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和書>小説・ノンフィクションハーレクインシルエット・ラブ ストリーム

華麗なる復讐

華麗なる復讐


発行: ハーレクイン
シリーズ: シルエット・ラブ ストリーム
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 アン・スチュアート(Anne Stuart)
 二十五年以上におよぶ作家生活のなかで六十作を超える作品を発表。栄えあるRITA賞を三度も受賞した経歴を持つ。ベストセラーリストの常連で、雑誌ピープルやヴォーグにも登場したことがある。執筆の合間には、作家集会での講演のため各地を訪れる生活を送っている。夫と二人の子供とともに、バーモント州北部在住。「闇の貴公子」は1990年5月刊「ファベルジュの卵」と’91年12月刊「泥棒と探偵を」の関連作。

 ゲイル・ウィルソン(Gayle Wilson)
 作家になる前は高校で英語と世界史を教えていた。ロマンティック・サスペンスと、十九世紀初頭の摂政期を舞台にした歴史ロマンスを書き分けながら、北米ではこれまで二十作以上の作品をハーレクインから刊行。ロマンス小説界の由緒あるRITA賞を二度も受賞したほか、数々の賞を獲得している。すでに独立した一人息子も教師となり、現在は夫と増え続ける犬や猫とともに米アラバマ州に暮らす。ミニシリーズ『孤高の鷲』はヒーローたちの孤独な闘いと真実の愛にたどりつくさまを描いた連作で、北米で大好評を博し、続編が次々と刊行されている。

解説

 『闇の貴公子』――闇の世界に名を轟かせる宝石泥棒マイケル・ブラックハートは大金持ちからしか盗まない、いわば義賊だ。今回の獲物は、悪名高い億万長者ビル・ヘルムズのコレクション。パーティに潜入したマイケルはヘルムズの秘書と知り合う。趣味と実益を兼ね、彼はその美人秘書を誘惑することにした。

 『光さすところへ』――“奪われた家宝を取り戻してほしい”アンドレアはある決意を秘めて、旧友ダンカンに仕事を依頼した。元CIA局員のダンカンに彼女はずっと片思いをしていたが彼のそっけない態度は変わることなく、無情にも月日が流れた。今度こそ距離を縮めたい。だが再会の場で彼はやはり冷たかった。

抄録

「どうして? どうして殺せないの?」
「僕は泥棒であって殺し屋じゃない。銃の一挺も持ってはいないんだから」マイケルがそっと手を伸ばして、イザベルの顔にかかった髪を払ってくれた。彼に触れられると、イザベルは欲望で身が震えた。「君を人質にするのが一番よさそうだな。君を共犯者にせずにすむし、僕の計画も邪魔されない。しかも人質なら適当な時点で解放できるし」
「一緒に連れていってもいいし?」
 マイケルの顔に官能的な笑みが広がった。「ああ、そうだ」彼は低い声で言った。
 もちろん力ずくで連れていかれそうになったら、イザベルは彼を殴りつけていただろう。だが彼女は、マイケルに抗いたいのかどうか自分でもわからなかった。
「君を誘惑してもいい」マイケルは言った。「今ここで、君と愛を交わすことだってできる。このテーブルに君を押し倒して体じゅうを愛撫し、正邪も法律も、君が大事にしてきたお上品な道徳も、何もかも忘れさせることだってできる。口もきけないほどのクライマックスを迎えさせることだってできるんだ。ただ、これには一つ問題がある」
「問題って?」イザベルはかすれ声でたずねた。彼が欲しかった。今すぐ彼に触れてもらいたかった。
「君と愛を交わせば、僕も君のことしか考えられなくなる。さっきも言ったとおり、君は僕の運命の相手なんだ。だが僕はこれまで運命に挑みつづけてきた。今ここで、運命に従う覚悟は急には決められない」
「決心がついたら教えてちょうだい」イザベルはテーブルから下りると、マイケルに背を向けた。顔を見れば見るほど、彼が欲しくなる。それに、わたしは海賊を相手にするような女ではない。「わたしのハイヒールはどこへ行ってしまったのかしら? 家まで裸足で歩くのはまっぴらよ」
「たぶん荷台のどこかだろう」マイケルはテーブルに座ったまま考えこんでいた。イザベルが荷台によじ登ったところで、ようやく彼は口を開いた。「君一人のためにすべてをあきらめろというのか?」どこか面白がるような口調だった。「何百万ドルもの美術品を全部?」
 イザベルはからかわれても平気だった。「ええ、そうよ。何もかもね」
「思い出の品を一つくらい手元に残すわけにはいかないのかい? レンブラントの小品とか? フェルメールでもいい」マイケルは哀れっぽく言った。
「わたしを手元に残せばいいわ」そう言って、イザベルは薄暗い荷台の中へ入っていった。
 なくした靴はどこにも見あたらなかった。たいしたシンデレラだこと。名づけ親の妖精はネオナチで、白馬の王子様は大泥棒だなんて。これではどう考えてもハッピーエンドになるはずがない。ヘルムズとボディガードが、意地悪な継母と醜い姉という設定ならつじつまが合うけれど。だが今はそんなことを考えている場合ではなかった。とにかくなんとか逃げ出して家に帰り、ベッドに身を投げ出して泣きたかった。
 そうだ、警察にも行かなければならない。マイケル・ブラックハートがノレンヘルド・コレクションを盗んだこと、そしてビル・ヘルムズが彼女に睡眠薬を注射して誘拐しようとしたことを通報しなければ。ヘルムズに対する訴えは、本気にしてもらえないかもしれないが、それでも、次に彼女に言い寄るときは彼ももう少し慎重になるだろう。
 そしてマイケルのほうは、逮捕されるか高飛びするか、とにかく彼女の前から姿を消すだろう。現実世界での結末なんて、こんなものだ。
 ふっと明かりがさえぎられたので、イザベルはふり返った。マイケルが一メートルほど離れたところに、残念そうな顔で立っていた。「決めたよ」
「決めたって何を?」
「レンブラントもルノワールも、フェルメールもラリックも、全部あきらめる」マイケルは大またで近づいてくると、力強く優美な手で彼女の顔をはさんだ。「もし君さえ僕のものになるのなら」
 イザベルは答えられなかった。すでにマイケルに唇を奪われていたからだ。だが言葉はいらなかった。彼女も口づけを返していたからだ。
 すばらしい経験になるとは、イザベルは期待しなかった。トラックの荷台で、せわしなく、そしてぎこちなく交わす愛が、夢のようなハッピーエンドを生むとは思えなかったからだ。
 だが、少しもせわしなくはなかった。マイケルはゆっくりとキスを深め、イザベルが徐々に大胆になり、奔放に唇を求めてくるように仕向けた。ドレスに包まれた胸をマイケルになで下ろされると、イザベルはおののき、いっそう身をすり寄せた。そして自分もマイケルのTシャツの中に手を滑りこませて、熱くなめらかな背中の手ざわりを楽しんだ。
 マイケルはTシャツを脱いで放り投げた。そして彼女の体にぴったり沿う銀のドレスに手を伸ばした。
「これはどうやって脱がせればいい?」
 イザベルは自分のくぐもった笑いに、われながらショックを受けた。「忘れたわ」
「向こうを向くんだ」
 言われたとおりにすると、たっぷりした金髪の上から、うなじにマイケルの唇が押しあてられるのを感じた。マイケルに軽く歯を立てられて、不意にイザベルは我慢しきれなくなってうめいた。


 *この続きは製品版でお楽しみください。

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