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シークの契約花嫁 黒い城の億万長者 III

シークの契約花嫁 黒い城の億万長者 III


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア黒い城の億万長者
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 オリヴィア・ゲイツ(Olivia Gates)
 カイロ在住のエジプト人。作家だけにとどまらず、眼科医、歌手、画家、アクセサリーデザイナーという実にさまざまなキャリアをもち、妻と母親業もこなしている。キャラクター設定やプロットのアドバイスをしてくれる娘と、ストーリーが気に入らなければキーボードの上を歩きまわる辛口批評家のアンゴラ猫の助けを借りながら、情熱的なロマンスを書き続けている。

解説

 途方もない罠にかかったとは知らぬまま、彼女はシークの花嫁となった。

 ああ、わたしはお金で買われてしまったんだわ! アラビアの王国ザフラナの王女ジェナンは、豪華な婚約記念パーティーで唇を噛みしめた。でも、隣国の裕福な老王と結婚しなければ、莫大な負債に苦しむ母国を救うことはできない。会場の人目につかない場所で涙にくれる彼女の前に現れたのは、光り輝くようなオーラを放つ男性、ヌメール・アル・アスワド。計り知れぬ財力と権力を誇る実業家の彼なら、助けてくれるかもしれない。藁にもすがる思いでジェナンが懇願したところ、彼はあっさり了承した。“彼の子供を産むこと”――結婚の条件はそれだけだったが……。

 ■話題沸騰中、O・ゲイツの4部作〈黒い城の億万長者〉第3話です。絶体絶命のヒロインは、窮地を救ってくれた男性にまさか罠を仕掛けられていたとは夢にも思わず……? 次回最終話のヒーローは、“コブラ”ことリチャード。謎めいた彼の過去がすべて明らかに!

抄録

「ぼくはこれ以上ないくらい真剣だ」
「あなたはどうしてこんなまねをするの?」
 彼女が問いかけると、ヌメールが不意に距離を詰めた。気がついたときには、彼女はなかば彼に抱かれていた。
「こんなまね?」
 ヌメールの吐息が顔にかかる。男性的な香りを鼻に感じたとたん、めまいがさらに激しくなった。ジェンはなんとか抱擁から抜け出そうとしたが、彼は彼女をたくましい腕のなかから放そうとしなかった。
「欲しいものを正直に明かすことが、悪いことだとでもいうのか? ぼくがとことん正直であることを、きみは望んでいたはずだ」
「いつこんなことを考えたの? わたしが助けをもとめたときに、思いついたんじゃないんでしょう。あなたが何か代償をもとめてくるとは思っていたわ。でも、まさかこんなことだなんて」
「どういう代償だと思っていたんだ? きみの体だとでも?」
 そんなことを考えるのは、うぬぼれではないだろうかとも感じていた。だが、ヌメールはどう見てもわたしに関心を持っている。そういうふうに考えるしかなかったのだ。
 彼の望みはつかのまの関係だろう、とジェンは考えていた。もしかすると、ニューヨーク滞在が終わるまでの話かもしれない、と。だが、彼女にとってこれは“代価”ではなかった。“報酬”と言ったほうがいい。これが別の状況であれば、彼のそばにいるためなら、わたしはどんなことでもしたはずだ。でも、わたしは状況を完全に読み違えていた。誤解もいいところだわ。
 完全にあり得ない。
 ヌメールの指がやさしく顎の下にふれ、彼女の顔を上に向かせた。
「きみの体を要求するつもりはない。ぼくは女性の弱みにつけ込むような男じゃない」
 わたしはばかな女だわ、と彼女は思った。こんなことを考えるなんて。この人は、世界中のどんな美女でも手に入れられる人よ。快楽のためにお金を使う必要なんてないはず。
「ぼくは行きずりの関係が好きなわけじゃないさ。だが、それ以上のものを望んでいたわけでもない。ぼくの人生は仕事と富と権力を中心に回転していた。物心ついたころから、ただそれだけが欲しかった。だが、最近になって何もかもが変わってしまった」
「何があったの?」
「四十歳になり、人生の優先順位と道筋を変えたいと感じるようになったのさ。いままでは家庭になど関心はなかったし、自分の残した財産が誰のものになるのかも興味はなかった。だが、いまは気になるんだ」
 彼女はヌメールを茫然と見つめた。彼の口からこんな台詞を聞こうとは、思ってもみなかった。凡人とはかけ離れたヌメールだけに、何か独自の理由があるのだと考えていたのだ。
「それであなたは、普通の人間を支配しつづけることより、普通の人間の一員になることを選んだわけね。自分の遺伝子を残したい、と。あなたがそんなことを考えていると知れたら、世界中の女性たちがあなたに相続人を与えようとするでしょうね」
「ぼくが自分の望みを明らかにするのは、相続人の母親になるべき女性だけだ」
 ジェンの当惑はさらに深まった。「そもそも、あなたはなぜわたしを選んだの?」
「さっきのきみの言葉をそのまま返そう。冗談はやめてくれ」
「わたしもあなたの言葉をそのまま返すわ。わたしはこれ以上ないくらい真剣よ」
「よくもそんなことが言えるな。この部屋まで来ておきながら」彼はジェンをきつく抱きしめた。
 ヌメールの体は熱く、たくましい。彼女の筋肉から力が抜けていった。
「ぼくの腕に抱かれていながら。これが別の状況なら、きみはすぐにぼくの腕のなかに飛び込んだはずだ。きみとぼくのあいだに働く力はあまりにも強烈で、ぼくが舞踏室に足を踏み入れた瞬間、火を噴いていた。しかも、その炎の勢いはさらに増している」
 自分がヌメールの心と体をそれほど激しく揺さぶっていることが、彼女には信じられなかった。「ベッドでのお相手をつとめろ、とあなたは言いたいみたいだけれど――」
 彼はジェンの言葉をさえぎった。「それがぼくの骨折りに対する適正な代価だとは、きみは思わないのか?」
「代価がなんなのかは重要じゃないのよ。結局わたしは、あなたのベッドに入ることになるんだから」
 ヌメールの瞳に勝ち誇ったような光が浮かんだ。
 ジェンの返答はヌメールを喜ばせると同時に、欲望を刺激したようだった。ヌメールの体は熱を帯び、腿に食い込む彼の下腹部が鋼のように硬くなる。彼女の体の中心もうずき、脈打っていた。
 彼女はヌメールを迎え入れたかった。果たすべき約束も、相続人のことも、何もかも忘れてと告げたかった。燃え上がる情熱にただ身をまかせるのよ、と。だが、思いをそのまま口に出すことはできなかった。「あなたは、ひと目見るなりわたしに欲望を感じたのかもしれない。でも、そうだとしても、わたしがあなたの相続人の理想的な母親になれる保証はどこにもないわ。あなたのような男性なら、もっといい候補者がいくらでも見つけられるはずよ」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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