彼の声はうめき声に近かった。ダーシーの背筋に甘い戦慄が走った。このままもたれかかり、抱きついたら彼はどんな反応を示すだろう。危険だわ、と彼女は自分を戒めた。この気持ちを間違っても彼に悟られないようにしなければ。
「豆腐はマッシュポテトに混ぜてあったのよ」彼女は彼の耳元でささやいた。「七面鳥には、豆腐は入れないわ」
マークは声をたてて笑った。彼の笑い声を聞いたのは初めてだ――といっても、こんなに長い時間一緒にいたことはないのだから当たり前だけれど。今までの二人のやりとりといえば、彼の決めた注文に彼女が文句をつける、というのがお決まりのパターンだった。
「賭けてもいいが、きみは手料理に豆腐を使ったりしないよ」マークはそう言ってワインをぐっと飲み干した。
「当たりよ。でも、大の男が豆腐と聞いただけで身震いする様子を見ているのは正直言って愉快だわ」ダーシーは立ち上がり、背筋を伸ばした。「まだ一杯分ぐらい、ワインが残っていたはずよ。車で来たわけじゃないから、空けてしまわない?」
マークがうなずいたので、ダーシーはダイニングへ戻った。テーブルの上に置いてあるワインのボトルをつかむ。リビングのソファへ戻ったとき、彼女は彼の真横に座りたい衝動を懸命にこらえた。
いきなり彼にぴったり寄り添って、そう、膝の上に座ったりしたら、刑事さんはなんて言うかしら。驚いてソファから飛び上がるマークの姿を想像すると、笑いがこみ上げてくる。そんなことをしたら、ワインがソファにこぼれて大変なことになるわ。どうやらこの計画は、想像するだけにしておいたほうがよさそうね。
「何をにやにやしているんだい?」
「わたしって、変なところに笑いのつぼがあるの」
マークがグラスを差し出した。ダーシーは腰をかがめてワインを注ごうとしたが、グラスよりも彼の緑色の瞳に目が吸い寄せられていた。緑色の目をした男性に出会ったのは生まれて初めてだ。なんてきれいなのかしら。形のいいその目が、長く濃いまつげに縁取られている。
「ダーシー?」
声は聞こえたが、返事ができない。心臓が早鐘のように鳴っている。まるで部屋中の空気がなくなったみたいに、息が苦しい。体中が火照っているのに、足ががたがたと震えている。寒さのせいではないとしたら、なんのせいなのだろう?
マークがボトルを彼女の手から取り上げた。ふと見ると、彼のグラスは空のままだった。マークはじっとダーシーを見つめ、グラスとボトルをテーブルに置いた。
「これを持ったままでは無理だ」マークは言った。
ダーシーはからからに乾いた唇を舌先で湿らせた。「何が?」
気がつくと、彼女はマークの前で腰をかがめたままの格好だった。なんてまぬけな格好かしら、と思いながら背中を伸ばそうとした。するとマークが彼女の腕をつかみ、強く引き寄せた。ダーシーは身動きがとれず、バランスを崩して倒れそうになった。
あっという間に、彼女はマークの膝の上に尻もちをついていた――ほんの三十秒前に想像したとおりに。マークが彼女を両腕で包み、抱き寄せる。
「こうしたいと思っていたのは、きみだけじゃないよ」そっとささやき、彼は彼女の唇をふさいだ。
しばらくの間、ダーシーは身動きできなかった。これはただの妄想だわ。ワインのせいよ。酔った勢いで彼ときわどい会話を交わしているうちに、勝手に妄想が膨らんでしまったのね。
それにしては、抱き寄せられたときの彼の腕の感触はあまりにも生々しかった。ただの妄想で、体がこんなに熱くうずくものだろうか。
想像どおり、マーク・キンケイドのキスは夢のようだった。優しく強引で、温かく、そして情熱的だ。乱暴でも臆病でもなく、ためらう隙を与えないそのキスは、まさにダーシーが夢見ていたとおりのものだ。彼の唇が彼女の唇を優しくこする。ぞくぞくするその感触に、爪先が思わずそり返った。男性らしいにおい、たくましい体、抱きしめられた腕の力強さ――何もかも、今まで味わったことのない、すばらしい感覚だ。
マークのキスはあくまでも優しかったが、ダーシーは激しい欲望に気を失いそうになった。体中が、今まで経験したこともないほど熱く燃え上がっている。思いもよらないその反応が決して妄想でないことは、彼女にもわかっていた。
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