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残酷な愛人契約 黒い城の億万長者 II

残酷な愛人契約 黒い城の億万長者 II


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア黒い城の億万長者
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 オリヴィア・ゲイツ(Olivia Gates)
 カイロ在住のエジプト人。作家だけにとどまらず、眼科医、歌手、画家、アクセサリーデザイナーという実にさまざまなキャリアをもち、妻と母親業もこなしている。キャラクター設定やプロットのアドバイスをしてくれる娘と、ストーリーが気に入らなければキーボードの上を歩きまわる辛口批評家のアンゴラ猫の助けを借りながら、情熱的なロマンスを書き続けている。

解説

 まさか……私の中に新しい命が?

 彼が結婚してしまう――めくるめく情熱を分かち合った、愛しい人が。スカーレットは億万長者の実業家ライデンの婚約パーティに出席していた。5年前、過去を知られることを恐れて彼のもとを去り、顔も名前も変えて別人に生まれ変わったわたしに、彼が気づくはずもないけれど……。ところが驚くことにライデンは、彼女の正体を見破った。二人の間の激しく引き合うエネルギーを鋭く察知したのだ。「今度こそわたしのことはすべて忘れてちょうだい」張り裂けそうな胸の内を隠し、会場をあとにしたスカーレット。だがその夜更け、彼はスカーレットの家に現れて罰するように彼女を抱き、自分が結婚するまで愛人として尽くすよう要求してきた。

 ■オリヴィア・ゲイツの4部作〈黒い城の億万長者〉、待望の第2話をお楽しみください。日本でのお見合い結婚を決めたライデンと再会したスカーレット。彼女が自分の子を流産したとは知らず、怒りと情熱をぶつけてくる彼に翻弄されますが……。

抄録

 しばらくの間、スカーレットはぴくりとも動かず、一言も発しなかった。
 やがて彼女は顔だけこちらに向けると、青い瞳に面白そうな光を宿してライデンを見つめた。「わたしが誰か別の人間だと言いたいのかしら? あなたの知り合いの誰かに似ているとでも?」鈴を転がすような短い笑いが、その唇からもれた。「そんなふうに言われたのは初めてだわ」
 ライデンは、重力のように彼を引きつける彼女の体につかみかからないよう必死でこらえた。「男はみんな、君のような女性には会ったことがないと言って言い寄るんだろう。心配はいらない。君はやはり特別だよ。なぜなら、顔も体つきもまったく違うのに、僕には君がハンナだとわかるからだ」
 とうとう言ったぞ。実にばかばかしく、理屈に合わない台詞だったが、ここまで来たらライデンはとことん直感に従うつもりでいた。
 スカーレットは信じられないと言いたげに眉を上げ、ふっと心得顔になった。「これはゲームなのね? わたしに、その……ハンナという女性のふりをしろと言うんでしょう? そして、あなたも別人になったつもりで、行きずりの恋を楽しむのね?」スカーレットはライデンに向き直り、窓枠に身を預けた。「日本ではロールプレイングが盛んだと聞いたけれど、あなたまでそんなゲームに夢中だとは思わなかったわ。若くして億万長者になったあなたにとって、これがお気に入りのストレス解消法なのかしら」
 穏やかな一語一語が、まっすぐにこちらを見つめる視線が、ライデンの心をかき乱した。
 ライデンの唇があざ笑うように歪んだ。「即席の切り返しとしては上出来だな。もっとも君は以前から、僕が知る中では一番自然体で演技のできる詐欺師だった」
 形のよい褐色の眉が問いかけるように上がり、本物の興味が彼女の目に現れた。「そんなにたくさんの詐欺師を知っているの?」
「何百人とね。しかも、ほぼ百パーセント正体を見抜くことができた。最後まで僕を欺しおおせたのは君だけだ。だが、僕はもう二度と君の見せかけに欺されはしない」
 スカーレットはこれ以上つき合っていられないとばかりに首を横にふった。すると、不意にその首をかしげ、けぶった目でからかうようにライデンを見つめた。「わたしに誘いをかけたければ、そんなとっぴな方法をとらなくてもいいのよ、ミスター・クロシロ。あなたには興味を引かれるもの」
 ライデンは驚いた。「本当に?」
「少しでも頭が働く女性なら、誰だってあなたに興味津々よ」スカーレットはため息をついた。「あなたにもう婚約者がいるなんて残念だわ」
「そんなことが問題になるのか?」
「あなたのような人なら問題にしないでしょうね。どんなルールにも縛られず、他人を斟酌せずに決断を下せるような人間なら」
「僕がそういう人間だということを、君は知っているはずだ」
「あなたが言いたいのは、ハンナという女性なら知っている、ということでしょう?」
「いつまでハンナでないふりを続けるつもりだ?」
 スカーレットはもう一度ため息をついた。「そんな小細工を弄さなくても、あなたには興味があると言ったじゃないの。あなたが求めているのは、いっときの熱い関係なんでしょう? それなら、お相手できるかもしれないわ」
「すると君のベッドに、まだヒロの居場所はないのか?」
「ヒロのことも、わたしの私生活も、あなたにどうこう言われる筋合いはないわ」
「君がこんなことをしているのを、ヒロは知らないんだろう? それとも君はヒロの前に餌をぶら下げておいて、彼が釣り竿ごとのみこむのを待つ間、ちょっとしたお楽しみを歓迎するというわけか?」
「何がいけないの? 今のところ、わたしは誰の恋人でもないんだもの」スカーレットはもたれていた窓枠から身を起こした。「でも、別人のふりをするのはごめんだわ。ハンナとかいう女ではなく、わたしを相手にするつもりがあるなら、あらためて交渉に来てちょうだい」
 そう言い放つなり、スカーレットはくるりと背を向け、戸口へ歩きはじめた。赤い髪に黒いドレスの女神が宵闇に向かって遠ざかるのを、ライデンはもつれた思いで見つめた。
 ひょっとして、僕は大変な醜態をさらしたのだろうか? 状況を見る限り、そうとしか考えられない。しかし彼の直感は、違うと声高に告げていた。
 腹の底からいら立ちがこみ上げてきて、ライデンはスカーレットにつかみかかると、わが身に叩きつけるように抱き寄せた。
 首筋の髪に手を差し入れ、乱暴につかんだとたん、小さな悲鳴がスカーレットの口からもれた。しかし、ランタンの炎に照らされた青い瞳はこの上なく冷静で、それがポーズにすぎないことを示していた。ライデンは荒々しくスカーレットの唇を奪うと、甘いうめきをのみこんだ。
 キスで攻め立てられてスカーレットの唇が開き、さらなる奥へとライデンを誘った。たくましい胸板に柔らかな体がぴったりと寄り添ってくる。スカーレットの降伏が、ライデンに火を点けた。だが何より全身で熱く燃え上がっているのは、一つの確信だった。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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