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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・セレクト

24時間見つめてて

24時間見つめてて


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ダイアナ・パーマー(Diana Palmer)
 シリーズロマンスの世界で今もっとも売れている作家の一人。総発行部数は4200万部を超え、ニューヨークタイムズを含む各紙のベストセラーリストにもたびたび登場。かつて新聞記者として締め切りに追われる多忙な毎日を経験したことから、今も精力的に執筆を続けている。ジョージア州在住。大の親日家で、日本の言葉と文化を学んでいる。家族は夫と息子の三人。

解説

 キリーはあらぬ誤解から、元婚約者ラングの愛を失った。罠に掛けられ、裸で男性といるところを見られてしまったのだ。泣きながら弁解する彼女に、ラングは耳を貸そうともせず去った。あれから5年。彼以上に愛せる人にはいまだに出会えないが、23歳のキリーは、仕事が生き甲斐の日々を送っていた。ところが美しい女性に成長した彼女につきまとう男は少なくなく、いまは警備員の男からの執拗なセクハラに悩まされている。新しく着任した警備部長がボディガードを務めてくれることになり、キリーはオフィスで彼を迎えた。だがそこに現れたのは、ラング! 私の心を引き裂いた男性と、24時間一緒にいることになるなんて。

 ■〈ボディガード〉3部作最終話です。美しいキリーを狙う男から、何がなんでも守ってやると決意するラングですが、彼女を今でも強く求める彼自身の欲望が最も危険なことには気づいておらず。男のプライドと未練に引き裂かれるヒーローに悶えてください!

抄録

 キリーは答えなかった。エレベーターのドアが開いて、ふたりは乗りこんだ。ラングが彼女の部屋のある二階のボタンを押した。
「歩いて上がってもよかったのよ、二階なんだし」
「階段は使わないほうがいい」彼が真顔で言った。
「ええ、そうね」
「仕事場でもそれは同じだ」
 エレベーターのドアが開き、彼は人けのない廊下のつきあたりにあるキリーの部屋までつき添ってくれた。キリーは彼に言われたとおり、部屋の鍵を手に持っている。彼はほほえんだ。
「キリー」彼女がドアを開けると、ラングが言った。
 キリーは彼に背を向けたままためらっている。
「昔と同じやり方で夜をしめくくるというのはどうだい?」
 彼にキスをしたときの感覚がよみがえって、キリーはドアノブを握りしめた。「だめよ」
「そうか」彼は両手をポケットにつっこみ、壁にもたれた。黒い瞳でキリーの横顔をじっと見つめる。「チャドとのことはどうなったんだ?」
 キリーは彼を見据えた。「知らないの? あなたの親友だったのに」
「あいつのせいでぼくたちが別れてからは、そうじゃなくなった」きっぱりとした口調だった。「ぼくが彼を殴って、歯を二本折ったことは聞いてないのかい?」
「ええ」キリーはラングの表情にぞっとして、ジャケットの前をかき合わせた。「ちょっと遅すぎたと思うけど」
「それでも胸がすっとしたよ」
 ラングの胸がやわらかいニットシャツの下で上下した。シャツの胸の部分に胸毛が透けて黒くなっている。キリーはかつて、その茂みに口づけ、両手でまさぐるのが好きだった。
 キリーの瞳に寂しさが宿った。「あなたはわたしのことなんかなにも知らなかったのよ。ただわたしにキスしたかっただけ」彼女はやさしくほほえんだ。「だから、わたしがチャドにだまされたと言っても信じてくれなかったんだわ」
 ラングが無言で唇を見つめているので、彼女はいたたまれなくなってドアノブをまわした。
「はじめてキスをしたとき、きみは息苦しそうだった。ディープキスがどんなものかを知らなかったなんて、驚いたよ」
 キリーは落ち着かない気分になり緑の瞳で彼をにらみつけた。「わざわざ思い出させてくれなくてけっこうよ」
「きみがバージンでなかったら、ぼくたちの関係は違ったものになっていただろう。ぼくはきみが欲しくてまともに考えることもできなかったほどなのに、きみは婚前交渉を頭っから否定する古いタイプの女の子だった」
「今でも古いタイプの女よ」彼女はほんの少し自慢げに言った。「自分のことは自分で心配するから、口出ししないでほしいわ。わたしが男を近づけないとしても、それはわたしの勝手よ」
「冬の夜はさぞかし寒いだろう」
 キリーは眉をつり上げた。「おあいにくさま。電気毛布があるし、健康には自信があるからぐっすり眠れるわ。あなたのほうはどうなの?」
 彼はよく眠れなかった。もう何年もぐっすり眠ったことがない。記憶が数々の暴力に彩られ、ここ数カ月というものはそれがたびたび悪夢となって襲ってきた。
「ぼくは眠れない」彼は率直に言った。
「無理もないわ、女性がたくさんいるんじゃ!」
「キリー……」
 彼は否定しなかった。もちろんできるわけがないんだわ。キリーは嫉妬を抑えてほほえんだ。「稽古をつけてくれてありがとう」
「どういたしまして」ラングは怒りをこらえながら、答えた。「三日以内にもう一度やろう。あの柔軟体操を忘れないように。家でもやっておくんだ」
 キリーは駐車場にいたエリクソンのことを思い出して、背筋が寒くなった。瞳に恐怖が満ちる。
「彼を怖がっていることを見せないように。顎を上げ、まっすぐに彼を見て怖がっていないことを示す。アパートでも職場でも、建物から出るときには必ずだれかといっしょにいること」
「わかったわ」
 ラングはやさしく笑った。「きみはタフだね。今言ったことを忘れずに」
「やってみるわ。ありがとう、ラング」
「また来るよ。用事があったら知らせてくれ」
 キリーはうなずいた。
 彼は欲望にけぶる目でキリーを見下ろしてから向きを変え、ゆっくりとエレベーターのほうへ歩み始めた。
 キリーは彼を呼び戻したかった。ラングの去っていくうしろ姿は胸に焼きついている。何年もの間、片時も忘れたことはなかった。彼が去る姿を見るのは今でもつらい。そのつらさは昔と変わらない。
 ラングはエレベーターのボタンを押すと、キリーをふり返った。キリーは彼をじっと見つめている。ラングも彼女を見つめ返した。たまらなく抱きしめたいのに、これではまるで拷問だ。この拷問に耐えなければ、エリクソンの件を解決させられないのか。
 キリーは気乗りしないように手をふって部屋に入り、ドアを閉めて鍵をかけた。ラングにキスを求めないようにしよう。彼をその気にさせてしまったら、また昔と同じ苦しみを味わうことになる。今度こそ強くならなければ。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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