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クリスマス・ストーリー2015 五つの愛の物語

クリスマス・ストーリー2015 五つの愛の物語


発行: ハーレクイン
シリーズ: クリスマス・ストーリー
価格:1,000pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 キャロル・モーティマー(Carole Mortimer)
 ハーレクイン・シリーズでもっとも愛され、人気のある作家の一人。1978年にイギリスでデビューして以来、これまでに刊行された作品は実に百冊を超える。十四歳のころからロマンス小説に傾倒し、アン・メイザーの作品に感銘を受けて作家になることを決意した。キャロルは三人兄妹の末っ子としてイギリスはベッドフォードシャー州の小村で育った。一時は看護師を志したが、転倒した際に痛めた背中が治りきらず断念。その後、某有名文房具メーカーのコンピューター部門に勤め、そこで働く間に時間を見つけて小説を書くようになった。物語を書くときに一番楽しいのは、ヒロインとヒーローの性格を考えるとき。書いているうちに徐々に主導権がヒロインとヒーローに移り、いつのまにか彼らが物語を語りはじめるのだという。現在キャロルは“イギリスで最も美しい場所”マン島に、夫と子供たちと住む。

 キャロル・マリネッリ(Carol Marinelli)
 イギリスで看護教育を受け、その後救急外来に長年勤務する。バックパックを背負っての旅行中に芽生えたロマンスを経て結婚し、オーストラリアに移り住む。現在も三人の子供とともに住むオーストラリアは彼女にとって第二の故郷になっているという。

 メイシー・イエーツ(Maisey Yates)
 ロマンス小説を書く前から、熱心な読者だった。自分のヒーローとヒロイン作りが楽しめる今の幸運が信じられないという。オレゴン州南部の自然の中で、通りの向かいに住む両親の手を借りながら、夫と幼い3人の子供と共に暮らす。朝起きて家の裏口に熊を見つけるような生活と、自宅で書くエキゾチックな街で起こる物語との落差を楽しみながら、執筆に励んでいる。

 アニー・バロウズ(Annie Burrows)
 つねに本を読んでいるか、頭の中で物語を創作しているような子供だった。大学では英文学と哲学を専攻し、卒業後の進路は決めかねていたところ、数学専攻のハンサムな男性と出会い、結婚する決心をしたという。長年、2人の子供の子育てを優先してきたが、彼女の頭の中にある物語に興味を持ってくれる人がいるかもしれないと思い、小説を書きはじめた。

 アン・スチュアート(Anne Stuart)
 二十五年以上におよぶ作家生活のなかで六十作を超える作品を発表。栄えあるRITA賞を三度も受賞した経歴を持つ。ベストセラーリストの常連で、雑誌ピープルやヴォーグにも登場したことがある。執筆の合間には、作家集会での講演のため各地を訪れる生活を送っている。夫と二人の子供とともに、バーモント州北部在住。「闇の貴公子」は1990年5月刊「ファベルジュの卵」と’91年12月刊「泥棒と探偵を」の関連作。

解説

 『クリスマス嫌いの億万長者』――“クリスマスに必要なものを大至急家に届けてくれ”ソフィーは億万長者マックスの無茶な依頼を引き受けるはめになった。大切な行事をすべて人任せにするなんて! あきれながら脚立にのって玄関の飾りつけをする彼女の前に、突然帰宅したマックスが現れ……。

 『ドクターの意外な贈り物』――ジェニファーは医師の夫アレックスと結婚し、4人の子供に恵まれた。慌ただしい日々を送っているものの、いまだにアレックスの妻への愛情深さは申し分ない。でも、彼女は夫に言えない秘密を抱えている。やがて、その秘密を最悪の形で告白する日がやってきた。

 『ボスと秘書だけの聖夜』――クリスマス間際、ボスのリュックから出張への同行を求められ、秘書のアメリアは驚いた。不動産業界で頭角を現す彼には休暇など関係ないらしい。買収交渉に赴いたスキーリゾートで、さらなる驚きが待っていた。憧れのボスと同じ部屋に泊まることになったのだ。

 『聖夜の贖罪』――子爵のシンクレア卿――愛しながらも別れざるを得なかった人。未亡人のキャロラインは重要なことを伝えるべく、6年ぶりに彼と会った。だが、いまだに裏切りを許せない彼は彼女を責める。父親の借金のため、怪物のような伯爵と結婚するしかなかった事情も知らず。

 『真夜中の奇跡』――看護助産師のケリーは初恋の男性――サミュエル・ワトソンの牧場に駆けつけた。誰かが産気づいたらしく、手助けを求められたのだ。だが、12年ぶりの再会に胸を震わせるケリーに、彼はつれなく言い放った。「きみの助けなど必要ない。一刻も早く出ていけ」

抄録

 ソフィーは問いかけるように数秒間彼を見つめていたが、やがて低い声で尋ねた。「どのくらい長い間?」
 彼が両親を亡くした、あの悪夢のようなクリスマスから十六年がたっていた。
 赤信号を無視した酔っぱらいのドライバーが両親の乗った車に突っこみ、即死させたあの日、僕とジャニスの世界は砕け散り、地獄に変わった。それ以来だ。
 母がソフィーと同じようにクリスマスに備えてビスケットやケーキを焼いていた記憶を、マックスはあえて何年も封印してきた。あの頃はクリスマスの何日も前から家においしそうな香りが満ちていた。マックスとジャニスが十代になっても、母はまだ天使と雪だるまの形をしたジンジャーブレッドを焼いていて、クリスマス前の一週間、兄妹はそれを食べ続けたものだ。
 自分のアパートメントに足を踏みいれたとたんに懐かしい香りをかいで、マックスの脳裏には楽しかったクリスマスの記憶がいっきによみがえってきた。それと同時に、以降のわびしいクリスマスの思い出も。
 クリスマスのために母がケーキやクリスマスプディングを焼いていた日々のことを、彼は忘れていた。いや、わざと思いださないようにしていたのかもしれない。そして、母を手伝って家族のためのプレゼントを包む喜びや、ツリーをみんなで飾りつける楽しさも。
 ところがソフィー・カーターを雇ったせいで、ほんの数日の間にそういった思い出が、痛みとともに鮮やかに再生したのだ。ソフィーのせいで。
 もちろん、ソフィーは悪くない。妹のジャニスと夫のトムの関係がうまくいかなくなったのがきっかけで、たまたまこういうことになっただけだ。
 マックスは大きく息を吸いこみ、たった二歩でソフィーの前に立った。「おいしそうだな。あ、痛っっ」熱を取るためにラックに並べられていた雪だるまの形のジンジャーブレッドに手を出した彼は、ソフィーにぴしゃりと手を叩かれて声をあげた。「なんだよ、ひどいな」
「まだアイシングをかけていないのに」非難するようにソフィーが言った。「それに、私の質問にも答えてもらっていないわ」彼女は問いかけるようにマックスを見あげた。
 真っ赤な髪を結いあげて黒いバンドで縛り、サンタクロースを思わせる赤い大きなエプロンを赤いブラウスの上に着た黒いジーンズ姿のソフィーは、とても愛らしい。そばかすが頬や鼻に散っていて、鼻の頭には白い小麦粉がついている。
 愛らしい?
 そんな女性は僕の好みではなかったはずだ。
 僕が好きなタイプはすらりと背が高い美人で、洗練された雰囲気がある女性だ。
 ソフィー・カーターはそのどれにも当てはまらない。
 愛くるしいけれど、背は低いし、洗練とはほど遠い雰囲気だ。顔立ちだって、なぜか興味をそそられ、気持ちをひきつけられるが、どう見てもいわゆる美人とは言いがたい。
 どうやらこの家庭的なクリスマスの雰囲気が、整えられた居心地のいい家というやつが、僕を少しおかしくしているらしい。どうしてか、てっぺんに粉がついたソフィーの小さな鼻にキスをして、その下にあるちょっと不満そうに突きだされている唇にもキスをしたくてたまらないのも、そのせいに違いない。そうさ、結果がどうなってもかまうものか。
 ソフィーはマックスがこんなに至近距離に立っていることに当惑していた。あまりにも近いので彼の体温さえ伝わってくる。例のレモンとサンダルウッドの魅惑的なアフターシェイブ・ローションの香りも鼻孔に襲いかかってくる。
 自分をじっと見おろしている、光る緑色の瞳の奥に宿っている感情がなんなのか、ソフィーには理解できなかった。戸惑っているうちにマックスの手が黒いベルベットのヘアバンドにかかり、まとめられていたソフィーの髪をほどいた。
 キッチン中の空気が急に失われたかのように、ソフィーは息ができなくなった。
 苦しくなってソフィーが大きなため息を吐いたのと同時に、黒い髪がゆっくりと彼女に近づいた。
 まるでマックス・ハミルトンにキスをされることが前から決まっていたかのように。
 まるでソフィーがそれを望んでいたかのように。
 そうかもしれない……。
 だが、それ以上考える暇はなかったし、抗議する暇も、もちろんなかった。ソフィーに与えられたのは、めくるめくような感覚だけだった。マックスの腕がウエストに回され、唇が軽く、愛おしげにソフィーの鼻の頭に触れた。彼の唇はそこから熱くなった彼女の頬へと移動し、最後に少し開かれたままだった唇をとらえた。
 何かを探し求めるような熱いキスが続く。マックスの唇はソフィーの唇を何度も味わいつくし、その一方でウエストに回した腕に力を入れて抱き寄せた。柔らかい胸の隆起が、彼の硬い胸板に強く押しつけられるのがわかる。
 ソフィーは自分の手をどこに置けばいいのかわからないまま、少しの間シルクのシャツをまとった彼の胸の上に置いていた。だが、やがてうっとりしたような声をあげて、おずおずとマックスの肩に回しかけ、次には首筋の絹のような髪に手を差しいれた。
 ソフィーが体の力を抜いて自分に身をもたせかけるのを感じて、マックスのキスはさらに激しさを増した。彼は熱い舌でとけそうに柔らかなソフィーの唇を割り、口の中に差しいれた。舌がソフィーの口のぬくもりを感じると、マックスは低くうめいた。


 *この続きは製品版でお楽しみください。

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